劇場公開日 2025年8月22日

「良いでたらめ加減」大長編 タローマン 万博大爆発 toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 良いでたらめ加減

2025年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組というコンセプト」
「芸術家・岡本太郎のことばと作品をモチーフに」と紹介文にある通り、
懐かしの特撮ヒーロー風の絵柄と岡本太郎の造形物。安っぽく見える
のは実は製作者の狙いだ。この視覚部分は秀逸。

最近観たある映画は「何だこの安っぽい映像は?手抜きか予算不足か
あるいは作り手の力不足か?」と思ってしまったがその安っぽさとは違う。
(偶然あちらの映画にも1970年大阪万博の映像が使われていたが必然性を
感じなかった)

コンセプト通りの世界観が貫かれていてそこは良かったのだが、物語が
今一つ物足りなかった。演出もメリハリがなくてずっと同じ調子。
盛り上がらないまま終わってしまった(個人の感想)。

導入部分はその世界観が新鮮に感じられたものの、見続けているうちに
飽きてきた。物語に魅力を感じず、頻繫に出てくる”岡本太郎語録”
からの引用も説明的に感じ、何度か寝落ちしてしまった。

短編の連続物なら違った印象を持ったかもしれない。しかし上映時間
105分の”大長編”にするなら物語に工夫が必要ではなかったか。

「なんだこれは」「でたらめ」という言葉が似合う世界観。そのでたらめ
加減はまあまあ良かったのだが。いや、もっと突き抜けるほどのでたらめ
さがあっても良かった気がする。

恐らく製作したのはある程度常識を持った普通の人。常識人が頭で考えて
岡本太郎的世界を再現しようとしたって、無理がある。常識をぶち破る
ほどの、爆発的な力はこの映画からは感じられなかった。

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終盤の、山口一郎がタローマンマニアという体裁で出演した場面。
この場面を見て泣いているお客さんがいた。自分には泣くツボが
分からなかったのだが、この映画を観て泣ける感性の人がいるんだ、
という発見があった。

自分自身、大多数の人が酷評していて突っ込みどころもたくさんある
のに自分は大好きな映画というのがある。

それと同じで、自分には理解できない・感性に合わないからと言って
その作品が”見る価値がない”と決めつけるのは慎もうと思った。

toshijp
大吉さんのコメント
2025年9月2日

最後の文章、私も肝に銘じたいと思います。人それぞれ好き嫌い、感性の違いがありますからね。
あっちの映画の万博映像は要らなかったですよね。

大吉
トミーさんのコメント
2025年9月2日

共感ありがとうございます。
多分、サカナクションファンで熱烈な山口フリーク、元気でとぼけた演技している姿にグッと来たんでしょう。
ピタゴラスイッチは映画にならんですかねー。

トミー
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