「あの場所がそう言った場所ならば、未練あるってことじゃないですか!」アンティル・ドーン Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
あの場所がそう言った場所ならば、未練あるってことじゃないですか!
2025.8.5 字幕 TOHOシネマズ二条
2025年のアメリカ映画(103分、R18+)
PlayStationnおよびPC版のゲーム『Until Dawn 惨劇の山荘』を基に作られたサバイバルホラー映画
監督はデビッド・F・サンドバーグ
脚本はゲイリー・ドーベルマン&ブレア・バトラー
原題の『Until Dawn』は「夜が明けるまで」という意味
物語の舞台は、ペンシルヴァニアの田舎町にあるガソリンスタンドが併設された雑貨店
姉メラニー(マイア・ミッチェル)の失踪を受けて、妹のクローバー(エラ・ルーヴィン)は元カレのマックス(マイケル・チミノ)、義理の妹ミーガン(ユ・ジヨン)、友人のニーナ(オデッサ・アジオン)、ニーナの彼氏エイブ(ベルモント・カメリ)たちと共に探索に向かっていた
だが、有力な手がかりを得られぬまま、彼らは給油のためにガソリンスタンドに寄ることになった
そこは、姉のSNSに映っていた雑貨店が併設されていて、クローバーはそこに入ることになった
店主(ピーター・ストールメア)に姉のことを聞くと、彼は意味深に「多くの人がいなくなった人のことを聞いてくる」と答えた
彼はこの先にあるグロア・バレーというところに手がかりがあること示唆し、クローバーたちはそこに向かうことになった
物語は、そこに奇妙な観光案内所があり、来客簿に姉の名前を見つける様子が描かれていく
さらに、大雨の中に姉の姿を見つけたクローバーは、それを追って森の中へと向かっていった
その頃、ミーガンは洗面所に水が通っていないことを知り、エイブは失踪者の写真を大量に見つけてしまう
そして、夜が深まった頃、仮面を被った謎の男(ティボール・ザウアーヴァイン)によってクローバーたちは襲われ、あっさりと全滅してしまった
だが、死んだと思われたその瞬間、再び彼らは案内所の中で目覚め、時間が巻き戻っていることがわかるのである
映画は、観光案内所が1998年10月24日に固定された場所で、そこを抜け出すには「夜が明けるまで生き残るしかない」というルールになっていた
ループ系あるあるで、1回目は状況説明、2回目は変則的なことが起き、3回目くらいからルールがわかって対抗策に生じるという感じになっていた
この場所は「不安と恐れ」を研究しているヒル博士(ピーター・ストールメア)の研究所であり、クローバーは彼の患者だった
そして、この土地が「炭鉱の事故によって街ごと沈んだ場所」であり、当初はヒル博士が生き埋めになった生存者のケアを行なっていた
だが、いつしかそれは実験となり、ウェンディゴと呼ばれる怪物を生み出すことになるのである
物語はざっくりとした閉鎖系ホラーで、王道的な展開を迎えていく
メラニーは姉探しのために友人たちを巻き込んでしまっていて、彼らを助けるためには犠牲が必要となっていた
そして、誰一人欠けることなく夜明けを迎えるために、十数回のトライをしていくことになる
実験によって人がウェンディゴになるのに11夜〜13夜くらいとなっていて、「取り込まれるか、夜明けまで生き延びるか」の瀬戸際に晒されてしまう
スラッシャー系のゴア映画なので、人体破壊系が大丈夫な人ならOKだと思う
さらっとググった感じでは、原作のゲームの設定を拝借しような内容で、ほぼオリジナルに近い印象があった
起こるエピソードが同じでキャラが違うという感じだが、ゲームよりはよりドラマ性を重視しているのかな、と感じた
個人的には、爆発した瞬間に「もういいや」という感じになっていて、あの状態で復活するのは「精神系」しかないやんと思ってしまった
これ見ようがしに韓国系の義理妹がシャーマンっぽさを発揮したりしていたが、キャラ立てをする割には感情の起伏が読めないキャラが多かった
ニーナとエイブのやり取りも微妙な感じで、ジェットコースター理論でクローバーとマックスが復縁しそうなのもどうなのかなと思う
ラストは続きがあると言うよりは、他にも同じような被験者がいると言う感じで、もしかしたらヒル博士自体も妄想なのかもしれない
あの案内所周辺で起きていることは脳内妄想のようなものだと思うので、ガソリンスタンドを過ぎた後に現実はないのかな、と思った
いずれにせよ、ゲームをしたことがある方が楽しいのかわからないが、森の奥にチラッと映った巨人とかの回収はなく、あくまでもクローバーの恐怖を具現化したものと言う感じに描かれている
いわゆる催眠状態になっていて色んな幻覚を見せられているのだと思うが、そこに登場する人物もクローバーの心象の中で重要な人々なのだろう
考察が必要な映画とは思えないが、ループ系ゴアで笑いたい人向けなので、あまり深く考えない方が良いのかな、と感じた