「北斎の娘のその後は?」おーい、応為 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
北斎の娘のその後は?
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葛飾北斎の娘で、画業で名を残した葛飾応為に関心があったので観てみた。作中にも使われているが、応為の作品は、光と影を際立たせて西洋絵画のような美しさがある。
しかし、本作を見終わって印象に残ったのは、北斎の生に対する異常なほどの執着の方で、応為の心情や創作の秘密といったものは、拍子抜けなほど薄味にしか描かれていない。
応為は自分の意志で北斎について行ったと語るが、それは本当か、そこに葛藤はなかったのか。北斎が亡くなった後にこそ、応為の人間像が浮かび上がってきそうだが、その後の消息が不明なので描かないという結末には、がっかりした。
長澤まさみは、威勢良く啖呵を切るあたりは持ち味だが、全体として深みに欠ける。演技の面でも、永瀬正敏の方が、老けメイクの見事さも含めて、強烈な印象を残す。
大森立嗣監督は長回しを多用しているが、臨場感や緊張感を高めるというより、間延びしてしまっているような感じ。長屋や屋内のセットは良かった。
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