アセスメント 愛を試す7日間のレビュー・感想・評価
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いろんなテーマを見出すことの出来る作品
「面白い」とか「また見たい」という映画ではない。正直言って。
でも決して「時間の無駄だった」「意味分からん」というコトはない。
それは考えさせられるテーマをいくつも扱っているから。
そのいくつかを列挙すると‥
主人公たち「上流階級」は(ほぼ)不老不死なのだろう。特殊なクスリを飲むことで。
そんな不老不死なのに「子どもを持つ」ことの矛盾
格差社会(でもアンダークラスはほとんど描かれない)
子育ての苦悩
子育てにあたる夫婦の関係
アリシア・ビカンダーの演技が(見てて痛々しい場面も多いが)面白い。
低予算SFとしてはなかなかGOODだと思う、
分断される個人主義な格差社会で、未来へのバトンは"自分良ければ全て良し"な殻(ドーム)の中からは次の世代に渡せない
超格差社会に、温暖化・環境破壊に象徴される異常気象(あるいは少子高齢化も)と、現代を生きる私たちにとって切迫した問題を扱ったSF心理サスペンス。ディストピアSFありがちな地球環境が崩壊して一部の人間だけが隔離されたシェルター等(本作では"ドーム")に移住しているモノと、バースコントロール(の夢)。
全てを犠牲にして何でもしてきたと、自分は清廉潔白と思う?子どもは嘘を付く、大人も嘘を付く。今はどっち?そして親になれるのか…。人類滅亡の危機に遭って、旧世界から隔てられた新世界で暮らしながら社会に貢献する、国民の上位0.1%に属する特権階級夫婦が、子ども欲しさに産んでいいかの査定を受ける7日間。子育ては常に選択を迫られる、人生は選択の連続。たとえ一本の棒でも。
全て従った!素晴らしい3人芝居に目を見張る三者三様の好演と、脚本・監督の力強さを最大化する化学反応から目が離せない!特に女性陣2人がよくて、予測できないアリシア・ヴィキャンデルから目が離せなかった。何でもやりたい放題の査定に振り回される。地下室と温室、そして研究内容。流し見だとよく解らないこと必至だけど、ルックの良さなど映画的な魅力と力強さは否定しがたい。
"神は見ている"じゃないけど「コレくらいならバレまい」と他者を蔑ろにしてその安全を脅かすような利己的な行いをすれば、どこかで小さな歪みが生じて誰かがそのツケをいずれ大きく払わされることになる。「大いなる力には大いなる責任が伴う」じゃないけど、えらばれたから上級国民になったのでなく、上級国民になったから選ばないといけないのかな、と。
勝手に関連作品『エクス・マキナ』『ビバリウム』
子を持つこと…
国家が人口統制・管理をしている近未来、薬の発展による超長寿世界のため子供を持つことは許可がいる。考えただけで恐ろしいが、ネグレクト、毒親、様々な社会問題を考える世の中において、子を持つ資格がない親がいるのも事実だとは思う。また子供が欲しくても授からない夫婦もいる。査察官の悲しい過去などラストは救いがないが子を持つことの責任感、持てることの喜びを考えさせられた。
独特の雰囲気がある映画です
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