「タイトルがトリッキー」おーい、応為 Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルがトリッキー
葛飾北斎の娘、お栄は三流絵師のもとに嫁ぐが、父親は言うまでもなく自分よりも画力が劣る夫に嫌気がさして父の元に出戻ってくる。何人かの子どもの中で唯一北斎の画才を引き継いだお栄は絵を描きながら父の世話をする。常に「おーい、飯!おーい、筆!」のように北斎に呼び付けられていたお栄にはやがて「葛飾応為」という画号が与えられる。
この応為の話だと思って観ていると、応為の修行している様や創作過程の苦しみなどが描かれる訳でもなく、肩透かしを喰らうかも知れない。
タイトルが示すように「おーい、応為」と言っている行為者は他ならぬ北斎であり、応為は北斎の最後を看取るまで献身的に付き添い、一緒に旅をし、共に創作活動に励んだに過ぎない。
そう考えれば、本作の主人公はあくまで北斎である。しかしながら、その北斎も応為の存在がなければ90歳で大往生するまで作画を続けることは出来なかったに違いない。
エンドロールで応為の作品をもっとたくさん次々と見せれば、それでもしっかり絵師としての才能を磨いていたんだ、という説得力を持たせられたはずなのに、しっかり見せるのが一つだけなのは残念。
観る前は「大河に乗っかった企画か?」とも思ったが、そこは長澤まさみ主演なので不問に付す…。
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