「見せ方は面白いが、根本的に話がつまらない。」ストレンジ・ダーリン ケージさんの映画レビュー(感想・評価)
見せ方は面白いが、根本的に話がつまらない。
6章だての物語の3章から始まる。
状況は掴めないが、異様な雰囲気のまま、迫力のある展開で映画は始まり、観客は没入感を持って物語に飲み込まれていく。
しかし、この映画のピークはここまでで、章をずらして明かされていく真相は、特にトリッキーに章をずらして見せていく程の驚きのあるものではない。
逆に言えば、こういう仕掛けをしなければ凡庸な物語ということだ。
仕掛けが主軸の映画であって、それ自体は否定するものではないが、だとすれば物語はもっとシンプルにして、見え方次第で真実はこうも違って見えるに徹して欲しかった。
女のキャラを複雑にすることで、設定の妙をシンプルに楽しめないのが残念だ。
センスや演出力もなかなか力量を感じるので、1章から6章の順に女のキャラの複雑性と、翻弄される男の破滅を深堀りして描いたほうが良かったのではと感じる。
もしくは2から6章で最後に1章に戻り、こんな悲惨な物語も、最初は素敵な始まりだったと、逆にゾッとさせるぐらいで良かったのかと思う。
コメントする
