The 4 Rascals
2025年製作/132分/ベトナム
原題または英題:The 4 Rascals
スタッフ・キャスト
- 監督
- チャン・タイン
-
チャン・タイン
-
レ・ゾン・バオ・ラム
-
レ・ジャン
-
ウエン・アン
-
クォック・アン
-
チャン・ティウ・ビー
2025年製作/132分/ベトナム
原題または英題:The 4 Rascals
チャン・タイン
レ・ゾン・バオ・ラム
レ・ジャン
ウエン・アン
クォック・アン
チャン・ティウ・ビー
大手シネコン(TOHOシネマズ)で上映されているにもかかわらず「そんな映画
あったっけ?」と思った。TOHOシネマズのサイトには「ベトナムで今年旧正月に
公開され、2025年最高興収を記録した」「心温まるロマンティック・コメディ」
とあった。その紹介文と3カットの写真を見て、主演女優がキュートな感じだし
ダメ元で観ようかなと決めた。ほぼジャケ買いだった。上映期間の終了間際に
駆け込み鑑賞。めったに日本で上映されないベトナム映画、地雷か掘り出し物か?
結果は、観て良かった。
正直に言うと始まってしばらくは独特のノリに付いて行けず(コメディ映画と
いうよりコントを見せられている感じ)、くっだらないなー。ベトナムの人って
こんなくだらない映画が好きなんだ?と思ってしまった。
しかし物語が進むにつれてコメディ要素が少なくなり、涙ながらに感情を
ぶつけ合う場面もあって最後まで興味深く鑑賞することができた。
主人公は「美しいだけが取り柄」の女性。美しいだけで人生得をしている、
ちょっとおバカな彼女には姉妹同然に暮らす”美しくない”親友がいた。
その親友との友情が話の軸になるも美しい彼女はイケメンのエリート銀行員と
結婚して幸せをつかむ。
絵に描いたような、人も羨む美男美女の若夫婦。しかし表面的には裕福で
満ち足りていても、やがて心のすれ違いが生じてくる。
その問題に親友や育ての親、怪しい占い師が首を突っ込んできて何とか力に
なろうとするのだが。案の定話は余計にこじれてしまう。
物語自体は新しくもなんともない。すれ違いの原因は想像した通りだし。
でもそんなありきたりな話なのに最後まで飽きさせないで見せるのだから
大したものだ。むしろ王道の普通さに好感を持った。
最近観た日本映画(泣かせる系)の多くに自分は不満があった。ファンタジーの
詰めが甘かったり、○○で泣かせようとしたり、××で都合よく登場人物を
退場させたりする作劇が安易じゃないか?と疑問だった。たくさん観た中の1本
だけならまだしもそういうのを連続で観てしまって「もうたくさん!」と思った。
例えばラーメンの流行り廃りで「○○系」の店が流行ると同じ系統の店が乱立。
物珍しさで何軒か食べているうちに新鮮さは薄れてくる。そんな時に「普通の
醬油ラーメン」を食べたら殊の外美味しく感じたりするものだ。
同様に、ファンタジーも○○も××も使わない「普通の」映画が観られて
久しぶりに王道の味を楽しんだ気分。
外的要因から動く物語ではなくて、登場人物それぞれの成り立ち・属性・性格から
必然的に出てくる言動がぶつかり合ってドラマになっており人生の機微を感じた。
主演女優は「美しいだけで得をしている」に相応しい美貌で、愛嬌もあって好き。
ジャケ買いは吉と出た。イケメン夫を誘惑する悪女役もこれまた美形。
絵的には美男美女・大都会・一軒家・裕福な生活といった憧れ要素満載。そして
ただのおバカだった主人公が人として成長し、自分で人生を切り拓こうとする
前向きな物語だったのも良かった。本国ベトナムでヒットしたというのも頷ける。
※オフィシャルサイトとやらにアクセスしてみたらベトナム本国のもので
何が書いてあるか分からなかった。日本語字幕の予告編は見られた。
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余談
劇中に出てくるフォーが美味しそうだったのでランチはベトナム料理に。
ルミネエスト新宿のベトナム料理店へ。フォーを含むセットメニューと
ハノイビールを味わいながら映画の余韻に浸った。ベトナムはまだ行った
ことがないけれどいつか旅行で訪れたい。
コナン、MCUなど人気作品の上映で賑わうGWのシネコン。私はコナンに一切興味がないし、アメコミヒーロー作品も観続ける熱がすっかり冷めて触手は伸びず。他に見落としている作品はないかとTOHOシネマズの「公開予定」を改めて見直すと、そこに見覚えのないタイトル『The 4 Rascals』。どんな作品か確認しようと映画.comで検索すると、作品ページはあるものの公開情報の記載はなく。(Filmarksは未だ作品ページなし)次いで、オフィシャルサイトにアクセスしてみると日本語のフォローもありますがメイン言語はベトナム語。なるほど、日本の配給会社は入っていないのね。。ただ、ベトナムでは大ヒットしたとの紹介もあり、ここはチャレンジのつもりでFODフライデーを使ってチケットを購入。すると、TOHOシネマズ日比谷9時50分の回は結構な客入りです。確かに上映規模も小さいですし、箱自体も小さい。そして周辺から漏れ聞こえてくる耳慣れない言葉、、、なんと、気が付けばベトナム人と思しき若者が沢山。。。そして、映画が始まってもなかなか止まない入場。遠慮なくスマホを前向きに煌々と照らして入ってくるし、最終組は既に10分以上経っていたし、、上映中もお喋り、スマホ、中途入退場は収まることなく、それに耐えながら頑張ってスクリーンに集中します。(正直イライラ。)
ところが、、肝心の作品の方もまた忍耐力が試されて消耗します。会話はかなりの声量で休むことなく捲し立て、言っていることも頷けない内容。そして、大して面白くもないギャグと決め手になるパンチラインはビンタなどの暴力。さらに、今もまだやってるルッキズム。。ちなみに、あまり多くは観られていないものの、私がこれまで観てきたベトナム映画は「アート映画」を感じさせるようなものが多く、ジャンルが違うとは言えかなりのギャップに戸惑いも。何なら観客からもあまり笑い声は聞かれませんでしたが、価値観の違いはあると思うものの、果たしてベトナムの人はこれを面白いと思うのか?当然インタビューなどするはずもなく、まるで拷問のような132分を最後まで耐え、止まぬ頭痛にこめかみを押しながら帰途につきました。
取り敢えず、点数はあくまで作品に対する評価で劇場の状況は考慮に入れていません。好みの問題ですので、ファンの方がいらっしゃったらごめんなさい。