君の顔では泣けないのレビュー・感想・評価
全255件中、201~220件目を表示
思わぬ拾い物!〜単なるSF設定ではなかった〜
本当のことを言ってもきっと信じてもらえないから、元に戻るのを待つ(だって、ドラマや映画はみんなそうなるよね?)。
そう思って、演じていたはずの自分が、いつの間にか周りの人にとっての実像となり、その実像(の自分)が好感を持たれたり、高評価を得てしまったり。
演じていた人格のままで、かけがえのない家族を持つ。
外見イケメン、内面女子の男はなぜかモテる(〝やはり〟モテると言ったほうが正確なのかもしれない)から、セフレには苦労しない。
男女入れ替わりという設定はSFなのに、どのシーンも、心情的にはやけにリアル。
それを言ってはいけない、と分かっているのに抑えきれないまま、相手にぶつけてしまったり、ハグしてあげたいのに堪えなければいけなかったり…
血の繋がった家族を、元家族として遠目に窺い見ることしかできないもどかしさ。
入れ替わった設定で描いてみせるそれぞれのシーンは、「ほら、こんなふうに視点を変えてみたら、それまで見えないことやなかったことにしてやり過ごしてきた色々な人の思いが、あなたにも見えるようになるはずですよ。」と私たちに語ってくるのです。
説教臭さや嘘臭さを感じることなく、素直に感じ入ってしまうのは、芳根京子さんとその高校生時代を演じた西川愛莉さんのおかげですね。
もちろん、高橋さんも素晴らしかったです!
前野朋哉映画祭 後編
PR不足感が否めない。
公開2日目の土曜日で自分含めて7人?でした。平場の月と比較しても極端に宣伝の回数が少ないと思ったので、明らかなPR不足感は否めません。
「男女が入れ替わって、そのまま15年間元に戻らない」という設定の物語だと、とある情報バラエティ番組で知ってとても興味を持ち、公開前にまず原作を読みました(面白ければ劇場へ見に行こうと決めてました)。
小説の原作を読了してその知識を持った状態で映画を観たのは今回が初めてです。
原作では主人公の心理描写を言語化してくれているのに対し、映画ではそれを省いている、それで小説未読の方にも面白いと思ってもらえる作品を作るのは非常に難しいのだと思いました。
特にこの作品は「戻れるか戻れないか」が主題ではなく、入れ替わったままの状態でお互いにどうやって幸せを掴み取るかが最大のテーマになっているため、予備知識無しでそこまで気付くのはなかなか難しく、どうしても戻る戻らないにスポットを当てなければならなかったのかもしれません。
あまり詳しく語るとネタバレなるのでなるべく控えますが、例えば入れ替わった状態の陸(芳根京子)が実の母に会うシーンでは意味不明に母から冷たくあしらわれます(原作を読んでいれば理由が分かります)。
これについては以前、ある映画監督が「映画監督とは膨大な撮影したシーンをどうやって削るかを考える仕事」だと語っていましたので、理由の分かるシーンも実は撮影していたけど、尺の都合で削らざるを得なかったのかな?と想像するのですが、初見の方はモヤモヤとしたかもしれません。
良かった点としては「あのシーンは映画でどうやって表現するのだろう?」「なるほど、こういう手があったか!」と思わせてくれたり、色々な発見を楽しめました。
編集内容について多少の疑問が残ったので★4にしますが、主演両名の素晴らしい演技と映画を観るために先に小説を読んでおくとこんなに楽しいのか、と実感させてもらえたので大満足です。
余裕のある方は映画を観て、小説を読んで、また映画を観るという楽しみ方もあると思いますが、ない方は先に原作を読んでから観る方がおすすめです。
ただの会話劇
見てきました。リアルな感じは悪くはないと思います。でも、1本の映画を見るという上では満足感は全く感じられませんでした。過去を振り返るのがメインで現在の時間軸はほとんど進みません。それがよいと言う人もいるかもしれませんが、壮大な物語を期待して見に行く人にはおすすめできません。それに内容が薄い。そもそもなぜ入れ替わったのか、最後は元に戻れたのかさえも分からないまま終わってしまいます(そこは鑑賞者の想像に委ねるおしゃれな当てつけなのかもしれませんが)。ただ映像美はよいです。女性の方も美しい方で目の保養になりますね︎^ ^
君のバディは私のバディ。
高1の時、プールに一緒に落ちた事で心と体が入れ替わってしまった坂平陸と水村まなみの話。
体が入れ替わり15年、入れ替わった時と同じ条件が揃う日に、いつもの「喫茶 異邦人」に坂平を呼び出した水村、“今日、元に戻れるかも”と言われた水村だったが…、15年経っても元の自分に戻りたいと思う水村と、過去の思い出と現在の状況、家族がいることで元に戻る事を躊躇う坂平だったが…過去と現在を行き来し見せてく。
とりあえず合間に入る数字がいまいち解りにくく、最初は“日にち”を表してるのかと思ったら、何歳の頃と後から解り…なので若干話に付いていけずで…。
正直ストーリーにハマれず、BGM無しのほぼ無音で.…zzZZ、眠気を堪えながら観たものの過去現在の描写を絡めながら戻る戻らないの論争を引っ張った割にラストがまさかの委ね系で(笑)
で原作は戻れたの?!
15歳の坂平役を演じた西川愛莉さん可愛くて将来有望!
あなたの顔では“泣くに、泣けない”現実が伝わり、切ない。
芳根京子と高橋海斗の繊細な演技力にハナマル🌼
とても演技力を必要とされ、試される映画でした。
高一の夏、同時にプールに落ちたまなみと陸は、
身体が入れ替わってしまう。
この映画が“入れ替わり“の映画としてかなり特殊なのは、
15年後の30歳になっても、そのまま入れ替わっている点。
15歳の坂平陸を西川愛莉が、成人してからは芳根京子が、
15歳の水村まなみを武市尚士が、成人してからは高橋海斗が
演じています。
【まあなんと言っても、喫茶店「異邦人」の時間ですね。】
一年に一度、7月の第三土曜日の昼間に2人は会う約束をして
実際にどこからでも駆けつけて、
まなみと陸が唯一本音で語り合い、現状報告して、
悩みを打ち明ける場所。
いつも話題になるのは、
【どうしたら元に戻れるか?】なのが、辛いけど
2人はかなり前向きだし、境遇を受け入れていて、強い。
いつも、じゃあ頑張ってと、ハイタッチで別れる。
喫茶店・異邦人が息抜きであり、ボヤキの場所なのであり、
陸であるまなみ、まなみである陸に還る空間。
芳根京子が自分を俺という自分に帰るし、
高橋海斗はオネエっぽい仕草が上手い。
★★そして映画は、もうとっかかりの冒頭で、
既に30歳になっています。
そしてアトランダムに回想シーンが現れる。
1歳〜15歳の自分と、
15歳〜30歳の自分を振り返っても、
急激に見た目も変わり、経験値も多くて、変遷したのは
15歳から30歳の方ですね。
私がかなり悲しくて響いたのは、
17歳の時かな?
陸の家にアポなしで訪ねた“あかねの外見の陸“
お母さん(片岡礼子)の素っ気なくも迷惑そうな様子。
殆どはっきり拒否されてしまう。
私なら泣いちゃうし、心が折れちゃうよ。
この映画は、そこんとこで、冷静に自己分析、
状況判断するのです。
そして節目節目があり、
27歳では、まなみの切迫流産の危機・・・
芳根京子が自分が死んだら、まなみの中の陸を《殺してしまう》と、
怯えるシーンは印象的。
自分の身体が自分のものであって、自分のもので無い、
そんな微妙な描写がすごいですね。
あとひとつ、
何歳だろ?
25歳くらいの時に、陸のお父さんが突然亡くなってしまう。
芳根京子にとっては実の父親が亡くなった・・・事になる。
《本当に“君の顔では泣けない“シーンが連発します》
このシーンで陸の弟役で、林裕太が出てきます。
このシーは、良くて、
喫煙をしにきた金髪・ピアスの林裕太が、父親の思い出話を、語るんだけど、
林裕太ってなんか良いんですよねー。
「愚か者の身分」を観てないと気が付かなかったかもしれないけど、
林裕太=スペシャル感あります。
滅多に降らない雪が積もって、兄の陸と一緒に雪だるまを作ったけど、
溶けるのが惜しくて冷凍庫に入れた。
お母さんにこっぴどく叱られた2人。
「翌日、冷蔵庫に何が入ってたと思いますか?」
そこでまなみが即答してしまう。
(実はお父さんが雪だるまの写真を撮って冷蔵庫に入れておいた・・・
(なんて優しい、そんなお父さんの顔を陸である芳根京子は、
(覚えていなかったのです・・・めっちゃ切ない)
林裕太は、不思議に思い、
「なぜ知ってるの?」って顔になります。
もちろん、「陸から聞いて知ってた」って答えるんだけど、
芳根京子はここででも泣かない。
泣けないのです。
本当に題名通り、
泣きたいシチュエーションを耐えて堪えて、
泣かない映画です。
微妙で繊細な描写に目を奪われ、
入れ替わっちった2人にホント切なくなる映画でした。
お互いいい加減で誠実さに欠ける故にラストが尚酷い
入れ替わり物語
は、ちょっと苦手な感じがしていたので観る予定ではなかったが、オフィシャルサイトみたりしてたら観たくなり鑑賞😀笑笑
芳根京子さん、高橋海人さん、15歳の陸とまなみを演じた2人、良い演技をしてました😎
難しい役なんやけどしっかり演じていて凄いなーと🥺
陸(芳根京子さん)が自分の家で母親に注意されるシーンとか、心が痛む感じで切なかった😭
本当に入れ替わったら自分ならどうするんやろうとか、陸とまなみの心情を考えながら観ました。
15年入れ替わってたらもう戻らないでええやろと思うけど、親や兄弟が他人になるのは耐えられないやろな笑笑
最後どうなるかは観客に委ねる感じでしたが、それがまた良かったかな。
とても楽しめたので良かったです😎
お勧め!!
よくある入れ替わりものとは一線をかくす作品
入れ替わったまま15年の歳月を過ごすと人はどんな感情になるのか
もとに戻りたいと思うのか
色々感情を持ってかれる
髙橋海人さん芳根京子さんの演技が素晴らしく自然すぎて一気に映画の世界に違和感なく没入しました!
まなみ(髙橋海人)が心情を特に吐露する場面が2回あるけど 号泣しました
こんなに泣いたのは久しぶりでした
ぜひ色々な方に見てほしい
きっと自分の人生を考える大切な作品になると思う
ヒロイン まなみちゃん チャーミング!
ヒロイン、まなみちゃんが 美しかった。
刹那く、チャーミングだった。
髙橋海人くん 素晴らしかった。
この映画は、まなみちゃんが 素敵でないと
物語が 評価されないと思うので 素晴らしかった
髙橋海人くんは、
アイドルで あることが 邪魔をして
正しく評価されない部分もあって
気の毒だけど
目線が この 俳優さん 上手くて
綺麗だと 思った
彼女の 身体が 男性である 葛藤は、
刹那なく 女性として 共感できた。
もう一人 陸くんの?弟
林くんも キラッとした 素晴らしい
俳優さんだなと 思いました
最後の2人のシーンでさえ
ヒロインの 笑顔に 刹那く けれど
芯のある 凛とした女性をみれる
映画です。
入れ替わりものの真骨頂
92点/☆4.2
15歳のあの日、僕と君は入れ替わった。
「いつか元に戻れる」と信じたまま、月日は容赦なく過ぎていった。そして今、30歳。
戻らないまま積み重なった15年の重さと、それでもまだ戻れるかもしれない可能性。
戻りたいという切実な願い。取り返せなかった日々への悔しさ。誰にも語れなかった孤独。
それでも入れ替わった相手が君で良かった。
そう思えるから、もう戻らなくてもいいのかもしれない。
役者たちの息遣いまで味わえる、奇跡のような2時間。
かつて邦画は「湿っぽく間延びする」「演技がお遊戯会みたいだ」と揶揄された時代もあった。
だが、その偏見を鮮やかに打ち砕く。
坂下雄一郎監督の繊細な演出、原作の静かな痛み、余白を泳ぐような音楽が取り戻せない過去をスクリーンに浮かび上がらせる。
主演の芳根京子、髙橋海人の真っ直ぐな表現も見事だが、特筆すべきは、10代のまなみの姿の陸を演じた西川愛莉。
映画初出演とは思えない存在感で、女性の身体に宿る男性の心という極めて困難な役どころを圧倒的な説得力で演じきっている。作品の屋台骨を支える、新たな才能。
30歳になった今、二人の前に戻れるかもしれない最後のチャンスが訪れる。
真偽すら定かでない情報を抱え、覚悟を確かめるため、思い出のプールへ向かう。
そこに至るまでの回想。戻れなかった15年を積み上げるように描く。
互いの家族に会いに行く。
15歳で入れ替わり、そのまま生きざるを得なかった二人。家族は元気にしているのか。変化に気付いているのか。どう思っているのか。「本当の私(僕)に気付いてほしい」という、途方もなく大きな願いが胸を刺す。
まなみの両親は、入れ替わった陸を「自分の子のよう」と迎える。喜ぶ陸の姿をしたまなみとは対照的に、まなみの姿をした陸は、自分が完璧に演じきれていない悔しさと嫉妬に苛まれる。
陸の家を訪れるシーン。
母親であるはずなのに、見た目が違うというだけで冷たい視線を浴びる。見た目が違っても、声の調子や癖で気付いてほしかった。15年一緒に暮らした親子なのに。
まなみが陸を完璧に演じきったからなのか「本当の僕は必要とされていない」「気付いてくれる人は誰もいない」そんな絶望が溢れ、家を後にして歩き出す姿は、間違いなく本作屈指の名場面。西川愛莉と芳根京子の15年の対比が、圧倒的な説得力を生む。
陸の弟・禄との再会。
入れ替わった生活の中で、心は少しずつ異性に馴染み、過去の記憶は薄れていった。親の顔も、弟の顔さえも、輪郭が曖昧になるほどに。
禄は、見た目はまなみの陸に向かって懐かしい昔話を語り始める。消えてしまったと思っていた記憶を、まなみの姿の陸が涙を浮かべて語り返す。
「ちゃんと覚えていたんだ」「ずっと大切に思っていたんだ」互いにそう知る瞬間、失われた糸が再び結ばれ、静かで熱い涙が込み上げる。
92点/☆4.2
戻れたのか、戻れなかったのか。それはもう重要ではない。
戻らない15年は確かにそこにあり、たとえどんな結果でも、きっと二人なら大丈夫。
入れ替わったのが君で良かった。
家族、パートナー、結婚、子供、仕事、将来、男性として、女性として、色んな感情が駆け巡る。
切なく、優しく、温かい。陸とまなみが共に生き抜いた15年。
二人が積み重ねたかけがえのない日々は、確かな形としてここに存在している。
全255件中、201~220件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










