劇場公開日 2025年8月22日

「寝た」大長編 タローマン 万博大爆発 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5 寝た

2025年8月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

岡本敏子さんがご存命の頃は、良く岡本太郎記念館に行ってたんだけど、亡くなられてからはほぼ行かなくなったんだよね。その理由が分かった気がしたの。

岡本太郎作品が奇獣として攻めてくるっていう設定が面白いよね。
ノンとか確かに怪獣っぽいもん。
その面白い設定で押し切るなら1話5分くらいがいいね。

こういうふざけた設定にしちゃうと、悪ふざけが過ぎたりするんだけど、そこは抑制が効いてて良かったな。バランス感覚がいいんだろうな。

まあでも、5分しかもたない設定を長い時間みせられたら、寝るよね。ガンガン寝た。

それで「『デタラメ』にやらなきゃ」って、何回も言ってたね。
岡本太郎の《今日の芸術》だったと思うけど、「あなたも絵を描きなさい」ってことが書かれてるのね。それで「キャンバスにデタラメに線を引け」っていうの。
そうか、それで良いのかと思うんだけど「どんなにデタラメに描こうと思っても、何かにひきずられてしまって、デタラメには描けないでしょう」とくるんだよね。
どうやったらデタラメに描けるかっていうと、精神的に自由ならいけるらしい。
岡本太郎は「精神的に自由なら、あなたは私より良い絵が描ける」みたいなこというの。

ピカソやゴッホはうまくなっちゃったけど、積み重ねるんじゃなくて積み減らして、子どもみたいに描こうとして苦しんだみたいな話もしてるんだよね。精神的に自由になるためには、積み減らす努力をしたり、死に物狂いでやんないと、到達できないんじゃないかな。

この作品の創作に関わった皆さんが、そうした「デタラメ」の境地に達しているのかというと、そんな感じはしなかったな。
ただ自由にやれば良いわけでもないし、ふざければ良いわけでもない。

この辺の感覚が、岡本敏子さんは備わっていて、ご存命の頃の岡本太郎記念館の運営は良かったんだよね。でも今はそうじゃない。
岡本太郎の境地にいくのは、大変なんだろうなと思ったよ。

Scott
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