「余白を楽しむ映画」おーい、応為 icemintさんの映画レビュー(感想・評価)
余白を楽しむ映画
クリックして本文を読む
静かに淡々と葛飾応為と北斎親子の日常が描かれている映画。江戸の生活を覗いているようなタイムスリップしたような気分にもなる。
この親子に善次郎が加わることでクスッと笑えて淡々とした日常がパッと明るくなり犬のさくらも家族として大切な存在。引っ越しのシーンは何ともかわいく笑いを誘った。間を大事にしている会話や台詞がなく表情のみのシーンもある余白のある映画。登場人物の気持ちを考えながら、時には感情移入しながら見た。
応為と北斎を見ていると亡くなった父との2人暮らしを思い出す。後半、富士の麓の小屋で北斎が応為に好きなように生きろと話すシーンは応為の気持ちになり涙が止まらず。長澤さんの演技は圧巻。永瀬さんの表情に父を思い出した。
俳優陣の演技が素晴らしく淡々と描かれる江戸の生活と親子の日常に髙橋海人くんがフワッと現れ動きを出し篠井さんと寺島さんがさすがの演技力と存在感で江戸を感じさせてくれた。
長澤まさみさんの応為はかっこよく滲み出る色っぽさと美しさが素晴らしい。永瀬正敏さんの存在感と年を重ねていく演技は圧巻。髙橋海人くんが軽さの中に少しの影と色っぽさがあり自然な演技がとても良かった。
応為、北斎、善次郎が長屋でそばを食べながら話すシーンが印象に残り、見終わると無性にそばが食べたくなった。
コメントする
