見はらし世代のレビュー・感想・評価
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再開発と再構築
レビュー評価が両極端なので、正直どうなんだろうと、観るかどうか迷ったけれど、自分は嫌いじゃなかった。
別荘での導入部が、どちらにもイマイチ共感できないまま、いきなり10年半後に戸惑ってしまった。
ワンカットがちょっと長めかなぁと思うところはあるものの、ストーリーも、インディペンデント系の邦画によくあるポヤーンポヤーンと何の楽器で演奏してるか分からない劇伴曲も、けっこう好みだったりする。
わりと吹っ切れちゃってる姉と、反発しながらも父親を諦めきれずにいる弟の対比が良い。
レストランのシーンで、は?とはなったけど、奥さんの想いが伝わって、家族、夫婦、親子のかたちが再認識できたのは良かったかなと思う。
ラストシーンは全くもって意味が分からない、なんで蕎麦?
急に出てきて「主演です」みたいな振る舞いの女の子は、大手芸能プロダクションからねじ込まれたのか、はたまたLUUPのプロモーションなのかと邪推してしまうほど、謎のシーン。
ミヤシタパークって、ヒューマントラストシネマの向かい側だから、よく見るけど入った事はない。東京に住んでた頃はなかったし、おっさんには不似合いすぎる。
今の渋谷が嫌いなわけではないけど、人が多すぎて移動がしんどい。
東急文化会館やシネマライズ、シネセゾン渋谷、シネアミューズとかあった頃の渋谷の方が好き。
新時代のマルクス啓蒙映画です
誰も気がついていないだろうけど、プロデューサーと制作配給に入っているシグロ(会社)と言う会社はコレまで三里塚や辺野古に沖縄関連、そして反原発に再開発反対運動を背景にした映画を制作してきた。
本作も意味不明に感じている人はいるかもだけど、明らかに渋谷の再開発による不条理(資本主義的な社会に対する反対意思)を描いており、主人公家族の崩壊をそのメタファーとして配置している。
しかしこの時代にまだアップデートして活動家たちが左翼活動に勤しみ啓蒙活動をする映画屋に心底辟易とさせられる。
誰も語らないだろう事実として、シグロという会社を詳しく調べてみてらよくわかる
見なおし世帯
帰宅なのか引っ越しなのか旅行なのか分かりづらい導入から、だらだらプロローグ。
ここ丸々なくても成り立つ気がする。
しばらく蓮の仕事の様子を見せてから、父との再会。
粗筋では「偶然」ってなってるけど、明らかに分かってて配達買って出ましたよね。
再配達から改めて顔を合わせるが、接し方を間違える父とガキっぽい反応する息子。
父親の会社なのに、そのままクレーム行くんだ…
合間に姉の引越しだの結婚だのお相手との微妙な空気だの見せるけど、意味あったかな。
初の、仕事だの社員だの会社だのの話も、何も知らないこちらには何のことやら。
蓮の「部屋はムリ」も謎だし、最初の配達の横断歩道での微妙なスローも無駄。
あんな対応しといて父に会いに行った蓮の心情が分からんし、展示場は戸締まりしないの?
そこからムリヤリ家族会議…と思ったら喋らんのかい。笑
何がしたかったのか、理解不能。
電球落下には周りノーリアクションだし、いきなり母が現れるし、謎展開すぎる。
マキさんSAに置き去りだし。
蓮と恵美がそれぞれ後悔を語ったり、初が妻と話したりしたけど、あれで解決?
車返してないから後輩くんもクビですよね。
都市を撮りたいだけにしか見えないカット多数で、他もやたらと冗長。
言いたいことも分からないし話もオチてない。
吉岡睦雄はいつも通りの立ち位置だったけど、服部樹咲は一体なんだったんだ…
瑞々しい感性と新しいスタイル…それだけで良いハズがない。
設定があり、仕掛けがある。
その中の登場人物を丁寧に描写し、映画的技法で切り取っていく。
そんな映画があっていいし、数々ある。
だが本作はあまりに表面的で雑な造りをしていて、とても丁寧な描写と言えない。
遠藤憲一と井川遥が演じる両親のありきたりな設定と描き方。
木竜麻生が演じる姉の結婚相手である中村蒼が話すセリフの、何とも考え込まれてない表面的な薄ら寒いさ。
父親の新しいパートナーと姉の真面目に考えて設定しているのかと疑問しかない関係性。
極めつけは、取ってつけたような電球話からの母親の再登場。
その仕掛けを受け入れたとしても、その描き方で良いのかと言う疑問しか残らない雑さしか感じられない。
巻き込み事故みたいで申し訳ないのだが、私は今の黒沢清監督が好きではない。
ただ自主映画、商業デビューから流れてきての現在には納得するものはある。
団塚唯我監督が長編デビュー作から、この様な作品を撮るのは疑問と危惧しか感じないのだが、ただ黒沢清監督と逆の流れをたどっていくのであればと思える才気は感じ取れた。
見晴らしの良い景色の影に存在するもの
様々なものが無駄なく美しく融合され、洗練された
みはらしの良い景色の裏には、必ず影がある。
そんな街の風景と家族の有り様を対比させて描いている。
音楽やセリフ自体も少なく、ときに(挑戦的な)長い間を挟みながら、
カメラ固定で引きの構図を多く使って、
広い視点から空間、映像で空虚感や関係の歪みを表現しているかのよう。
無口な主人公の黒崎さんの役柄は、それをさらに強調していて、
とくに父親に対面したときの内面に静かに怒りを貯める表情、
ラスト近くの2元的にも意味のとれる黒崎さんの笑顔は象徴的。
影を無理に明るく照らして、詳らかにして
議論して、何かを解決しようとしなくてもいい、
時々でも影(亡き者、失われたモノ)の存在に想いを馳せるだけでいいんだ、
そんなことを語りかけているように感じた。
ラストへの積み重ねが丁寧で好感が持てる秀作
家族を顧みず、仕事一筋に生きてきた父・初(遠藤憲一)と、妻・由美子(井川遥)、長女・恵美(木竜麻生)、長男・蓮(黒崎煌代)の四人家族の物語でした。
初は業界でもそれなりに名の知れた建築家のようで、本作では渋谷・宮下パークをデザインしたという設定。しかし、仕事を優先しすぎたあまり家族との時間を犠牲にし、その結果、家庭は徐々に崩壊。最終的に由美子の死によって家族の絆は完全に断たれてしまいます。物語の主軸は、由美子の死後から数年後、恵美と蓮が成人した現代を舞台にしていました。
まず印象的だったのは、生花店の配達員として働く蓮と、いまだ成功の道を歩み続ける初との対比でした。特に蓮の不遇を際立たせたのが、生花店の上司(吉岡睦雄)との確執です。店のコーポレートカラーと合わないと言って蓮の黄色いウエストポーチを注意する上司の態度や口調は、誰の神経をも逆なでするほどで、吉岡の演技が見事でした。やや高めの声のトーンや、反論を許さない無感情な表情が実にリアルで、思わず拳を握りたくなるほどの嫌味な存在感でした。最終的に、初の展示会に花を届けた際のトラブルをきっかけに蓮は店を解雇されてしまいますが、その一連のやり取りが非常に生々しく、蓮の鬱屈とした心情を非常に良く表していました。
また、何気なく登場したシーンが、後に大きな意味を持つ構成も見事でした。
一つ目は、恵美の受験勉強に使われていた英単語帳。「indispensable(必要不可欠)」という単語が、終盤で家族の絆を象徴する言葉として再登場する場面には深い余韻がありました。
二つ目は、初の「変わらなさ」を示すセリフ廻し。かつて別荘から急遽仕事に戻ろうとした際、由美子に対して放った「水掛け論」という言葉が、現在の部下に対しても繰り返されることで、彼が妻の死や家族崩壊を経ても何一つ変わっていないことが如実に印象付けられていました。
三つ目は、劇中のテレビ番組に登場する「落下する電球」。かつて家族で訪れたドライブインで、何度取り付けても落ちてしまう電球がワイドショーで取り上げられ、その後本作最大の山場で大きな役割を持つとは想像もしませんでした。亡き由美子を除く三人が再びそのドライブインに集い、電球が落下する瞬間に物語は一転、まさかのファンタジー展開へ。そしてこの展開を通じて、初の中に反省と贖罪の念が芽生え、その姿を見た蓮もようやく心の整理をつけることができました。
ラストに至るまでの丁寧な積み重ねが、この突如のファンタジーを自然に受け入れさせてくれる力を持っており、それこそが本作最大の魅力だと感じました。
俳優陣も見応えがありました。蓮を演じた黒崎煌代は、序盤ではややぎこちなさを感じましたが、彼の内面が描かれていくにつれ、そのぎこちなさがむしろ役の不器用さに重なって自然に見えてきました。彼の他作品での演技も気になるところです。
遠藤憲一は言うまでもなく安定した存在感で、井川遥演じる由美子は、苦悩と優しさを湛えた妻の姿を繊細に演じ切っていました。特に、ファンタジーの場面で再登場したときの屈託のない笑顔には、ただただ心が癒されました。往年の”癒し系”は健在でした。
そんな訳で、本作の評価は★4.0とします。
見はらし世代って、、木を見ず森を見るって事かなぁ?
仕事優先で離婚した父と、詳しくは語られてないがあんまり良い死に方してない妻と残された子供2人の話。
そりゃ父を恨むだろうなぁ、けど経済的な援助はされてるだろうから、酷い荒れ方はしていない。成功した父親が家族の修復を試みる気持ちもわかるが、やはり滑稽でしかない。
再登場の妻があんまり恨みやこだわりが無い所が笑える、、、妻が1番の見晴らし世代なのか?
役者達は皆達者で安定感がある。黒崎君の声が凄く低くて初めよく聞こえなかったww
父の女性の好みが大変よく羨ましい、やはり成功者になるって魅力ある人間って事かしら。
父の仕事柄引き絵も多く見晴らしのよい映像である。
リアルとファンタジーの扱い方が日本映画には珍しくドライに描かれていて確かに目新しく感じた。
誰1人として見晴らしのきく若い登場人物は現れず、イミフな最後のシークエンスが1番見晴らし世代をかんじたわwww
コーヒーは二人分
世代交代
この映画の団塚監督(26歳)は、私の子供たち(31歳・30歳・28歳)よりも年下ということで、どんな作品を作ったのだろうという興味で鑑賞。
結果、素晴らしかった。
やはりみずみずしい感性で、映像も斬新なものが多く、演出やセリフも(私(59歳)には)独特だった。
日本映画の未来は明るい、と感じた。
主演の黒崎煌代くんは声が低くて大きくて良い。声だけでも芝居ができそう。
遠藤さんや井川さんも良かった。
お姉さん役は最近よく見る木竜麻生さんが演じ、「いつか無重力の空で」や「秒速5cm」とは全然違う魅力を放った。
これら家族が変わっていく様子が、渋谷の街がどんどん変わっていく様子とあわせて映し出されていた。
ちなみに「もしがく」では1980年代の渋谷が再現されているが、私には懐かしさを感じる景色も、団塚監督にはどんなふうにうつるんだろう。
「渋谷の再開発」と「家族の再スタート」をチラ見
監督の天才が伝わった。
都市の再構築、家族の再生がテーマで、予告で遠藤憲一さんが建築家なのかくらいで観に行ったら、またまた監督のトークショーがあってとても良い映画体験になりました。
映画は主役がだれかわからなくなるとか、遠藤憲一さんが答えに窮するとすぐに「水かけ論」というとか、語り口は不器用。
人物描写も利己的でなんでこんなに共感できないんだろう?まてよ、もしこの条件だったら腹落ちするなと、考え直しラストまで。
トークショー。監督が登場。26歳。主役、黒崎煌代くんだったのか。監督の顔が似てる。
トークショーで質問付きってなかなかないのですが、親ほどの年齢の観客の質問に堂々と答える。なるほど、日本最年少カンヌ出品とな。
タイトルの意味は?
家族の再生はどこで表現した?
など、映画メディア並みの質問。
印象に残ったのは、役者が現場で台本にはない泣きの演技をして良かったので採用したという、若さなりの自然体の演出の話。変わりゆくモノを描きたかったという真っ直ぐな精神性。わからないことはわからないという素直さ。
監督の天才が伝わったので、おじさんの「条件」についての質問はのみこんだ。
日本の映画界の今後は明るいですよ。
この姉弟の演技が見どころの映画
ある家族の話。
タイトルの意味は最後まで分からなかった。。
東京の街並みが印象的に映し出される。
仕事を優先し家族を捨てた建築家の父親。
この世を捨てた母親。
捨てられた姉弟。
街並みの描写とともに海外から久しぶりに帰ってきた父親と子供たちの交流が描かれる。
伏線はあったが、終盤のオカルトチックな展開は捉え方が難しい。。
あれで父親は仕事を捨ててしまったのだろうか?
イマイチ分からない展開がところどころにあった。
主人公の男性は初めて見た役者さん。
めっちゃ声が低かった。
無口な青年を好演してたと思う。
姉の木竜麻生と弟の黒崎煌代の顔が似てるなーと思いながら見ていた。
この顔の知らない弟くんは、顔が似てるからキャスティングされたのかと思った。
帰ってネットで調べてみると、朝ドラとか出てる有名な人だったのね。
この二人の演技が見どころの映画だったのかな。
エンディングの曲と映像はPOPな印象。
雰囲気は良かった。
映像とともに映し出される文字。
この監督のセンスなんでしょうね。
次はどんな映像・演出を見せてくれるか次回作が楽しみです。
でも評価は難しい。。
私は、嫌いでは無いが好きでもない感じ。。
見る人によっての好みになるんでしょうけど。。
またまた日本映画の新星現る、な感じ
おしゃれな映画だった、と言ったら失礼か。オープニングからエンドロール隅々まで行き渡った新世代感。日本人だから日本が撮れるということでもなく、東京生まれだから東京が撮れる訳でもなく、やはりこのような感覚の世代であり育ちなのだと思う。撮影は古屋幸一。chimeの人か。
日本映画にはあんまりみない「私映画」(本当かどうかはわからないが)をフィクションで構築。描かれる時間に比べて中身の濃さはそれほどないのかもしれない。言ってみたらもっと短時間で済むだろう。なのだけど、端々に面白さを感じる。各世代の配役も他の作品に出ている時と違うもの感を受け取れる。もちろん風景も。
よく考えたらまだ20代の監督なので逆に伝える物語にくらべて見せる手段の面白さは充分ある。そこに立ってるなーと、思うと突如としてはじまる吉岡陸雄劇場も爆笑もの。その前をさーっと横切って別の世界に移っていく同僚の女の子などはやはり面白い。
日本の若手監督は粒揃いだと再認識。
役者は良かった
監督の体内時計は遅く、その辞書に「辻褄」という言葉はないらしい。
ワンカットが「芸術的に」「リアルに」長く、
ストーリーと無関係のカットが「芸術的」で「リアル」
と、監督は思っているのかもしれないが、
その実、
ワンカットは無駄に長く、
無駄なカットが多過ぎる。
たとえばラストのカット、
登場するのは、なんと
ストーリーとは全く無関係の若者エキストラ4人。
渋谷でループに乗りながら、蕎麦食った話をしている。
――開いた口が塞がらない。
こわいのは、監督がこれで満足しているということ。
(これ、海外の人は、登場人物と勘違いする可能性があるんじゃないかな)
台詞もステレオタイプで、
感動するポイントも
笑えるポイントもない。
そして
辻褄が合わないところ多数。
いやそもそも、合わせようとも思っていないのだろう。
今までレビューの最低点は☆2つにしてきたが、
あまりに酷いので、
ここは特別に、☆1つを差し上げましょう。
なお「見はらし世代」というのは、
もともと予定していたタイトル「新しい風景」の
英訳Brand New Landscapeの
「意訳」なんだそうな……ナニソレ
どっちでもいい
母親の死後、父親と疎遠になった姉弟と、その父親の話。
家族旅行に出かける家族から始まったと思ったら、仕事のコンペで最終選考に残ったから東京に帰らなきゃとか父親が言い出して始まっていく。
こういうシチュエーションで今が大事とか言う人って、この作品では成功した様な描かれ方しているけれど、いつまで経っても同じこと言ってる冴えない人って感じですけどね…と思っていたら10年半後…ん?子どもたちはもう少し歳とってる設定にしか見えんけど。
そして偶然の再会、からのそこ繋がってんの?
言いたいこと言わずにもごつく弟&父親と、虚栄心が見え隠れする姉と、なんだかそんな感じをたらたらみせて、えっ!?急にわけのわからんファンタジー???
変なリアクションだったし、落ちてきたヤツで気を失って夢見たとか、死んだとかではないんですよね?
そこからの展開をみても何が言いたいのか自分には全然理解出来ず、なんだこれ?状態だった。
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