ドリーム・アイランド ヴィム・ヴェンダースの失われた夢のレビュー・感想・評価
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古いコアファンの秘蔵アイテム!
劇場でリマスターのチラシを発見。懐かしくなってレーザーディスク『夢の涯てまでも』を引っ張り出して特典収録を鑑賞。
30数年振りでさすがに内容は忘れていたけど、その後の作品で使われた演出がチラホラあって楽しめた。というか近作でも見受けられたアイディアがこの作品の時点ですでにヴェンダースの頭の中にあったことに驚愕。
当時最新の映像テクノロジーだった最初期のデジタル加工を使っているらしい。しかも当時の東京で。下町のシーンなどは小津好きのヴェンダースらしいね。劇場で観れるようになるのかな?
ヴェンダースが見た夢とは
ヴェンダースの夢の続き
この作品の予告がSNSで流れてきたので観ました!
(現在、クラファンをやっているらしいので本編が観れたら嬉しいのですが…)
注目すべきはヴェンダース自身が観察者という役割で登場しているということです。
しかも、あの天使たちと同じ黒いロングコートをまとって!
かつて、あの映画では黒服の天使たちが戦禍のベルリンの街を観察するかのように佇んでいました。
そして、この映画ではヴェンダースが同じような格好で東京の街を眺めているようです。
ドイツの戦禍の悲しみを瞳に宿していた天使達のように、高度成長化で趣を失ってしまった東京の街並みをヴェンダースはどのように捉えていたのでしょうか
ある意味で、東京画で失いかけていた夢をイメージの中でなら再編できるのかもしれないと、自身の中の日本というものを『ドリーム・アイランド』では再構成しているのではないかと思うのです
天使が羽根を癒しているように、ヴェンダースも自身を癒す意味もあって、衝動的に作られたのでないかなと予告編を観て感じます。
こんなふうに生きていけたのなら。
当時は押し付けがましく聞こえていた後年のあのコピーが、いまは切なる願いや渇望として聴こえてくる気がしました。
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