「視点はどこにある?」おーい、応為 H・Hさんの映画レビュー(感想・評価)
視点はどこにある?
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タイトルからすれば北斎娘お栄(葛飾応為)が主人公のはずですが、見終わると父北斎の写ってる時間の方が多かった気がする。
初っぱなから怒鳴り合い・罵り合いのシーンが多く、何をそんなに怒ってるの?と思う。
杉浦日向子の「百日紅」のエピソードとかがいろいろ出てくるのだが、エピソードの羅列というか、ぶつ切りというか、脈絡なく並んでいるだけという感じがする。
監督は北斎父娘の何を描こうとしたのか?
「北斎漫画」(緒形拳主演)は北斎の若いときから晩年までを順当に描く正統派の伝記映画だった。「Miss Hokusai」は「百日紅」のアニメ化で江戸の美しさを表現していた。また、宮崎あおい主演のテレビドラマは応為の絵に焦点をあてていた。
本作は何に視点を置こうとしたのかわからない。父娘関係か、絵師としての応為か、女性としてのお栄か‥。
「百日紅」では善次郎(渓斎英泉)が活躍するが、この映画の善次郎はただいるだけ。津軽の殿サマの依頼を邪険に断っていたのに、なぜか描きに行く。仙人になる薬とか、何のためにこういうシーンを入れたのかわからない。
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