「物語設定がどうしても苦しく、自分には合わない作品でした」ルール・オブ・リビング “わたし”の生き方・再起動 Bigcatさんの映画レビュー(感想・評価)
物語設定がどうしても苦しく、自分には合わない作品でした
あらすじにあった、本作品で伝えたかったメッセージに興味をもったので観賞することにしましたが、残念ながらうまく伝わってきませんでした。
自分の娘が自立しているくらいの年代の女性が、見知らぬ外国人男性とルームシェアをすることになるというストーリーが、現実感を感じられず共感できなかったです。そういうストーリー自体を否定するものでは全くないのですが、よほどうまいシナリオ設定がされているのでなければ成り立たちそうに思えないところ、本作品ではそのあたり全く不十分と思いました。
いくらフィクションといえども、もう少しは「そういうことなら」と納得させられる設定がないと。いくら実の娘の仕業とはいえ、納得感が乏しかったです。婚約者と言っても良さそうな男性(光一)も登場するのに、ヴィンセントとルームシェアを継続し続ける美久子の心情も、契約期間? のことはあるにせよ、どうにも共感がわきませんでした(仮に、最後に光一と明確に別れを告げるような展開にもしなるのであれば、まだぎりぎり許容できなくもないですが)。
そういえば、冒頭いきなり残念だったのが、ヴィンセントがラブホテルに行くことになるシーン。本作品を見た女性たちを勇気づけたい、というのがメインテーマのはずなのに、女性蔑視とも言えそうなシーンをわざわざもってくる意味がわかりません。気軽に見てもらえるようコメディ要素を加えたかったにしろ、このシーンは全くコメディになっていないと思います。
ここが全てといっても良いのですが、冒頭に書いたストーリー設定の非現実さとも相まって、せっかくのメインテーマも伝わってきませんでした。南果歩さんの熱演に敬意を表して★1個分をプラスしましたが、それ以外は残念でした。
