「当時の日常の飾らない美しさたっぷり、音楽もよし」おーい、応為 ああぷさんの映画レビュー(感想・評価)
当時の日常の飾らない美しさたっぷり、音楽もよし
めちゃくちゃ長く書いたレビューが消えてしまった
取り急ぎ、
長澤まさみは圧巻の美しさ、といっても派手なキラキラしたものではなく、着崩した暗めの着物や煙管を吸う姿、蕎麦をすするところなど日常の飾らなすぎる姿から見える美しさ。どこを切り取っても絵になる。人生に迷っているところから自分のやりたいことに気づいて突き進んでいくストーリーをその日常生活の中から感じ取る映画。
ジェットコースター的なストーリー性は皆無だがなるべく実際の応為や北斎から離れないで作り上げたと思われ、観る人一人一人が自分の人生と照らし合わせて考えることができる。周りから理解されるかどうかではなく自分の生き甲斐を突き進む人生を見せてもらえる。
北斎の永瀬正敏は決してかっこよく描かれていない北斎だが絵の道を突き進んだ職人感が滲み出ている。長澤まさみとダブル主演だと思う。圧巻。
善次郎の髙橋海人は色気がすごい。初めはかわいい舎弟でストーリーに笑いをもたらしてくれるが経験を積んだのか年数が経過したあとの善次郎は余裕と色気がたっぷり。応為がどうなるのか心配になるほど。彼のストーリーも見てみたい。この映画の大事なスパイス。
他の役者も味わい深くて、まぁそれは人選時点で分かるかな。さすが。
セットや小物、犬や市井の人々の動きなどの詳細も凝っていて、細かいところもじっくり見たくなる。
それから音楽が素晴らしい。
雰囲気のあるちょうどよく気の抜けた、しかし時代劇時代劇していない音楽がとても合っていて、起伏のあまりない映画の中で素晴らしいアクセントになっている。
総じて、人生に思いを馳せる見応えある良い日本映画。好きなことを見つけたら突き進むのもよい。犠牲になることも他人から理解されないこともあるかもしれないが突き進む道もあるよ。
