「詰めの甘いサイコスリラー(風)」Dear Stranger ディア・ストレンジャー milouさんの映画レビュー(感想・評価)
詰めの甘いサイコスリラー(風)
この手の詰めの甘い平凡サイコスリラーはアメリカで数限りなく作られていて、それをわざわざNYまで行って日本人監督で作ることの意味が、どうにも不明。
カメラは、どこをとってもきちんと撮れていますよもちろん。ショットごとの演出もカメラ割りも適切だと思う(いちどダブルアクション編集があったけど)。でもなあ、それがどうした、と私は思うんですよね。映画学校の技術発表会かこれは?
後半になってくると脚本の詰めの甘さがはなはだしくなる。なんで西島秀俊は大学教員のくせにこんなに愚かなのか? なぜこの女がここで出てきて、なぜそこに都合よく刑事が居あわせるのか? まだまだある。こういうのは観客が自分で考えるべきとかいうのは甘っちょろすぎる妄言。作り手が最後まできちんと考えないで何となく投げ出してるだけだよ。
救いは、グイ・ルンメイの演技がどこをとってもきちんとしていること。この女優はもっといろんな場で活躍できると思う。そのきっかけを作ったことだけがこの映画の取り柄ってことですな。
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