君の顔では泣けないのレビュー・感想・評価
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演者さんの演技がよかった!
タイトルは内容を観たらしっくりきました。
場面の移り変わりは少なく単調で、時系列の把握が難しかったですが、髙橋海人さん芳根京子さん他みなさん演技がとてもよくて感情移入しました!
原作本を読んだら理解は深まるのかな?
自分なのに自分じゃあないような、周りからは入れ替わっているなど知る...
演技がすばらしい
正直TSFが好きなので、小説も読み、映画館に足を運びました。主演の2人はもちろん、学生時代の役の若手俳優さん2人も非常によかったです。最初の冒頭だけ結構端折ってはいましたが、時間もないししょうがないかなと。結構小説に忠実な内容でした。最後2人は元に戻ったのか、TSFファンとしては戻ってないことを祈ります笑
タイトルなし(ネタバレ)
昨日、映画館で観てきました。
原作も読んでいたので、どんなふうに描かれるのか楽しみにしていました。
特に印象に残ったのは、リクの父親のお葬式の後、実家のアパートで二人が向き合うシーンです。
リクとまなみが、これまで抑えてきた感情をぶつけ合うものの、お互いの思いを受け止めきれない姿が痛いほど伝わってきました。
芳根京子さんも髙橋海人くんも、なかなか表に出せない感情を繊細に表現していて、胸に迫るものがありました。
二人の喧嘩シーンが胸を打つ
男女入れ替わりはファンタジーの要素なのだが、徹底してリアリティに重きを置いた物語。互いの精神的辛さでは温度感の違いもあり、不憫すぎる悲劇だ。
個人的にはダークファンタジーに振り切っても良かったのだが、今作には借り物の人生を受容する勇気と優しさ、そして性のセンシティブな部分もしっかり描かれているところが新しい。
15歳学生の少年少女を演じた子役の二人だが、決して演技が上手とは言えなかった。
ただ大人組の芳根京子さんと髙橋海人さんが、それぞれの陸とマナミを仕草や台詞回しで説得力のある会話劇として成り立たせており、魅入ってしまった。自然すぎて演じる意識のレベルが凄い。
それぞれの親御さんも自分の子供のことは案外気付かないものなのか?いや何かが違うと気付くことが出来ないなんて不自然だ、それは本当に悲しい。
そんな中、陸の旦那さん役の前原滉さんは今回も素敵な役でのご出演、最高でした。
【今作は15歳の夏に身体が入れ替わった男女の、その後15年の毀誉褒貶を時系列を行き来しつつ描いた作品であり、『転校生』令和バージョンでもある。ラストの解釈は観る側に委ねられるが、私は<以下、自粛>】
■高校1年生の坂平陸(入れ替わり後&成人:芳根京子)は、水泳の授業でプールサイドにいた時に、隣にいた水村まなみ(入れ替わり後&成人:高橋陸)と一緒にプールに落ちる。
そして、二人の身体は入れ替わっていた。二人は互いを演じ抜くために、ノートを交換し合い、家族や友人、部活などの情報交換をするのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。&凄くレビューが書きずらいぞ!>
・冒頭、30と言う数字がテロップで出た後に、坂平と水村が喫茶店「異邦人」の窓際の席に慣れた感じで相対して座り、会話を交わす。店内には店長と思しき女性(ふせえり)が働いているのみである。
・その後、入れ替わり直後の高校生の二人が、同じ喫茶店の窓際の席に座り、困惑しつつ対応策を考えていく姿が、ノスタルジック感も有り良い。そして、二人は新しい家族の下に帰って行くのである。
・坂平陸の家は、アパートで母(片岡礼子)と父(山中崇)と弟がいるが、母は何処か素っ気ない。父は訪ねてきた水村に声を掛けるが、”察してね。”と言いもう来ないでくれと言うのである。
・一方、水村まなみの家は真新しい一軒家で、父(赤堀雅秋:最近、良く見る)も母(大塚寧々)も嬉しそうに、訪ねてきた坂平陸に食事を出すのである。対照的な二家族だが、その違いがその後、発展して行かない。但し、坂平の父は亡くなるのだが、葬儀に来た坂平(水村まなみ)は、父の顔を忘れていた事に驚くのである。年月とはそういうモノなのであろうか・・。
■可笑しかったのは、坂平と水村が二人だけで会う時には、夫々”アタシ””俺”と言う所である。特に、個人的に芳根京子さんが、”俺”と言うのが新鮮である。
あとは、水村の髪型が映る度に変わる点かな。ヘアメイクさん、大変だったろうな、と勝手に思う。
・水村は自分を想っていた高校の同級生と、同窓会の後に初めて寝るが、その感想を坂平に聞かれた時に、”違和感が凄かった。”と言う台詞も笑える。分かんないよなあ、男には。そんな坂平が速攻で童貞喪失をしているのも、可笑しい。女性の方が積極的って事かな、クスクス。彼は成人して就職後もセフレ(石川瑠華)が居るしなあ。
・水村はその後、ある男(前原滉)と結婚し、妊娠し、娘も出来るのである。一方、坂平は独身貴族生活を送っているのである。
・だが、二人は昔に決めた7月の第三週の土曜日に毎年会い続けるのである。そして、到頭二人は入れ替わったプールに行き、同時に飛び込むのである。
シーンは、その後のいつもの喫茶店で相対して座る二人が映されるのである。
さあ、二人は元に戻ったのであろうか!
これは観た人の判断なので、私の推測は書かない。だが、坂平のそれまでの服装と比べると・・<以下、自粛>
<今作は15歳の夏に身体が入れ替わった男女の、その後15年の毀誉褒貶を時系列を行き来しつつ描いた作品であり『転校生』令和バージョンでもある。>
人は何かしら嘘をついて生きている
今作はいきなり体が入れ替わってしまった悲劇から始まります。生をうけて15年、そして入れ替わってから15年という同年を生きた二人それぞれの想い、やっぱり高校生という思春期の頃に経験した出来事と性自認は、小中学生の頃に比べると重さが違うと思う。
自分の体じゃないから雑に扱った側と自分の体じゃないから丁寧に扱う側は秩序で、まなみが陸の体で色んな人と関係をもっていることに疑問に感じていました。でも心のうちに憎しみがあったと知って、なるほどなぁと納得。感情の機敏は人それぞれで、私自身けっこう見た目で判断したり、こういう感情をもつだろうと思い込みの部分もあったりして、ハッとしました。二人の関係が同じ痛みを知る者同士という共通点があり、それがラブストーリーに変化しなくてよかった。互いに不安や怒り、そしてなにより優しさという思い遣りもあって鑑賞直後よりも1日たった今の方がじわじわ染みてくる。エンタメのように派手さはないけど、言葉や二人の距離、そして手放さぜるおえなかった家族との関係がドキュメンタリーを見ているようリアルに感じました。ファンタジーじゃなくてもジェンダー的に今に通じるものがあるし、日頃から本当の自分を隠して嘘をつきながら人と接して生きている人は多いと思う。
そしてなんといっても芳根京子ちゃんと髙橋海人くんの演者さんが素晴らしい。二人の喧嘩のシーンが一番印象的。あとタイトル回収部分も良い。ただ、好みかと言われると思っていたほど泣くこともなく気持ち的に凪いでいたので予告編以上の意外性はあまりなかったかな。
タイミングよく公開初日の舞台挨拶LVを鑑賞することができました。ネタバレOKトークだったので色々聞けて嬉しかったです。ラストのプール飛び込み直前のシーンが雷のせいで何テイクもする羽目になったとのこと。二人のやりとりが微笑ましかった。芳根京子ちゃんの質問への答えは『ラストは戻れなかった』に一票かな。その理由もあるけど、ネタバレレビューはここまでにします。
ファンタジーなことを忘れる
入れ替わりをテーマにした映画だが、入れ替わるシーンを直接見せないこ...
なるほどね😏
優しくて、もどかしい。 ただ観ているだけのこちらの心の置きどころが...
優しくて、もどかしい。
ただ観ているだけのこちらの心の置きどころが定まらない、不思議な感覚になる…素晴らしい映画でした。
他人と入れ替わった経験はないので絶対に共感する事はできない設定なのに、随所に共感できたり「これ、自分にもあったな…」という表現があって、陸とまなみの気持ちが分かる部分がたくさんある。
芳根さん、髙橋さんがインタビューなとで仰っていたように、陸とまなみががそれぞれ経験する1つの事象に対して、自分の気持ち以外のものがたくさん重なってきてしまう状況を考えるだけで、目眩しそうになるくらい苦しい…。
それをお2人が繊細に演じられていて本当にすごかったです。
人それぞれいろいろな環境や状況があるけど、自分が自分として生きていられるだけで、それ以上に幸せな事ってないんだなと、改めて自分の人生を見つめ直せる映画でした。
観てよかった。
リアルさが迫ってくるThe Reality Hits Hard
原作未読。
あらすじは言うまでもなく
中身が入れ替わってしまった男女の物語。
令和の現在、若手の俳優達の演技が凄すぎる。
芳根京子さん、高橋海斗さんの
あまりに自然すぎる演技に
中身の入れ替わりをすんなり受け入れていた。
15歳の二人を演じた、
西川愛莉さんと武市尚士さんも自然で
過去と現在の繋がりに全く違和感がなかった。
入れ替わることの苦悩も
現在の二人、過去の二人が
各々の性に対する戸惑いで
表現している。
二人の家族、
友達との関係から
見ているだけで背景が分かる
巧みな脚本と演出が素晴らしい。
女性が女性ゆえに抱える問題、
男性が男性ゆえに抱える問題を
中身が入れ替わることにより
それぞれの抱える違和感として
観るものに提示する。
普通に暮らしていると
まず気が付かないのだ。
今回、ちょうど良い時間だったので
観賞後にたまたま
映画【ブルーボーイ事件】を
ハシゴして観てしまったので、
多少混乱しながら書いています。
主要なキャストも被っているのでなおさら。
ノンフィクションを元にしているか
完全なフィクションかの差はあるけれど
どちらも、自らの性に関する違和感
というところでは、
似ている。
時間があるのなら
どちらも観賞するのをお勧めします。
I haven’t read the original novel.
The premise needs no explanation:
it’s a story about a boy and a girl whose bodies are suddenly swapped.
What struck me most was how astonishingly good the young actors of the Reiwa era are.
Kyoko Yoshine and Kaito Takahashi deliver performances so natural that I accepted the body-swap premise without hesitation.
The 15-year-old versions of the characters, played by Airi Nishikawa and Hisashi Takeichi, were just as convincing, creating a seamless connection between past and present.
The anguish of switching bodies—
both the present-day pair and their younger selves
express this through their confusion over gender and physical identity.
Their families,
their friends,
and the relationships surrounding them
quietly reveal the background without heavy exposition.
It’s an impressive feat of screenwriting and direction.
The issues women face precisely because they are women,
and the issues men face because they are men—
the body swap presents these as the characters’ own discomfort,
inviting the audience to confront them as well.
In everyday life,
you hardly ever notice such things.
By chance, the timing worked out,
so right after finishing this film,
I ended up double-featuring it with The Blue Boy Incident.
I’m writing this with a bit of my impressions mixed together.
All the more so because several main cast members appear in both films.
One is based on nonfiction, the other is complete fiction—
but both share a common thread:
a sense of dissonance regarding one’s own gender and identity.
If you have the time,
I recommend watching both.
ありきたりの設定だけど斬新ないい映画(T_T)
評判が高いですが、主演がJ系なのでハードルを上げずに鑑賞。
男女が入れ替わるという設定はかなりこすられた設定ですが、その後、、、となると確かに斬新。
見ているととても混乱します。
どっちがどっちか。
家族との関係やいろいろと考えさせられる。
普通の設定なら映画の役に感情移入しても、自分ならこっちだな、、、と思う程度ですが、この映画は設定が複雑なのでどちらのキャラにも感情移入がしにくい、ただ、笑顔ではないシーンによって、そういう事か、、、と切なくなる。
予告とあらすじでは想像できなかったくらい深いと思う。
最後はどうなればハッピーエンドなのか分からないまま、最後もとても良かったです。
もともと今日は二本見るつもりだけど、後味も最高なのでもう一本映画観るか迷うな。
レビュー&舞台挨拶レポ:二人は戻れたのか?
はじめて舞台挨拶中継付きの映画を鑑賞した。今回は全国204館同時中継で、上映後にキャスト(芳根京子、髙橋海人、林裕太)が登場し、ざっくばらんな裏話を披露してくれた。その内容も一部交えて紹介する。
〇感想
個人的な趣味嗜好ではあるが、やや苦手なジャンルだった。入れ替わりを題材にした映画は数多く、大林宣彦監督の『転校生』、アニメ『君の名は。』、海外では『フェイス/オフ』、変化球としては『大逆転』などがある。また、主演の芳根京子さんは既に『累 かさね』でキスするたびに土屋太鳳さんと顔が入れ替わる役を演じている。
しかし、『君の顔では泣けない』はこれまでの作品とは趣が異なる。15歳の男女が入れ替わったまま“戻ることなく”人生を受け入れていくという設定に焦点が当てられている点だ。
特に、身体の外見と内面の性が一致しない状態で、高校卒業から就職、恋愛、結婚、出産、親との別れに至るまで、人生の重大な転機を経験していく。その中でも恋愛、結婚、出産は想像するだけでも相当な試練である。自分だったら一生独身を貫きたいほどで、見た目が女性になった自分に男性が迫ってくると思うと正直ゾッとする。だからこそ、このテーマに真正面から挑んだ制作陣には感心する。
映画として見れば、まなみ(芳根京子)、陸(髙橋海人)の二人の演技力が光っていた。二人きりの場面では“元々の中身”が自然と滲み出る一方で、他人の前では“外見の人物”として振る舞わなければならない。この難しい役柄を見事に演じ分けていた。
また、陸の弟役・林裕太さんも出番は多くないものの、印象的なシーンが多く、今後が楽しみな俳優だ(『愚か者の身分』でも存在感を放っていた)。
〇舞台挨拶の裏話(以下ネタバレあり)
・ラストシーンの30歳の二人がプールに飛び込むシーンは、雷が鳴る悪天候で何度も中断したという。
・撮影後、体が冷え切ったため、用意されていた“お湯”に二人は飛び込んで温まったらしい。(一緒ではなく別々にww)
・15年間の回想シーンでは、無音なので監督に「何か話して」と言われ、陸役の髙橋海人さんがTレックスは肉食だから痛風だった……など恐竜や動物の豆知識を語っていたとのこと。
・芳根京子さんは客席に向けて「ラスト、二人は戻れたと思う?戻れなかったと思う?」と挙手でアンケートを取り、結果はほぼ半々。さらに「一人一人の感想を聞きたい!」と舞台から降りそうな勢いで話していた。
・芳根京子さんも林裕太さんも、林さんの演技、とくに陸の父の葬儀で思い出を語るシーンを絶賛していた。
・坂下雄一郎監督はシャイな性格で、芳根京子さんが代わりに「一度で理解しきれないところもあるので、二回三回と観てほしいです!」とフォローしていた。その姿に思わず「惚れてまうやろ~」。
〇まとめ
独特なテーマゆえ好みが分かれる映画だが、性差について真正面から描いた真摯な作品であり、入れ替わった男女を演じた二人の演技は見応えがある。
以上。
今までにない、リアルな入れ替わり作品
公開前から気になっていた作品だったため、公開初日から観てきました。
入れ替わりものとしてイメージしていた感じとはいい意味で違い、ファンタジーなはずなのにどこかリアルで、感情が揺さぶられました。
前半はクスッと笑えるシーンもあり肩の力が抜ける瞬間もありましたが、後半になるにつれて陸とまなみに感情移入してしまい、苦しくなりました。
バラエティーになりがちな印象がある入れ替わりものですが、原作者の君嶋彼方さんと坂下雄一郎監督はもちろん俳優の皆さんの演技がリアルで、素敵な作品に出会えたなと思いました。
芳根さんは陸にしか見えず、男性らしい話し方や目の演技に引き込まれました。
髙橋さんはまなみにしか見えず、女性らしい仕草やセリフの“間”に鳥肌が立ちました。
高校生時代を演じられたおふたりのリアルさも素晴らしかったです。
この世界にも本当に入れ替わっている人がいるんじゃないか?と感じてしまうくらいリアルでした。
映画を観終わった後の余韻が凄かったです。
今回は全体的に観たので、次回は陸の視点で、その次はまなみの視点で観ます。
原作も購入したので読みたいと思います。
とにかく素敵な映画です。
自分で選んで自分で生きてきた人生を、もっと大切にしていきたいと感じました。
ひとりでも多くの方々に見て欲しい作品です。
本当に観てよかった!!!!!
芳根京子力…
仮初の体で歩んだ人生の中で、芽生えたものの差異は、決定的な違いを生み出していた
2025.11.15 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本映画(123分、 G)
原作は君嶋彼方の同名小説
15歳の時に体が入れ替わってしまった男女の15年を描いた青春映画
監督&脚本は坂下雄一郎
物語の舞台は、群馬県の高崎市
高崎南高等学校に通う坂下陸(西川愛梨、成人期:芳根京子)と水村まなみ(武市尚士、成人期:髙橋海人)は、ある日プールに落ちたことによって、体が入れ替わってしまっていた
それから15年間、元に戻ることはなく、二人は年に1回だけ同じ場所で会って、戻った時のために近況を伝え合っていた
15年目を迎えたその日、まなみは「戻る方法がわかったかもしれない」と言い出す
聞けば、この地域には体の入れ替わりに関する古典が多く、それが起こる日にちは同じだという
半ば信じがたい話だったが、まなみは今日が終わるまでに考えてくれれば良いと言って、陸に猶予を与えた
15歳で体が入れ替わった後は、まなみは陸の体を使ってあっさりと体の関係を持ってしまう
その後は、相手を取っ替え引っ替えしていくことになり、結婚へと向かうことはなかった
陸の方は21歳の時にかつての親友だった田崎(中沢元紀、高校時代:窪田吏玖)と再会し、彼の誘いに乗って関係を持つことになった
その関係が続くことはなかったが、就職した後に同僚の蓮見涼(前原滉)と同棲を始め、結婚へと至っていた
さらに妊娠することになり、娘のまどか(白井希果)を授かることになった
30歳の再会は娘が3歳の時であり、家庭のこともあって、陸は戻ることを良しとは思わなかったのである
物語は、体の入れ替わり劇にありがちな「混乱のまま元に戻る」ということはなく、15年の歳月がお互いの意識と環境を変えていく様子が描かれていく
結婚、出産を経験した陸は家族を形成し、それは元々の家族との関わりも大きく関与しているのだろう
陸には弟の禄(林裕太、幼少期:酒井禅功)がいて、父・春樹(山中崇)、母・葉月(片岡礼子)との関係は悪くなかった
中身が入れ替わってからは少しギクシャクするようになっていたが、それでもまなみが波風を立てずにやってきたからだと思う
母はまなみの姿の陸に冷たく接していたが、このあたりの描写は少なめとなっている
おそらくはこの家族は家族意識というものが強く、貧乏な中でも連帯してきた故の絆というものがあったのだろう
そこに入ってきた異物という感覚があって、さらに様子が変わってしまった息子に影響を与えたのがまなみであると感じていたのかもしれない
一方のまなみの家族は、父・治(赤堀雅秋)、母・渚(大塚寧々)との関係は普通だったが、中身が陸に変わったことで関係が悪化していた
そこに至る描写も少ないものの、まなみを連れてくるたびに疎外感を感じていて、それが反抗期と相まって衝突が増えてきたからなのだろう
また、男っぽさみたいなものがあって、それが母と娘の衝突につながっていたように思えた
映画では、戻りたくない陸と戻りたいまなみが衝突することになるのだが、それはまなみの方が円満な生活を送れなかったことに起因している
だが、彼女があの時点で戻ったとしても、産んでもいない娘を愛せるのかとか、愛してもいない夫との生活を続けられるのかと言う問題が生じてくる
また、陸自身は戻ることで家庭を失い、その家庭が壊れる様子を外から見るしかなくなってしまう
中身のことがバレた時に夫はどのような反応を示すかもわからず、その閉塞感は死ぬまで続く
それを考えると、新しい体を受け入れて生きていくより方法はなく、15年の歳月はそれを受け入れるために必要な時間であったように思えた
いずれにせよ、性差における悩みを共有し合うことになるのだが、女性の体になった陸の方が辛いことが多かったと思う
それだけ、青春期から成人期、結婚と出産という流れはハードなもので、それを味わうことで覚悟というものが芽生えている
一方のまなみは、仮初の体のまま人生を歩んでいて、自覚を伴う行動というものはしていない
その差異が生まれてしまった15年は絶望的な価値観の差を生んでしまったと言えるのだろう
また、劇中でまなみは様々な恋人を作るのだが、その中に一人だけ本来の性で言う異性(男性)が混じっていた
それはこの性で生きていく中で本来の欲求の部分を試したのだと思うが、それはうまくいかなかったと言うことなのだと思う
だが、陸の方はそう言った方向に行くこともなく、女性として生きることへの抵抗感は少ないように見えている
これは、元々陸自身にその素養があったと言う可能性も捨てきれない部分があって、かつて親友だった同性と流れとは言え関係を持てたと言うのは大きなターニングポイントになっていると思う
そう言った意味では、若干ながらLGBTQ+の要素が混じっていたのかな、と感じた
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