劇場公開日 2025年9月12日

Dear Stranger ディア・ストレンジャーのレビュー・感想・評価

全68件中、61~68件目を表示

2.5居場所を求めて

2025年9月12日
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鑑賞方法:映画館

誰かのせい・何かのせいの「せい」が分散しすぎて関係者それぞれが責任のとりようが無くなる、というのは人生でよくある困り事なのだが、それは誰も責任をとらないという事態につながりやすいな、としばしスクリーンの展開を離れて考えてしまった。
それは兎も角、災害で帰るべき家族を失った賢治が自分が望んで得たはずの家族の中で、例の事情で妻との心理的障壁を突破できず居場所が無い。このジレンマが痛々しくて観ていて辛い。
しかし、これってひょっとしてジェーンひとり勝ちにならないか?

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ひろちゃんのカレシ

3.5グイ・ルンメイ、美しい影

2025年9月12日
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鑑賞方法:映画館

西島秀俊演じる賢治はニューヨークの大学で建築学を教えている。専門は廃墟。グイ・ルンメイ演じる妻のジェーンは、移民であった親の食料品店を手伝いながら人形劇の舞台監督をしている。二人には4歳になる男の子カイがいて一見幸せそうな家族に見えるが内情はなかなか複雑である。
賢治はテニュア・トラック5年目であり安定した身分とはいえない。ジェーンの人形劇もかなり畸形な人体表現に基づくアブストラクトな色彩を帯びたものであって一般にうけるものではないだろう。そもそも廃墟にしても人形劇にしても、どこか影を引きずっている印象がある。そしてジェーンが言う通り彼と彼女のオリジナルな言語は英語ではない。二人とも夫婦喧嘩が英語で通してしまえるほどの話者であるものの、基本、この街ではストレンジャーであり、それがそもそもの影を落としている。
映画が進むにつれて、さらに、カイの出生について秘密があることがだんだんわかってくる。それに関連して、この家族を襲う暴力と犯罪、そして警察による捜査。影が正体を現し牙を剥いて向かってくるのである。
正直、最後の30分間の進展はよく分からない。ここで行動しているのはほとんど賢治一人なのだが彼の出版発表会における講演や発言はよく理解できないしその後の賢治の行動や心境も共感できるようなできないような曖昧な感じである。
この映画で決定的に素晴らしいのはグイ・ルンメイの美しさ。彼女が尊敬しているといっているマギー・チャンのように光を当てれば光り輝く女優ではないが、グイ・ルンメイは光を当てることによって、濃く、美しい影をつくり出すことができる。影絵のように動き、深い余韻を残すことができる。だから、この作品のラストカットは彼女のアップで終わるのだがその表情はやはり具体的な怒りであるとか喜びではなく、何か諦念めいた影の深いアトモスフィアなのである。

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あんちゃん

3.5廃墟

2025年9月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

オンライン試写にて観賞。

薄氷を踏むようなギリギリの夫婦生活が息子が誘拐され崩壊していく。想いあっているからこそすれ違う2人の精神的な殴り合い。「美しく恐ろしい運命」が廃墟ならば、それに魅せられた賢治はその愛を貫いたのかもしれない。

序盤は仲良さそうに見えた3人家族だけど、賢治(西島秀俊)は廃墟に行っては現実逃避。ジェーン(グイ・ルンメイ)は自分の分身と言える人形に思いを馳せる。息子カイが誘拐されて夫婦は途方に暮れるんだけど、賢治は何やら犯人に心当たりがありそうで…そこから夫婦の秘密が明らかになるんですよね。

なんかもう、中盤から賢治が冷静さを欠いて狂いだしてきて…でも私はこういう西島さんが観たかったんだな〜って逆にテンションが上がりまして。でも、ずっと孤独でひとりだけ疎外感を感じていた賢治の気持ちを考えると本当に切ないよな…

真利子哲也監督作品って暴力的な描写が強い印象があるんだけど、今作は精神的にえぐられるような痛みがあった。余韻の残る映画でした。

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ゆみな

3.5大好きだけでは家族にはなれない

2025年9月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

ジェーン役のグイ・ルンメイさんが凄すぎて。
人形と心身一体になって一人芝居してるシーンが忘れられない。
火のない所に煙は立たないとはいうけど、それぞれの不安の火種に、妄想が燃料を投下して暴走していくのが怖かった。
家族も自分以外は他人だもの。
信じたい。でも信じられない。
家族といえども自分以外は全員他人な訳で、心の中までは覗けないし支配もできないもんな。

異国で移民同士で結婚って、本当にすごくすごく大変だと思う。
余程相手の事好きじゃないと無理だよなあ。
そしてジェーンの男子の好みの振り幅の広さよ。エリートから問題児まで。
何を基準に好きになってるのか全然わからんかった。
アメリカでバリバリお仕事してる割に、賢治の言動が昭和の男子で、外国人と結婚しているのにそれで大丈夫なのか心配になったわ。

家族の在り方は、国によって違うかも知れないけど、基本、自分が一番心安らぐ場所であるべきものなので、それが揺らぐと色んな問題に発展するよなと思った。

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icco

3.0親として夫として

Kさん
2025年9月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

《試写会にて鑑賞》

夫婦の秘密は予告でなんとなく想像がついていましたが
そこからの展開がとても良かったです。

沈黙の時間に表現されるおふたりの芝居がリアリティ。

静と動の作品。

不穏感ある音楽と車の音が重なり合って
さらに不気味感が倍増!

観賞後『Dear Stranger』というタイトルに納得し、
監督の描く暴力性を見届けました。

終盤からは油断できないシーンが盛り込まれているので
緊迫感は最後まで続きます。

長いが、没入できる作品。

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K

4.0諸行無常。

2025年9月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

斬新

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ten

1.5ひと昔前の火曜サスペンス劇場の、つまらない作品みたいな感じ

2025年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

旦那が目を離した間に、息子が誘拐された。奥さんのイライラ爆発。
ところが、犯人は奥さんの元カレで、息子の実父。今度は旦那のイライラ爆発。
そして、その犯人が誰かに殺害されて見つかった・・・
ひと昔前の火曜サスペンス劇場にでもありそうな設定です。

でも、それだけ、話を広げておいて、その先の展開がつまらない。

廃墟や人形で旦那と奥さんの心情を表すのはいいけれど、
グダグダしたままで、旦那が事故って??? いや、そんな事故、無理でしょう。
どうやって、旦那がそこを通るってわかるのでしょうか? GPSで追跡されてたとか?
そして、待ち構えていたかのように刑事さん登場。なんですかね、それって???

西島秀俊さんは、いい役者だと思うけど、セリフが固いですね。舞台向きかも。
まして、今回は英語。日常会話も、セリフ感丸出しって感じでした。

わざと、母国語で会話出来ない、夫婦のイライラを強調していたのかもしれせんが・・・

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GF
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