大長編 タローマン 万博大爆発のレビュー・感想・評価
全171件中、81~100件目を表示
健全な歴史改竄
岡本太郎
1911年生まれ
漫画家の父岡本一平と小説家の母かの子
の間で時代を考えれば全く互いに
好きな事をやる家族で自由奔放に育ち
絵は好きだったが何の為に描くのか
迷いながら東京美術学校で学ぶ中で
留学中本場で見たピカソの抽象画に
衝撃を受け戦後には
シュールレアリズムの大家
として突き進み1970年の大阪万博では
総合プロデュースを任されるなど
(実は1964年の東京オリンピック
のメダルデザインも任されている)
丹下健三ほか戦後を代表する
デザイナーとして地位を築く
有名なのは近鉄バファローズの
キャップのロゴをデザインした年
あの巨人のキャップより売れたというから
その世間への人気ぶりがわかる
交友関係も広くテレビ出演も
バラエティなど多岐にわたり
昭和生まれには
指圧の浪越徳治郎
発明のドクター中松と並び
「テレビでよく見る"三大"変なおじさん」
として記憶されている(勝手認定)
誰かさんが一時期名乗ってた
「ハイパーメディアクリエイター」
の正真正銘だったと言えるだろう
という岡本太郎が遺した
数多の芸術作品を奇獣とし
1970年当時放送されていた
というあるはずのない記憶で
特撮映画を作ろう
という謎発想で生まれた「タローマン」
遅れながら観に行ってきましたが
どうだったか
アクの強いノリに果たして
ついていけるのだろうかと
不安でしたが
監督の藤井亮氏
生年を見ると1年違いの同世代
解説する山口一郎氏も同世代
そう
自分も作り手も1970年の大阪万博
リアルで知らない世代なのです
太陽の塔などのモニュメント
しか知らない世代
過去を想像しながら
ある意味さぞ夢があった
イベントだったのだろうと
思いながら作ったんだな
という感じは
シンパシー覚えるところ
あって面白かったです
ちりばめられた岡本太郎の
あまりに多すぎるので書かないが
ある意味ひねくれで
ある意味ポジティブで
ある意味でたらめで
ある意味べらぼうな
格言がほぼセリフで現れ
「~と岡本太郎は言っていた」
「~と岡本太郎みたいな事言わないでください」
という言い回しがギャグになっている
(~とガ〇ダムがそう言っているってのみたい)
作りは前出のNHKのショート番組よろしく
特撮風仕立てでいきなり100分尺は
ムチャではないかと思ったが
やや長いかなと思いつつ
シナリオ自体はちゃんと映画らしく
なっていました
60分くらいでもよかったかもね
岡本太郎氏がこの映画を
観たらなんと言うだろうか
ただのオマージュで
創造性がないじゃないかと怒るか
なんだこれは!と喜ぶか
また想像にふけるもよし
よくやり切ったと思います
たまにはこういう映画もよき
分からない事こそが正しい
抜群のセンス
美大生の抜群のセンスをひけらかされているような感じが延々続く。作っている人が一番楽しんでいる感じだ。でたらめと秩序が対立し、でたらめをよしとしているのだけど、真にでたらめな人や物は、でたらめかどうかなど気にしない。お題目を全編に渡って聞かされて続ける。高い美意識と抜群のセンスで統一された世界観で大変整っている。
刺さる人、刺さらない人
私には刺さりました。よくもまあこんなデタラメな映画を作ったと言うこと。それは、そこに資金を出した人がいたということ。しかも、このデタラメな映画を多数の上映館で封切ると言うこと。すべてが常軌を逸しています。これこそカンヌに出して欲しい。
大爆発
短編ドラマ10話を経てからの劇場版。
5分作品を105分は正気か?と思いましたが、でたらめな作風ならそこんとこ余裕かと思い鑑賞。
万博開催中に万博大爆発というタイトルを添えた製作陣に大拍手。
はっきりとしっかりと狂っている作品でした。
岡本太郎の名言を頼りにしながら進撃しまくり、昭和100年な事をいい事に時代を超えまくるとんでもねぇ作品でした。
初っ端から縄文人という怪人と戦うタローマン、縄文土器に感動して自分も街の一部を壊して使用しながら縄文土器作成に勤しむ様子は意味不明で面白かったです。
しかも色んな怪人が怒涛の勢いで参戦してくるんですが、そこはでたらめなタローマン、あり得ないくらいパンパパンとぶっ倒していきますし、なんなら怪人たちを活かして朝食作りに移行する肝の座りようが面白すぎました。
そこから未来のCBGのエランという人物が2025年からやってきて、タローマンの力を借りたいという感じなんですが、タローマンが素直に応じることはなく、連れて行こうとしたら変に暴れてみたり、対策をうったかと思ったら全部吹き飛ばしていったり、結局反対のことをすれば喜んで未来へ行ってしまうというでたらめさを見せつけてくれて中々にお腹いっぱいです。
未来に行ってからもタローマンのデタラメっぷりは相変わらずで、もうなんなら人間サイドが奮闘する描写が多いくらいサボりまくりなんですが、決めるところはしっかり決める、というか増殖したり意味不明なパワーアップしてみたりとやりたい放題で、オチの付け方すら水を差すようなおバカっぷりを爆発させていて笑いっぱなしでした。
70年代の特撮の表現が素晴らしく、当時を体験していない自分でもその時代にタイムスリップしたようなタッチで戦闘シーンやミニチュアをたくさんやってくれるので手作りな感じがヒシヒシと伝わってきて最高ですし、それにすら抗うようなタローマンのヌルヌルした動きも人間味がありつつ、程よく気持ち悪さも兼ね備えていてこれまた面白かったです。
タローマンがエンドロールを邪魔しまくるのでこんな大変な作品を作った製作陣のお名前が拝めないのが惜しいところですが、あのタローマンを仕向けたのは製作陣なのでなんとも言えないところです笑
一郎さんの解説パートもタメになるなぁと思いつつ、時折顔を出すタローマンオタクな一郎さんが微笑ましくも思えつつ。
5分尺でまた狂っているものを観せてくれるのかな〜と続編を今から待ち侘びている自分がいます。
皆さんせーの「なんだこれは!」チャンチャン。
鑑賞日 8/26
鑑賞時間 14:15〜16:15
人は選ぶが、ハマると繰り返し観たくなる。
岡本太郎リスペクトで、全力にでたらめをやっている映画。
序盤で縄文土器の奇獣がでたとき、タローマンのリアクションにまずグッときてしまった。
テレビ版が5分に対して105分と長尺のため、途中の人間パートでややテンポが悪いようにも感じるが、全体的にでたらめな濃い場面に溢れているので、観終わったあと振り返ると「べらぼうなでたらめを観た気がするが、何を観たんだ…?」となる。
繰り返しみて伏線やネタを噛み締めて楽しめる映画。
冒頭は予告編とは別にネットで公開しているので、それをみて気になるようなら是非映画館で観てほしい映画です。
当時の万博や岡本太郎について、かじった程度でも知っているとより楽しいかと。
場面場面のビジュアルが愉快なので、お子様にもおすすめ。
親子で観て、将来的に「よくよく考えたら、あれは何だったんだ…?」とうろんな思い出ができます。
メインディッシュばかり食わされるコース料理みたいな映画
マジメなおふざけ
なんだこれは!
東京都美術館で行われた岡本太郎展でタローマンの事を知りました。
岡本太郎も70年代の特撮ウルトラマンシリーズ全盛期にこんな作品を作っていたんだな、としみじみ思っていたらなんと岡本太郎展のプロモーション用に2022年になってから作った1970年代風の特撮だった!
某国営放送でも流されていて短編でもシュールで面白かった。
それが映画になると言うのだから見るしか無い!
時は大阪万博、怪しい奇獣を退治する地球防衛軍CBGは奇獣だった太陽の塔を会場に閉じ込めてそのまま万博の見せ物にした。
万博には多数のお客様で賑わっていたその時に未来のCBG隊員のアンドロイドがやってきた。
未来では万博の成功によって2025年の宇宙大万博の会場に選ばれて宇宙中からお客様が来る事になっているが、反万博組織の奇獣によって妨害されて苦戦中。対抗策にはタローマンのデタラメな力が必要だと言う。
行けと言われたら行くタローマンでは無いので頭を抱える。タイムパラドックスの逆?で未来の宇宙大万博が失敗すると過去の大阪万博も失敗すると言う。
無事に2025年(昭和100年)に送り届ける事ができるのか?万博と宇宙大万博は守られるのか?
とにかく何もかもがデタラメな岡本太郎ワールド全開で、何かある毎に〇〇について岡本太郎もこう言っている、と言う謎の決め台詞。物語は一応しっかりしているが中身はカオス。
岡本太郎の絵や像などの創作物をモチーフにした奇獣。話の辻褄が合っているのかもうよくわからない混沌でデタラメな脳みそがついていけない話に頭が揺さぶられる思いだ。頭が爆発しないように見ないといけない。芸術は爆発だ!真面目に考えたら負けだ!
冒頭とエンドロールの後にオマケ映像があるので見てね。
因みに岡本太郎展の売店で買った何が入っているか分からないフィギュアを買ったらノンちゃんだった。
この映画にノンちゃんが沢山出たから好きになった(笑)。
数十年ぶりに…途中退席?!
1時間半はタローマンには長いかも
ばーくはつだぁ、ばーくはつだぁ、ばくはつだ!
の歌と、映画泥棒みたいなタローマンの動きが後を引く味わいで、、、クセになるよね。それで★0.5プラス。
んで、岡本太郎の主張を繰り返し盛り込む努力と岡本太郎本人へのリスペクトで★0.5プラスかな。
作品そのものは別に悪くはなかった。そういう時代や特撮をなぞるスタンスは珍しくないしね。
一番引っかかったのは、岡本太郎が一番嫌っていたのが、
符牒
ってこと。パロディと呼ぼうが、オマージュと呼ぼうがあれはまさしく「特撮の符牒」だし、「70年代の符牒」だよね。そこは、大いに異論が湧いたなあ。これでも岡本太郎は読み漁ったしね。そこが最初から引っかかって、純粋に作品に没入できなかった、個人的には。
それに対立関係にある組織がどちらも「岡本太郎の作品群」なので、戦う理由がぼやけてしまっているのもマイナス。あの手の構成は善と悪がはっきりしてしる対立構造だからこそ、「善」側に感情移入できるわけだからさ。そこを「岡本太郎風」な視点で語ると、ちょっとねぇ、という感じ。
パンフは当然買ったけど、「昭和感」を出して「懐かしさ」も味わってもらおうっていうのがビシバシでてきてるのも、うーん。
岡本太郎は「誰にも受け入れられないもの」を創造することに意義があるっていってたんだから、映画との相性は良くないのかもね。エンタメと割り切れば観れるだろうけどさ、、、、
2025年度劇場鑑賞40作品目(41回鑑賞)
一瞬でも「見たい」と思った人には、ささります
岡本太郎イズム
芸術家としてより思想家としての岡本太郎に関心がある人にはたまらない作品。全編にわたり岡本太郎イズムが溢れている。が故に岡本太郎に興味のない人がみれは、単なるおふざけ系の60〜70年代パロディにしか見えないだろう。岡本太郎の言う「でたらめ」とは、言いかえれば仏教における色即是空であり、本質の肯定と実体の否定であり、眼前の虚構に迷わされることなく本質的にでたらめ(自由に)に生きようというものだ。現実への執着と戦うタローマンはその名のとおり、岡本太郎本人なのである。
「そもそも人間は発展などしていない」という岡本太郎のメッセージを、あえて盛り上がりを見せている2025年の大阪万博の年にぶつけ、万博開催を否定的に風刺している様にも見えるが、こうした思想的な背景に鑑みれば、むしろタローマンの荒唐無稽な行動は、例えば落合陽一のnull2など一見万博コンセプトにそっていないようにも見えるパビリオンなどの存在にも重なって見え、その可能性を後押ししている様にすら感じられる。
なお岡本太郎自身、一回目の大阪万博のコンセプトに反対しながらも、太陽の塔の制作なとなどプロデューサーの一人として参画している。この映画の2025年における公開は、そうした岡本太郎の対極主義的な意図も込められているやに思われる。
疲れた〜
べらぼうにデタラメな映画だから、筋や辻褄を追うと
体力を消耗する映画であった。
だから、もう1/3を過ぎた頃には鼻でフッとほくそ笑む
ぐらいに体制転換している自分に気付いたのであった◎
僕はそもそも1970年の万博でタローが
人類の愚かさを警鐘していたことを認識していたので
それからより愚かさを露呈する2025の万博は
共感を持てずにいたので有るが
まさに映画の如く2025の万博は間違いなく
べらぼうでデタラメな、なんだこれは。
な万博になっていること。を実際にこの目で見て
知っている◎
故に、最後、石黒浩氏に見まごう山口一郎氏が
本作をベタ褒めしているシーンが思いの外
グッときた。
べらぼうでデタラメな生き方が出来る未来!
僕はそんな未来が来ることを期待する⭐︎
べらぼうで、でたらめな展覧会を見た感じで、人によっては体力が必要
正直観ていて途中で眠くなった。素直に観れなかったw
内容以上にどうやってこの映像つくったのかを考えてしまったり、映像の情報量も多くて色も多くて、脳が疲れて眠くなった。でもそれは集中してみていたからで……映画は面白い。
私の個人的感想というか感覚は、このアナログを映像を2025年シアターでボケボケ画像で流してクレーム言われないのはタローマンくらいだろうとか、斬新。なんで当時の役者が年取ってないんだ、当時の映像をCGにした?AIで?役者にディープフェイク使って声もAIで入れ替えた?このチューブ高速道路の特撮スゲーなどなど、映画を観ながらどう映像を作ったのかなどをの思考が巡る巡る。全然映画の内容に集中できない。
今時はアバターやゴジラなど、実写役者と違和感なしに映像のなかに共存させる現代において、こんなレトロ映像が2025年のシアターで流されていることに斬新さと不思議な感じを覚えて、なんか凄い訳の分からないでたらめな映像を観ている自分を客観視してしまい…笑う。手も投げ入れて笑う。
もう一回映画館で観たいというか、映画館で観た方がいい作品。岡本太郎もういないのによく作ったなと。偉そうですいません。この映画好きだわ。なんか一つの展覧会でもいった感じで疲れたわ。でも満足しました。
全171件中、81~100件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。










