「ぼんやりと過ごすには良質な空間」おーい、応為 澄守さんの映画レビュー(感想・評価)
ぼんやりと過ごすには良質な空間
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特別、波乱万丈な展開や目を見張るシーンがあるようには思えなかったが、長澤まさみが和服姿でキセルをふかしているというのを観るだけでも、なにかしら浸れるものがある気がした。
セリフや展開に驚かされることはないものの、逆にいえば時代物で日常的な生活の時間が流れてゆくのを観れる機会は少ない。それを長澤まさみという画で観れるだけでも贅沢に思う。撮り方が綺麗で画面自体は見やすかった。
昔の時代だ、武士だちょんまげだ、と肩肘張らず、今も昔も人が暮らしているんだなぁと思える雰囲気。武士よりも絵師ならば現代にもある暮らしのため、身近な存在に思えた。異様な数の引越しなどの場面はちらほらとはあるものの、破天荒さが強調される作りではなかった。
葛飾北斎や描かれる絵のエピソード、というよりも長澤まさみによる応為の秀麗な映像の画が魅力的な作品だった。
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