「期待値ゼロからの☆5」カーテンコールの灯 うさぎさんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待値ゼロからの☆5
全く期待していなかったが、掘り出し物の一作。☆5
冒頭の問題児の娘にドン引きしてしまい、いまいち感が漂い。親父の不可解な言動に、観賞したのは失敗だったかなと思った。
ところが、物語が進むにつれて、家族の抱える問題が浮き彫りになり、彼女や彼の行動の理由が判明してくると、がぜん面白くなる。
さりげない伏線と、それがゆっくりと回収されていく演出は秀逸だと思う。これは間違いなく、掘り出し物の一作である。
昨日、遠い山なみの光をみたが、こちらの作品もいいのだが(☆4.5)、いかんせん、不親切。
分かる人だけわかればいいという鑑賞者に丸投げ作品で、そこの謎解きがいいと思われる人もいるようだが、一回の鑑賞で、そこまで読みきれる人が居るとは思えないのだ。作り手は、何年もかけて準備し入念に考察して作っているはずだからね。
小説ならありだろうが、映画の娯楽性を完全に無視している一人よがりの作品と言われても仕方がないと思う。
それに比べると、本作品は、映画というものをよく理解して、娯楽性とヒューマニズムをバランスよく映像化しておりすばらしいと思う。
久しぶりにいいものを見せていただいと思う。
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