劇場公開日 2025年8月22日

「ヤベーなこれ!」大長編 タローマン 万博大爆発 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ヤベーなこれ!

2025年8月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

驚く

斬新

■ 作品情報
監督・脚本: 藤井亮。主要キャスト: 山口一郎。製作: 『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会。制作プロダクション: NHKエデュケーショナル、豪勢スタジオ。配給: アスミック・エース。

■ ストーリー
1970年、大阪万博の熱狂に包まれる日本。その祝祭の裏で、2025年の未来からやってきた恐ろしい奇獣が万博を消滅させようと暴れ回る。でたらめな奇獣には、常識や秩序が支配する未来の世界では失われつつある「でたらめな力」で対抗するしかない。地球防衛軍(CBG)は、万博を守るため、そしてでたらめな力を取り戻すため、謎の巨人タローマンと共に未来へと向かう。 劇中では、テレビ版に引き続きサカナクションの山口一郎がタローマンマニアとして登場し、タローマンと岡本太郎の思想について語るパートも織り交ぜられる。

■ 感想
かつてテレビで目にした際、そのあまりのバカバカしさに真剣に観ることをためらってしまった「タローマン」。まさか映画化されるとは夢にも思わず、今回も「キワモノ」として軽い気持ちで劇場に足を運びました。ところが、場内はほぼ満席。幼児からお年寄りまで、幅広い年齢層の人々がこの作品を熱狂的に支持していることに驚きです。

作品全体の印象としては、昭和の古き良き特撮ヒーロー番組を彷彿とさせる懐かしいテイスト。それでいて、シュールで独特の個性を放つ世界観が、なんとも言えない魅力を放っています。単なる懐古趣味に終わらない、異質なおもしろさがそこにはあります。

そして、腰を据えて作品と向き合ったことで、この映画の秘められたさらなる魅力に気づかされます。単なる「でたらめ」だけではない、意外なほどにしっかり練られたストーリー展開が、観客を引き込みます。岡本太郎氏の言葉や思想は、時に哲学的で理解しがたいものですが、タローマンや登場人物たちのふざけたような言動の端々から、その根源的なメッセージが不思議と伝わってきます。完全に理解できたとは言えませんが、確かに「何か」が心に響いてくるようです。

それは、現代社会への警鐘や、自分自身への啓発にも繋がるような、深い示唆に満ちているように感じます。その一方で、製作陣が、本気で全力でふざけ倒しに来ているのがひしひしと感じられます。「考えるな、感じろ」という言葉がこれほどまでにしっくりくる作品も珍しいでしょう。この「でたらめ」の中にこそ、真の芸術と哲学が息づいているように感じます。まさに誰もが体感すべきべらぼうな作品で、一見の価値ありです。

おじゃる
マーマレードさんのコメント
2025年8月24日

共感ありがとうございます
マイナスに飛び込めって、最初「逆境に飛び込めって」意味だと思ってましたけど「何事にも挑戦しろ躊躇うなっ、他人なんて気にするな」と言う事なんでしょうね。秩序とデタラメがあるから人間なんだと。

マーマレード
トミーさんのコメント
2025年8月24日

共感&コメントありがとうございます。
だんだん否定的なレビューも出て来てますが、やりたい様にやった結果当然かと思いますね。

トミー
トミーさんのコメント
2025年8月24日

タローマンが指でナニかを潰すシーンが在ったと思いますが、ファンタスティックプラネットを想起しました。あと未来のCMはバーホーベン味が。

トミー
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。