「何かは描いてるんだよ多分」Dear Stranger ディア・ストレンジャー Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
何かは描いてるんだよ多分
真利子監督は何かを描いてるんだろうね。
何を描いているのは分からなかったけど。
それで、それを分かりたいかと聞かれると、別にいいかなって思うけど。
描きたいことを描くために、細部は「まあいいかな」ってなってるんだよね。
子どもが簡単に誘拐されたところで、ちょっと萎えたの。
あんな簡単に誘拐できないよね。
犯人は、西島秀俊をずっと尾行してたの? でないと現場に行けないよね。
子どもも知らない場所でウロウロするなよと思ったけど、これは本当に小さかったらしょうがないか。
全編を通じて「奥さん、それはどうなの?」と思うところはあった。
奥さんは「やりたいことを、やる」というタイプなんだよね。なので、子どもが誘拐される日の前日深夜に人形を直しに行ってしまう。
そして西島秀俊がしかたなく大学に子どもを連れて行って誘拐されると「私が連れていけば良かった」となじってしまう。うん、連れてけよ。
それで子どもは前に付き合ってた男との間にできた子どもだったんだね。
その、前に付き合ってた男が誘拐犯。
この誘拐犯の男、ご飯を犬食いするんだよね。そんな男と奥さん付き合うんだ。なんか感じ違うな。
誘拐犯の男の今の彼女は、人生投げやりに行きてて「あなたがいればそれで良いの」って感じで、そんな感じの誘拐犯の男と奥さん付き合ったの? まあ、付き合ったっていうなら、いいか。
子どもは誘拐されたとき、銃を撃っちゃうんだよね。
知らない場所でもウロウロするほど小さな子どもなんだけど、なんと反動なし。すげえな。体幹とか鍛えるとこうなるのか、もしくは銃の威力が全くないのか。
そして誘拐犯の男は死体で発見されます。
男の子は誘拐犯の今の彼女がガソリンスタンドに置いていって発見されて無事です。
刑事さんが「誘拐犯を撃ったのは、子どもじゃないか?」って捜査すんのね。銃を撃った子どもが無傷でいられるかな。反動で後ろに倒れて怪我するんじゃ。そのへん考えないのかNYPD。
いろいろやってるなかで、奥さんの人形劇は無事終わるんだけど、西島秀俊は席を立っちゃうんだよね。
これ「こんな程度の劇のために、奥さんは俺たちを犠牲にしたのか」って嫌になっちゃったのかと思った。人形劇は好きな人は好きそうだったけど、全ての人の心を動かすって感じじゃなかったしね。
それで刑事がやってきて色々やってるうちに「誘拐犯を撃ったのは子どもじゃない、俺だ」って自首することにして刑事に捕まるの。
それでエンディングになっていって明らかになるんだけど、誘拐犯は自殺してんだよね。
はあ? 子ども誘拐して、なんで自殺すんの。分かんないんだけど。
それで自分に向けて撃ったか、他人に撃たれたか、調べたら分からんかねNYPD。
エンディングは奥さんと男の子のところに刑事が歩いてきて終わりだけど、何言うんだろうね。
「奥さん、あんたが全ての黒幕だね、俺には分かってたんだ」という展開も不思議ではないけど、まあここは「誘拐犯は自殺だ。西島秀俊も子どもも無実だ」って言うんだろうな。もっと早く分かれよNYPD。
ストーリーの細かな辻褄は合わないんだけど、そこは良いんだろうね。
理不尽に襲われた人間を描きたいってのが真利子監督なのかな。
その理不尽さを作り出すために、ストーリーの整合性は無視されてる気がするの。
登場人物がただ酷い目に遭う作品とも言えるから、もろ手を上げて評価する気は出ないかな。
でも役者さんが良いのもあって観ていられる。
真利子監督が描こうとした何かが知らずに伝わっていて観ていられるのかも知れない。
面白いは、面白いから、また真利子監督作品は観ようと思ったよ。
人形劇で賢治が出てったのは、実家でのアイスのくだりを揶揄されたからかも。
ドニー自殺だったんですか!?
画面が暗すぎて、ちゃんと見られてなかったかもしれません…笑
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