ストレンジ・ダーリンのレビュー・感想・評価
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血みどろの物語、カラフルな画面
一夜限りの関係を持った男女がシリアルキラーvs被害者の立場になって血みどろの攻防戦に突入していく。でも、このプロットには罠があって、6章に分かれた物語が順不同にシャッフルされているところがミソだ。しかも、意図的に。
以上がネタバレぎりぎりで、観客を見事にミスリードしていく監督&脚本のJ.T.モルナーの手腕に唸ってしまった。美しいのにどこか不気味で、赤を基調にカラフルなカラーパレットを見せてくれる撮影監督のジョバンニ・リビシ(製作も兼任)のセンスも、また然り。本作は、過去のシリアルキラー映画を一旦裏返して、観客の先入観をも裏切る痛快な1作。単なる犯罪映画やスプラッタムービーの枠を超えて、今現在、常識とされていることの胡散臭さにも言及していることろが奥深いと感じた。ハリウッド映画は時々こういう作品を送り出してきて、アイディアの枯渇を免れているのだと、つくづく思う。
ヒロインのレディを演じるウィラ・フィッツジェラルドの振れ幅が広い熱演も凄いが、対するデイモン役のカイル・ガルナーの"受けの演技"がこれまた絶妙で、2人のバランスが変化していくプロセスにも、この映画の愉しみがある。平日の午後、東京、有楽町の劇場には噂を聞きつけてやってきたと思しきシネフィルが数名、息を殺してシートに身を沈めていた。
実話ベース
チャプターが6まであるが時系列ではない形で進行
見せ方は工夫しているが、冒頭シーンで、おや、これはもしかして?と思った展開のまま終了
面白い話か、と言われれば嫌なミステリー系で好きな人は好きなのかも
主演の女優の変幻自在な演技は印象に残る。特にラストシーンの車内の表情を見ながらジーパン刑事の最後を思い出したのは私だけではない??
サスペンスやスリラーというよりスプラッターホラー
今やセクハラお爺さんとなった某監督の古典的名作サスペンスやスリラーは大好きだが、ホラーは「ローズマリーの赤ちゃん」などを除き、余り好きではない。本作は、スリラーというより、スプラッタ系のホラーにしかみえない。誰がシリアルキラーなのか、逆転も2度3度あるが、割と素直に見えてくるし、むしろ終盤はスプラッター的な展開がメインとなってくる。私の採点はオマケして75点。キネ旬読者ベストテンには私は入れないし、‥。むしろ高評価のコメントが多いことが少々不思議。
シリアルキラーなの❓
こないだ鑑賞してきました🎬
時系列順ではない映画ですね🤔
レディにはウィラ・フィッツジェラルド🙂
「ワイルド・リベンジ」
にも出てましたね。
デーモンなる男から逃げまくりますが、ある秘密が。
彼女はカツラより地毛のほうがはるかに魅力的に見えますね😀
真剣に逃げる表情はリアルでした。
デーモンにはカイル・ガルナー🙂
優しげに近づき、実は平気で恐ろしいことをするような男に見えますが…。
この悪人顔は素なのか、演じているのか🤔
デカい銃を構える姿は、狩人さながらです😳
私の理解力不足なのか、犯人がわかったあとも動機がよくわからず。
劇中でそれっぽいことは言われますが、それだけでああも連続殺人を犯すのか。
俗にいうサイコキラーの類なのですかね🤔
サスペンス映画としては平凡な気もしますが、犯人がわかってからの暴走ぶりは一見の価値ありです👍
混沌の世界へようこそ!
急に体調を崩して途中入場になってしまいました。画面には第3章の文字が現れ、予告編でも見かけたカーチェイス。何で、こうなったのかを見逃したって思ってたんですが、画面には第5章の文字が・・・
そうなんです、この作品。時系列をバラバラにして、ミスリードしていく作品でした。
【ネタバレ】
第5章の後に第1章が始まりました。出会いの場面からだったのですが・・・何か様子が違うぞ?
予告編から逃げる女と追う男の構図が刷り込まれてましたが、どう見ても女性が変っぽい。
章が進んでいくにしたがって、女性の本性が顕になっていく。えっ、この人も実は・・・
いや〜、見事に騙されましたね。気持ちのいい騙され方でした。結末がアッサリってところも、ハマってた気がします。
そしてエンドロール、アコースティックの歌が最高でした。思えば、作品全体が70年代?80年代?を彷彿するような懐かしさがありましたね。
何も知らずに観た方が良いけれど、先読みするタイプの人には不向きかもしれません
2025.7.24 字幕 T・JOY京都
2023年のアメリカ映画(97分、PG12)
時系列シャッフルで構成された、ある女と男を描いたクライムミステリー
監督&脚本はJ・T・モルナー
原題の『Strange Darling』は、直訳すると「奇妙な恋人」という意味
物語は、ある殺人事件を資料を基に映画化したというナレーション(ジェイソン・パトリック)が挿入されて始まる
オレゴン州を中心として起きた殺人事件を取り扱っていて、プロローグにてある男(カイル・ガイナー)がある女(ウィラ・フィッツジェラルド)の首を絞めている様子が描かれていく
映画は全6章+エピローグの構成で、「第3章 Can You Help Me? Pkease?(助けてください)」「第5章 Here, Kitty, Kitty.(ここかい? 小猫ちゃん)」「第1章 Mister Snuffle(ミスタ・スナッフル)」「第4章 The Mountain People(山の人々)」「第2章 Do You Like To Party?(パーティーはお好き?)「第6章 Who's Gray Gilmore?(ゲイリー・ギルモアって誰?」という流れで描かれていく
映画の狙いとして、シャッフルすることによってミステリーに見せかけていて、それがないとただのイカれた人物の話でしかない
なので、ネタバレを喰らう前に観にいった方が良い作品で、本当ならば「時系列シャッフル」すら知らない方が良いと思う
映画は、ひと組の男と女が中心に描かれ、その行く先々でハプニングが起こっていく
巻き込まれた人は可哀想としか思えず、唯一生き残った人物が「一番タチが悪い」と言うのも様式美のように思える
そんなサバイバル的な要素をどのように楽しむか、と言うところが肝要で、先を呼んでわかったふうで観るのでは楽しめないと思う
冒頭から一貫しているミステリーは、男と女の関係性なのだが、むしろ一番肝心な部分はぼやかしたまま終わる
それは、二人がどうしてあのホテルに来たのかと言う部分で、捜査の一環だったのが、偶然の出会いなのかはわからない
ちなみに、ラストの第6章の章題は「ゲイリー・ギルモアって誰?」と言うもので、これは女が取り上げた名前だった
彼はアメリカにおける「死刑制度」の流れを変えた犯罪者であり、弁護士を通じて「自らが死刑を要求し執行された男」だった
女はゲイリー・ギルモアのように生きたいと言うふうに語っていたので、それは自らを止めるものは「死」のみであり、それを執行してくれる者を望んでいたと言うことになる
だが、彼女の生存本能の高さから生き存え、彼女がか弱く見える白人女性と言うだけで先入観が邪魔をしていく
そんな彼女を救うことになる二人の女性と、仕留めることになる女性の間に何があるのかと言えば、直感で動けるかどうかと言うところなのかもしれない
いずれにせよ、あまり小難しく考える映画ではなく、観たままを楽しむのが良いと思う
死にかける寸前に回避する能力の高さと、他人を初見で自分の世界に引き込む秀逸な演技は見もので、それをきちんと表現しているところも良い
彼女の下着が上下別々と言うのもおそらくは意図的なもので、少しばかりのだらしなさと言うものを男に見せているのだろう
このあたりの設定や演出に関しては様々な見解があると思うので、英字レビューをザッピングしたら良いのではないだろうか
メンヘラ舐めんなよ💩
あなたはシリアルキラーなの?
予告編でカイル・ガルナー主演の犯罪スリラーなのかと思った。
しかし、気持ちがいいほど見事に裏切られた。
役名もデーモンだし。
よく考えれば、カイル・ガルナーはサイコ顔ではない。
迂闊だった😰
日本人俳優でいえば、濱田岳タイプ。
最初に6章からなるチャプター分けでみせることが示されるが、最初から第3章から始まる。次いで、第5章、そのあとは第1章。最後はエピローグで最初のさわりから数えるとチャプターは7つ。
レディ役のウィラ·フィッツジェラルドがカイル・ガルナー以上にぶっ飛んでいる。
名優だ。
ストレンジ·ダーリンという題名が最初のトラップ。
カイル・ガルナー目当てで観たオイラはまんまと騙され、騙されたと気が付いたときにはイカれた女の餌食になってしまっていた。
すごい映画をみた。
女性警官は殺さず逃がしたのは単なる気の迷いでもないのかも。
これはアメリカの近松門左衛門
女殺し油地獄ならぬ
オトコ殺しバター地獄
死ぬる覚悟が〜
国宝なんかよりおもしろい
中途半端に自分はマトモな人間だと思っているヒトは合わないかもね😎
今年のベストワン級の映画だった。見た目B級映画だが、その実…。是非、予備知識なしで見てほしい映画。
いやはや凄い!
今年のベストワン級の映画だった。見た目B級映画だが、その実…。
是非、予備知識なしで見てほしい映画。
(もう二度とこの映画のファーストコンタクトが味わえないと思うと寂しい!)
<以下ネタバレを含みます>
70年代風な感傷的でメロ〜な歌に乗せて赤い囚人服風の姿の女性が草原を逃げてゆくシーンから始まる(この音楽センスも侮れない)。なんとも形容し難い雰囲気から始まり、チャプターごとに描いてゆくが、そのチャプターの順番が入れ子になっている。これがミソで、見る側の先を読もうする思考をことごとく裏切ってゆく。
シリアルキラー事件が多発しているとの話が最初に字幕で出る。で、シリアルキラーの話だと思いながら、見進めると、ことごとくミスリードする伏線が張り巡らされ…。
結局、シリアルキラーだったのは襲われていると思った女性で、シリアルキラーだと思った男性は、警官だった‥。
謎解きとともに、シリアルキラーの女性の二面性のある抑え難い暴力的な衝動に、いつの間にか感情移入してゆく。ラストは、その悪魔的で二重人格的な性格は、まるで人間の原罪的な業(ごう)にも思え、その「死に様」に涙してしまう。人間のなんとも捉え難い「切なさ」さえ感じさせる。
わざわざ35mmフィルム撮影をして、今時のデジタル映像と違い、明暗や色の諧調も柔らかい。70年代風の映像。赤みや青みの強い画面作り。作風は、ハネケを思わせる。なかなか人間観察が深淵。
ラストにシリアルキラーに涙を流すとは思わなかった。
傑作と言わざるを得ない作品。
旅物語的な犯罪録
まず本作は、面白いという概念は湧いてきませんでした。
実話を基にしていてるという事から物語は入り、その後もエンタメ性よりも真実性を重視した印象が濃く、不快感が圧倒的に支配している作品だと感じたので。
もう少しエンタメ性を重視し、どこか可笑しな雰囲気が有れば、また違った見方ができたかもしれません。
映像の見せ方は映画作品として、よくできていると思いますので、あくまでも「犯罪の醜さ」や、サイコホラー的な音楽効果を感じ取るために鑑賞していただきたいと思えた作品です。
さて、作品の導入映像や、わざとクラッシック調のフィルムを使用している事、映像の見せ方、そしてチャプター分けをしていることが、私はナチュラル・ボーン・キラーズとレザボア・ドッグスを連想しました。
その上で、あくまでも個人的にですが、チャプター分けの技法はクェンティン・タランティーノ監督の作風が印象強いせいか、本作におけるチャプター分けには異色性を感じ、そこに「良さ」は見出せませんでした。
チャプター分け技法は、そのチャプターにおいてそのテーマの出来事(多くはそのテーマの中心人物の物語)を個別に紹介・完結しており、そして物語の本筋に「違う映像の見せ方」などにより完璧に交わらせている技法が多いと感じており、なによりチャプター分けを施さないと滅裂な展開になりかねない場を巧みに上手く調整し、なおかつ面白く観せている技法だと感じています。
本作におけるチャプター分けは、そうする必要性をあまり感じませんでした。
つまりチャプター分けを施さなくても、切り替わる時の映像の作り方で「普通の流れ」で見せれる物語であるように思え、尚且つチャプター毎における主題の見せ方と、その完結性が薄かったと思ったためです。
そう感じた私は、本作におけるチャプター分け技法に関しては、ただ数字を追っただけでした。
ですが、そう思う一方で、本作のようなチャプター分けをすることにより「考察」がしやすくなっていると思え、不明のまま鑑賞を終える事態は少なかったと思います。
そもそもチャプターの性質は、物語を分けたり簡単にジャンプしたりする技法のため、扱い方は間違ってはいないです。
ただ、私の中のチャプター分け技法は「巧みに利用して面白く見せる技法」だと思えるので、本作においてはその魅力が伝わらなかったのです。
そして物語の流れとしては、変に現実離れしすぎた展開が無く(いい意味です)、ネタバレも鑑賞前の予想通りでした。
実話を基にした作品であることが充分に感じることも出来ましたが、それであるがゆえに、不快感が全体を圧倒的に占めました。
以下、不快ポイントですが、
①老人の殺害可視化早すぎ。
また、その老人夫婦の荒れに荒れた味とカロリーの料理の見せ方に悪意(物語上の)を感じ取った。それは、近い内にどちらにしても死んでしまうという暗示に思えました。
②ドラックによる精神錯乱が主題。
意味不明な売春(まがいな)行為や追跡行為、殺害行為に、決して理解できない「真の」犯罪者を見せられていたため不快感と憤りが絶えなかった。
③デーモンも、結局おとり捜査官としてでは無く、普通の「男」として騙された変態なだけだった。
事実、あの状態で「ちょっと不味いことになった」と、同僚に話すだけの電話で応援を待っていたのも、自分がドラッグを吸っていることや錯乱して追跡や発泡をしていることを不味いと思って保身的になりながら自滅しただけだったと見えた。※もし、セリフがノンフィクションの「音声」を基にしていたとしたら、映像化出来ない行為をデーモンはしていた可能性も考えられる。
おとり捜査だったのかプライベートだったのかは、鑑賞者に委ねるに留まっているのかも。
私の見解は、おとり捜査に出向いているが、公私混同して警察官として職務を全うできなかった悪い事をした人、と見えました。
④レディは、救いようのない本当の異常殺戮者だった。
一応、生い立ちなどや立場に同情性を表現する部分もありましたが、そこは酌量の余地がないほど普通に殺しすぎる行動力に、一片の同情も持てず不快だった。
ドラッグと自己中の妄想に取り憑かれて殺しまくって騙しまくっていただけだから。
⑤6章のデーモンや応援の女警察官の危機管理が不快MAX過ぎた。
・デーモン、なんでレディが気絶しているうちに武器の所持チェックや、拘束を強める行為をしなかったのか?
・女警察官、警官の資格なし。現場検証が軽すぎて、生き残ったらしいが絶対将来的に市民のためにならない、いい加減な警官になる。
命が惜しくて、自分のせいなのに同僚残して簡単に逃亡してるし。不快すぎた。
※熟練警官は経験上冷静に対処しようとしたが、あそこまで無責任に人非人扱いされたら、同情してしまうのは仕方ない。※この部分の表現はフィクションであると思えますが。
……とは言えやはり、根拠のない非難を自信満々に相手に向けた女警官が本当に不愉快だった。今の時代のアンチコメント者や迷惑系者を投影しているように思える。
以上、全編通して不愉快であったが、最後の最後、手を差し伸べたネイティブ系?のおばさんが、当たり前の危機管理を行使したのは納得で、「ようやくそうしたか」と安心できた。
本作は同じジャンルの「ファーゴ」の妊婦警官のような「善人」の主演や助演がいなかったため、本当にただただ不快であり、ドラッグや殺人に対して嫌悪感を忘れてはいけない、「警鐘」の意味合いを感じながら鑑賞したなと思えた、わたし個人でした。
すごかった
主人公の女が被害者だと思っていたらとんでもなくて、しかし彼女自身どこまで自分が望んでいるのか、病理でそうした行為に及んでいるのか線引きが分からない。悪魔みたいな画像が現れて殺さなければならないと思うのだろうけど、その手前に男とどうかなるのは悪魔関係あるのだろうか。苦しそうではあるし、気の毒な感じがして、好みとしては殺人大好き人間が大暴れする方がすかっとする。
彼女が逃げ込む老ヒッピーの家がすごくいい。経済的に成功しているようで、豊かな生活ぶりがうかがえる。特に料理ででっかいバターを使って目玉焼きを作るなど、贅沢だ。しかし、その後いろいろな食材をハンバーガーに詰め込んで台無しだ。助けた相手に殺されるのはたまらない。
フィルム撮影だそうで、70年代の映画のような空気感だ。
時間軸のアレンジの妙
時間軸のアレンジを活かして誰が本当の殺人鬼なのかを巧妙に惑わすミステリー仕立てのホラー映画
時間軸を普通にしたら凡作なのでしょうが、チャプターを入れ替える事で惑わされるのはメメント的で良い
ラストの犯人の死にゆく名芝居を長回しでじっくり見せられるのが良いけど、目が会い続けるのが非常に不快だったな
最近ゾンビや殺人鬼ものがなんだか不愉快で受け付けなくなってしまったので、そろそろ観るのをやめようと思う今日このごろなので点数低め
今作を最後に卒業したいものだ
おばちゃんは見逃しません
先入観にまんまと騙されました。
そしてチャプターのトリックは面白いです。
が、なんか入り込めなかったのは、主人公の女性が、私が嫌いな嘘泣きする女だったからだと思います。
最後、撃たれる前に撃ち返すおばちゃんに、少しスッキリしました。
裏切りの映画(館)…愛をこめて
意外にも面白かった。
しかし冒頭のBGMが煩くて閉口したが、それは最初だけで後は気にならないようになった。。
結局犯人は一体今回も含めて何人ひとを殺めているのであろう…⁇ 最後は逃げ切ると思われたが、、……
この作品はことごとく観客の想像を裏切る映画です。。
《この日は7/20の日曜日で3連休中の中日であった。一昨日、鬼滅無限城編が公開されたばかりで劇場は"鬼滅祭り"と化していて凄い事になっていた‼︎ まず鬼滅の上映が約30分毎にスタートとなっており他作品の上映が…余りに少ない。そしてポップコーン売場が長蛇の列で大変な事になっている。。 おまけに鬼滅も観ようかと(なぜならこの日は選挙日でTVもつまらないので)検索すると全ての回の席が既に9割方埋まっている……まさしくこの映画と同じである‼︎ 期待を裏切りやがって‼︎ まさにこの作品に出て来る最初の男性と同じで受難の日となった‼︎》 → 映画館が流行るのはうれしいのだが…
徹底的に情報をシャットアウトして観に行くべき。オフィシャルサイトも見ないほうがいい。
どんでん返しがある作品は、紹介やレビューで「どんでん返しがある」とわかっちゃった時点でネタバレになるから中々人に勧めるのが難しい。
本作も同様、しかも登場人物が極めて少ないので、ひっくり返るという「前提」があるだけで、ちょっとした情報が違和感に変わってしまうので。
本作は全6章+エピローグという構成で、3→5→1→4→2→6→エピローグ、という順に進んでいきます。
( オフィシャルサイトのNotネタばれ部分で言及されている情報)
この順番で話が進んでいくということは、前半にミスリードさせる構成があるということで、スタートになる3章と展開や立場が大きく変わる構成であるということを示唆しています。
オフィシャルサイトを見てちょっと前情報を入れただけでこんな塩梅なので、鑑賞前にはポスター以外の情報は微塵も入れるべきではないですね…
話を時系列に並べちゃうとなんてことないありきたりなストーリーですが、前後させたことにより誰が殺人鬼かミスリードさせる構成になっています。
他のレビューでも散々言及されていますが、この映画はこのねじれた時系列が売りなので、必然的にレビューでも触れることになります。
しかし、答えを知っていながら見るどんでん返しものほど虚しいものはないので、ネタバレを避けてどうやってレビューすればよいのか、この手の映画は本当に難しいです。
最初はカーアクションと音響効果だけで見せるくだらない映画だと思ったが…
“シリアルキラー”が登場人物を指すと同時に、この映画全体が“シリアルに進まない”ことも暗示されていて面白い。トリッキーな章立てや、題名から想起・予期させられるストーリーとのギャップが見る者を引きつけ、90分間息つく暇のないエンタメ映画となっている。
否定的な見解としては、単なる「だます-だまされる」、「殺す-殺される」という内容でしかなく、“EL”と呼ばれる女の人格・素性に深く迫った内容にはなっていない(“EL”は事実に基づいた人物でなく創作上の人物らしいが…)。
最近は無駄に長い映画が多いと思っているが、100分以内に収まっている点もプラスに評価したい。
【”未知の悪魔より、近くの悪魔。そしてゲイリー・ギルモアに憧れて・・。”今作は、チャプター6の物語構成を時系列を入れ替えて描くことで、予想の斜め上を行く展開に引き込まれる作品である。】
■冒頭、チャプター6の物語と出ながら、イキナリ、チャプター3の「助けて下さい」、のテロップが出て、猛スピードで赤い服を着た女(ウイラ・フィッツジェラルド:初めて見たが、凄い演技派である。ビックリ!)が運転するスポーツカーを男(カイル・ガルナー)が追うシーンから始まる。
そして、男が車を停めライフルで発砲し、女の車が横転し女が田舎の家に逃げ込むとチャプター5「ここかい?子猫ちゃん」とテロップが出て、男がライフルを持って家の中に入って来るのである。
だーが、次はチャプター1「ミスター・スナッフル」になり、男と女はモーテルの前に停めた車の中でイチャついているのであーる。
◆感想<Caution!内容に触れているかな?>
・いやあ、今作は正にシリアルキラーEL(エレクトリック・レディ)の”思い通りに行かない血塗れ道中”であり、彼女が憧れていると思われる、チャプター6の「ゲイリー・ギルモアって?」で実在したシリアルキラーで、死刑執行の際に”Just Do it!"という名言?を残したゲイリー・ギルモアの名前まで引っ張り出している所が、何となくコミカル風味を漂わせる怪作である。
・時系列を入れ替えた構成により、観る側は最初は女が被害者かと思うのだが、そこから二転三転するストーリー展開が実に面白いのである。
・男の職業が明らかになるシーンの描き方も絶妙であり、女の本性が”変態さん、いらっしゃい!”であるベッドシーンなども何故か、可笑しみがあるのである。
■そして、女が絶体絶命の窮地を脱したかと思った、血だらけでピックアップトラックを運転するお婆さんの車を停めるも、車中で一瞬早くお婆さんに撃たれ、徐々に憔悴していく様は、正にゲイリー・ギルモアに憧れた愚かしきシリアルキラーの最期に相応しいシーンでありました。と共に、初見のウイラ・フィッツジェラルドさんの、”凄いな、この姉さん!”という想いを持った末期の表情は絶品である。
シリアルキラーELの行動描写は、正に「シリアルキラーとは何か?」という問いへの答えにもなっているのである。
<今作は、チャプター6の物語構成を時系列を入れ替えて描くことで、予想の斜め上を行く展開に引き込まれる作品なのである。>
ネタをバラすのが早過ぎるし、捻りのないラストも物足りない
6章からなる物語を、第3章から描き出すという時点で、これは、何かカラクリがあるに違いないと勘ぐってしまう。
そのお陰で、最初は、いかにも、シリアルキラーの男が被害者の女性を追いかけ回しているように見えるのだが、もしかしたら、女性の方がシリアルキラーなのかもしれないと、この時点で、予想がついてしまった。
やがて、4番目に描かれる第4章で、女性が、逃げ込んだ家の住民を殺害するに至って、この予想は確信へと変わり、続く、第2章で、女性が、モーテルで、男を殺害しようとしていたことが分かって、「やっぱりね」と納得することになる。
ただ、この手の映画は、ラストに、あっと驚くようなサプライズを用意していることが多いので、最後の第6章で、さらなるドンデン返しがあるのではないかと期待してしまう。
男が、女性を捕らえた後に電話した相手が、どうやら警察ではなく、しかも、女性に喉を噛み切られるという展開になって、一瞬、「やっぱり、男がシリアルキラーでした」みたいなオチなのかとも思ったが、結局、女性がシリアルキラーだったという事実は覆ることなく、そのままエンディングとなる。
確かに、時系列をバラバラにした語り口には引き込まれるし、「あれは、こうゆう事だったのか」という面白みもあるのだが、これだったら、ネタバレするのが早過ぎたと思えるし、最後に、もうひと捻りがあっても良かったのではないかと思えてならない。
おそらく、これまでも、(女性の?)目撃者を殺さずに逃がしてきたに違いない犯人が、どうして指名手配されなかったのかも不思議だし、一瞬だけ挿入されたサブリミナル映像のような悪魔の姿にしても、もっと、はっきりと見せてもらいたかったという不満が残った。
いやあ!騙されたね。
6章とエピローグが、バラバラに。観るものを迷わせるね。スピード感がタランティーノ風だな。
音楽とか、タイトルバックとか、懐かしいね。
そうだな、人は無条件で信じたらだめね。
期待し過ぎたかな
評価の高さが鑑賞の動機でした。とにかくレビューは読まずに観た方が良さそうだったので、全く予習せず行きました。
映画が始まってすぐに、「あー、時間が前後するやつね。メメントとか思い出す」と気付いたのですが、結局メメントを越えるものはなく。
クリストファー・ノーラン監督が大好きなので、この類の映画にはちょっと厳しくなってしまうんです。
もうちょっとひねりが欲しかったです。
女性保安官にはイライラ。プロがそんな簡単に騙されるわけ…
35ミリフィルムの映像は雰囲気があって素敵でした。お客さんはいつになく落ち着いた年齢層の方々でした。
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