「自分が団長だったらどうしただろうか?」黒川の女たち うすたらさんの映画レビュー(感想・評価)
自分が団長だったらどうしただろうか?
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岐阜県白川町黒川から満州へ移り住んだ開拓団の、終戦後から2か月間にわたり「性接待」を強要された人たちについてのドキュメンタリー映画です。
軍隊が国民を守らずに逃げたという話は至るところで聞く話ですが、これは、開拓団が終戦後に、自分たちが土地を奪った満族の人々からの襲撃に対して、自決をせずに、ソ連兵に守ってもらう代償に、同胞の若い女性を差し出すという選択をしたというものです。
その選択により、開拓団の多くの人々は日本に帰って来ることができました。ところが、自分たちの負の歴史を覆い隠すために、緘口令を強いたり、村八分にしたりすることで、自分とは関係のないところで起こったこと、あるいはそんなことはなかったことにしようという意図で、戦後、その事実はずっと伏せられてきました。それが、2013年7月に行われた満蒙開拓平和記念館での語り部定期講演で、勇気ある二人の女性がこれについて証言したことをきっかけに、初めて公になりました。
人間の「業」というものの恐ろしさに、途中から涙を禁じえなかったです。「性接待」を強要された人たちのお孫さんがみな、勇気ある証言をした祖母のことを誇りに思っているのがとても印象的でした。
日本中、いや世界中の人たちに観ていただきたいドキュメンタリー映画であると思いました。
これを観ても、「歴史を書き換えた」とまたあの議員は言うのでしょうか?
自分が開拓団の団長だったら、どういう意思決定をしたのかとずっと考えています。
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