「見晴らしの良い景色の影に存在するもの」見はらし世代 HKさんの映画レビュー(感想・評価)
見晴らしの良い景色の影に存在するもの
様々なものが無駄なく美しく融合され、洗練された
みはらしの良い景色の裏には、必ず影がある。
そんな街の風景と家族の有り様を対比させて描いている。
音楽やセリフ自体も少なく、ときに(挑戦的な)長い間を挟みながら、
カメラ固定で引きの構図を多く使って、
広い視点から空間、映像で空虚感や関係の歪みを表現しているかのよう。
無口な主人公の黒崎さんの役柄は、それをさらに強調していて、
とくに父親に対面したときの内面に静かに怒りを貯める表情、
ラスト近くの2元的にも意味のとれる黒崎さんの笑顔は象徴的。
影を無理に明るく照らして、詳らかにして
議論して、何かを解決しようとしなくてもいい、
時々でも影(亡き者、失われたモノ)の存在に想いを馳せるだけでいいんだ、
そんなことを語りかけているように感じた。
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