「見なければ、そこにいない…?原点回帰でチャベスにしては面白い集大成へ」死霊館 最後の儀式 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)
見なければ、そこにいない…?原点回帰でチャベスにしては面白い集大成へ
前作『悪魔のせいなら』より面白かった!『死霊館』本筋4本の中で3番目におもしろい作品。つまり、これはマイケル・チャベス監督の最高傑作だ!
前作は天才ジェームズ・ワンからの監督交代に加えて、内容自体も新機軸に挑戦しようと、少し色を変えた作品だったと思う(おもしろくなくて内容を覚えていないけど…)。その結果は、記憶に残らないつまらないものだった。それに対して本作は、ジェームズ・ワン監督による最初の2作品には依然劣るけど、シリーズの原点に立ち返るような「家族」のドラマと悪魔祓いで(時に文字通り?)熱くなっていた。聖水は、強い悪魔の前ではただの金属探知機代わり?
時を超えて、前回は途中で逃げた事件と対峙する!たとえ見なくても消えない、そこにいる。世の中の悪事なども同じで、目を逸らせば無くなるわけではない。そこに居座り続けては、より力を増していくのだ。だから、目を背けず対峙してこそ、本当にそこから消すことができる。本作中何度も出てくるロレイン本作のための後付け設定かもしれないけど、そういうメッセージを感じ取った。ことなかれ主義な風潮(国民性)が罷り通る日本人には、特に私事として受け取ってほしい。
ホラーシーンの我慢の時間と、画面の空間…。安易なジャンプスケアだけでなく、ちゃんとそれらが機能してドキドキハラハラする瞬間があった!エドの誕生日のホームパーティーで、死霊博物館をツアーコースみたいに案内するのおもしろかった「家族の一員だ」。燃える聖書を鏡に叩きつけるのもおもしろかった。頼りになるエドの強さを見ることができて、「コレコレ!!」とガッツポーズ笑いだった。つまり、作品前半戦は怖いけど、ウォーレン夫婦と出会って安心でき、後半・ラストバトルはドシッと構えて「行け行け!!」と応援上映できる作り。
あんな状態で陣痛に襲われて、産まれて、心臓止まって…となったら、生き返しても悪魔に取り憑かれているのではないかとか思いそう。というか、思わなかったのかな。と、冒頭のホームビデオ的成長モンタージュを見ながら気になった。ボーイフレンドのトニーは、ネクスト・エド枠?
ウォーレン夫妻への感謝と送別、集大成の大団円。そんな歴代家族大集合の場に、ワンさんカメオも。夢の中の未来モンタージュで、エドはギターを手にしているけど、今度は孫とひ孫たちにもエルヴィス弾き語るのかな…なんて想像してホッコリ。ホラー界のMCUもいよいよ終わりか、そしてホラー版『スター・ウォーズ』な黄色いタイトルの出方も見納めか。
何より前作『悪魔のせいなら』が消化不良感があったのに対し、本作は(作品の性質上もあるが)しっかりと「1本映画観たな」という充足感、満たされる感じが鑑賞後にあったという点が何よりの翔子。
P.S.『エンフィールド事件』のヴァラクの必殺技(?)、名付けて「勝手に3D」へのオマージュか、勝手に3Dアナベルも?
You're not there.
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
