「残念極まりない。。!」おーい、応為 リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
残念極まりない。。!
数年前の「HOKUSAI」を見ていたので、あの時の北斎が田中泯さんでとても感動していたから
「田中泯さんの北斎じゃないなら見ないほうがいいかな。。」と思いつつも、「いや、今回は長澤まさみさんの応為が主人公だから大丈夫かな?」と見ましたが。。
最初の直感は当たるんですね。
やっぱり私の中で葛飾北斎は永遠に田中泯さんでした。
見ないほうが良かった。。
(今回の役者さん、すみません。)
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長澤まさみさんの、応為のキャラクター演技は良かったんです。仕事以外のこと、絵のこと以外は家事なんて苦手、お嫁さん・娘さんっぽくなくて格好もちょっと男の人っぽい着流し風?これはこれで「彼女もThe職人だった」という感じでとても良かったです。
でも。。。美人画は凄かったとあらすじとかにありましたがエンドロールで出て来た実際の絵は(これしか現存してない?のか分かりませんが)普通の花の絵1枚だけ。
彼女の才能の凄さが映画では伝わって来ませんでした。
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あと葛飾北斎が単なる頑固偏屈じいさんになりさがってる!止めてくれーー北斎さんをここまで変人にしないで!
だって何藩だったか大名から屏風絵を頼まれた時、断る理由を示さずただ使いの侍を門前払いするだけ。
え?断る理由ちゃんと教えて?生計たてる手段なのに、屏風絵を描くことがそこまで嫌な理由は何?そして何度か断ったのに結局しばらくしたら信念ブレて依頼を引き受けるし。
こんな描き方したら北斎さんが信念に筋の通ってない人に見えちゃうじゃんか!!
断るなら理由を述べて最後まで断り続ける。
引き受け条件があるなら明示してから、条件が満たされたことを表現してから信念を持って引き受けてくれ。
もう。。結局どういう心境の変化があって屏風絵を描きに行ったのか全然意味が分からない。
じゃあ最初に引き受けて良かったんじゃないの??
ずっと頑固に断らないと、侍が刀を抜いて応為が啖呵切る場面が撮影出来ないから断らせていたの?としか思えない。北斎さんの信念が適当な扱いを受けていて悲しかったです。
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それと応為のお母さんの家、まぁ父親と別居してるんだから離婚してるのか?とは状況から分かりますけど、
なんかいきなり見知らぬ家に入って行くだけだから観客は最初ちょっと置いてけぼりでした。もう少しこの辺の家族構成も説明はして欲しかったです。
HOKUSAIでは「俺は70歳になった。だから人生これからまだやりたいことをやっておきたいんだ。」って言って当時の平均寿命を遙かに越えてからもまだ情熱が尽きることなかった姿を見せてくれたんですが、
応為の気持ちや信念、父親が無くなったあとはおそらく記録が無くて表現しようがなかったのかもしれないんですが、何かこう彼女の生き方や信念や、そういうところを伝えて欲しかったです。彼女が晩年どうだったのか、何も想像出来なくて残念過ぎました。
あと主題メロディーがトランペット?か何かの音色でしたが、せっかくのラストの場面が凄く薄っぺらいコメディみたいになってしまって劇中の音楽もイマイチでした。
スオミに引き続き長澤まさみさんの無駄遣い、と思える残念な作品でした。。
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