おーい、応為のレビュー・感想・評価
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似たもの親子
浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄は、ある絵師に嫁ぐが、
かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁される。
北斎のもとに戻ったお栄は、父娘として、そして師弟として、
北斎と生涯をともにすることになる。
2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、
茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、
絵の才能だけは父親譲り。
北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と何かと頼まれることから、
「応為(おうい)」という号を授かったお栄は、
当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。
といったあらすじ。
葛飾北斎=富士山、富嶽三十六景のイメージ。
てっきり、その娘を連れまわしているという話で、
親譲りの才能が光り輝くのかと思ったらちょっと違った。
まず、実在なんだな、この娘は。
そして、なんやかんやで似たもの親子なのところが面白い。
でも、結局のところ、父の偉業、そして老年期の哀愁がメイン、
娘の才能があまり表舞台に出なかったところさ寂しく描かれていた。
「仙人になりたい」と言っていたのに、歳を取ったら、
「人間になりたい」って。
ないものねだりだよな、人間って。
「俺が、好きでやっているんだ」というお栄の父に対する愛情を
ぶつけた言葉が響きました。
永瀬正敏の北斎がいい
父と娘の物語
登場人物が少なく、静かな映画でした。葛飾北斎という画狂人の人生について何も知らずに見たので、初めて知ることばかりで、驚かされました。
応為という娘がいたことも知りませんでしたが、男勝りなきっぷの良い女性に感じられました。私にも年老いていく父がいるのですが、父を支えながら一緒に一心不乱にただ絵を描き続ける応為の人生に心が動かされました。自分だったらこんな生き方ができるだろうか、父とこんなに向き合うことができているだろうか。北斎から応為に向けての言葉の中にも、ちゃんと愛が感じられて。素敵な親子だなと感じました。
北斎の弟子の渓斎英泉が出てくるのですが、その人が出てくると緊張感が緩まり、ほっとしました。普段、時代劇は見ないので、楽しめるか不安がありましたが、思いがけず応為に感情移入し、楽しく見ることができました。
上品な乱暴者
大森監督はきっと育ちの良い人なんだろうな。
長澤さん演じる応為は好きな男に抱き寄せられて、「お前とだけは嫌だ」と虚勢。
そこは、イタしたうえで、急に馴れ馴れしくして来る男に「一回ヤッタくらいで亭主ヅラするな」くらいの啖呵を切って欲しい。
永瀬さん演じる"汚いジイさん北斎"は、住んでいる長屋は画材が雑然としても汚くはない。
晩年、師匠であり父親でもある北斎から「これからは自分のために生きろ」と言われて、「いやいや一緒にいるんじゃねぇ!」じゃなくて、「どう過ごそうが勝ってだ!」と言って、結局は別れないとかにして欲しかったな。
映画を一緒に観たツレの「フランス映画のようだ」との感想は言い得て妙だと思いましたよ。
長澤まさみの演技力の高さが垣間見える作品
淡々とした物語
自由型父娘
うーん残念
少し残念
つまらなかった
地味ーでおとなしい
「どうすんだよ、ワシが死んだら」「どうもしねえよ」
いわゆる、お栄。北斎の娘にして、さすがその血を継ぐ者としての絵の技量。そこに興味があった。ほぼ記録もなく、北斎の人生を追いかけるように進行していくのだろうとは思っていた。
が。いやあ、つまらなかった。
北斎の堅物ぶりはいいとして、なんだか描き方が偏りすぎてるように思えた。数多くいた弟子も数人しか登場せず、北斎漫画も出てこなければ、引っ越し魔の癖も薄い。富士にこだわるのは画のほうで、江戸の外へ行くなら晩年の小布施だろう。
そして肝心の主人公である応為。常にイライラしっぱなしで全然魅力が伝わってこない。なまじビジュアルがいいものだから、小憎らしくも見えない。年月とともに北斎があれだけ老化していくのに、八百比丘尼じゃあるまいし見た目がずっと変わらない。最後に少しばかり白髪が増えてもそれがどうしたの範囲。
そして一番ダレた気分にさせられたのが、エキストラ。周りのエキストラの動きが全部単調な動き(歩く方向、歩くスピード、ただ歩いているだけ)なもので、むしろそれが違和感。それを背景に長澤まさみが叫んでも、作り物感が際立っただけだった。
大友良英の音楽と、凝った美術はいい。ただそれだけしか鑑賞の価値を見出せなかった。
天才北斎ファミリーを描いたほのぼの系時代劇
「ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」で本作の存在を知り、翌週早速鑑賞。
北斎の娘、応為を描いたはずの作品だが、どちらかというと北斎メインに見えた。展示会で見た作品や100回近くの引っ越しなども描かれて面白かったが、「江戸時代はこんな暮らしやったんやろうな~」、「北斎はやっぱりこだわりすごいなあ」というくらいの感想で、とにかく大きな展開もなく、ほのぼのと北斎ファミリーの生活が「垂れ流し」。
長澤まさみの存在感はえげつないが、応為絶対こんな美人ちゃうやろ(^_^;)って余計な考えがよぎる。そして北斎に比べて応為(長澤まさみ)が特殊メイクを駆使しても老けな過ぎてリアリティに欠く笑
まあたまには、こういう作品を映画館でまったり観るのもありかな~。この一人のおっさんが、西洋美術に多大な影響を与えたというのだから、面白い。というか、北斎の映画を観たい笑
少ない製作費でよくぞ仕上げたという感じなのだろうが、なぜ長澤まさみが出たのか、そこがずっと、ある意味、良くも悪くも違和感・余韻として残っている。
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