劇場公開日 2025年10月10日

見はらし世代のレビュー・感想・評価

全61件中、1~20件目を表示

4.0現代の社会、空気、感覚をそのまま映画に昇華させたかのような

2025年10月31日
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鑑賞方法:試写会

人の心、あるいは誰かと誰かが関わり合う様は、時に一つの建築物のようだ。家族が休日を過ごそうとする海辺の家に始まり、渋谷の複合商業施設、はたまたホームレスを追い出して着手されゆく無慈悲な建設に至るまで、本作ではあらゆる建築が有機的に絡まり、物語を奏でる。そういった構造をあくまで透明感に溢れた自然な語り口の中で実践しているのが本作の秀逸なところ。こんなタイプの映画と出会ったのは初めてかもしれず、まさに現代の社会、空気、感覚から産声をあげた作品と言える。メインの家族を、決して互いに相入れない独立した部屋が並ぶかのように拮抗させ、対峙させる未来。とりわけ少年が青年へと成長し、演じる黒崎がひとこと言葉を発する時の、あのなんとも他者を寄せ付けず、と同時に、何かを求めているようでもある掠れた低音の声のトーンに心底痺れた。そして遠藤憲一の画竜点睛と言うべき存在感が、この異色作にある種の格をもたらしている。

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牛津厚信

4.0デザイン志向

2025年11月22日
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鑑賞方法:映画館

デザイン志向タイプはかなりの数いるような気もするが、この映画もそんなタイプ。偉大な親を空音央もこれに入る気がする。

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タカシ

5.0若い感性が生み出した新しい東京物語

2025年11月14日
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鑑賞方法:映画館

私もバリバリ仕事をしていた頃は家族旅行中でもパソコンを開いたし電話にも出ていた。明らかに家族の行事より仕事を優先していた。今となっては全く馬鹿らしいが当時はそれが正しいと思っていた。幸い家族に見捨てられることもなく今を生きれているので良かったが、もう少し私が横暴だったら遠藤憲一のようになっていただろう。
それにしてもこの若い監督、団塚唯我は何とも言えない深い感受性を持ってるなぁ、。と感心させられる。20代後半、大学中退で映画美学校を出たとはいえ、社会経験はまだほんの少しだろうし、自分自身の家族もまだできてないだろうに人生50年位生きてきて初めて気づくような家族の成り立ちと崩壊、再生がおぼつかない葛藤をものの見事に映像で表現した。
車内のテレビで放映されてた取り替えても何度も落ちてくる電球の不思議ニュースが後半ぴったりとハマり奇跡が起きる。10年も時空を彷徨ってたからなのか井川遥はひたすら夫に優しい。「またね」と言われ去っていく妻の後ろ姿を見た後、号泣する遠藤憲一。失ったものは戻ってはこないことを突きつけられるシーンだった。
MIYASHITA PARKは監督の父がトータルデザインを手がけたとの事。堂々と物語の中心の場所に据えた理由も分かったが、感性は遺伝するものだと思った。昨年、同じように若手の監督として称賛た「HAPPYEND」の空音央は坂本龍一の息子。親が偉大なのは大変だろうが、少しだけ羨ましい。

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アベちゃん

4.5子育てが終わったせいか振り返りに刺さりました。

2025年11月13日
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仕事と家庭。どちらも勝負する時期は限られていて…
両方は選べない。
昭和世代は専業主婦がいて、父親不在を当然事だったけれど、少しずつ世間の変化が起こり今では男女関係なく激務。
落ち落ち子育てなんてできないし、誰が子供の保育所送迎できるのかに直面する。

可能なら子どもを優先して働きたいのは誰もが思う事。
が、ままならない現実。
頑張れパパ・ママ

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jiemom

3.5画集みたいなラストクレジット

2025年11月12日
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鑑賞方法:映画館

冒頭の別荘のシーンが、素人くさくて大丈夫かと思ったが、それから10年半後になって、グンと面白くなる。建築家の4人家族がバラバラになって、10年後(幽霊になった母も含め)再会する話。花のデリバリーをあれだけ大きく扱ったのは、初めて観た。主役の黒崎君は、前の映画で萩原利久君の山根とかいうしつこい友人役で、印象的だったが、声に特徴があるなぁ。賛否両論のようだが、監督の才能は確かに感じられた。

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吉田透

5.0個性的で楽しみな監督

2025年11月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

癒される

クチコミが賛否両論なので観るか迷ったけど観て良かった。
独特な間、余白というか、個性的な映画でした。
私は好きです。映像や音楽もこだわりが強そう。
今後も楽しみな監督さんですね。個性的で良いです。
こういう、この監督の映画と思える個性的な映画は好きです。

長回しというか、余分に思えるような間があります。もう少しキュッとすれば30分は短くなりそう。はじめは辛いと思ったけど。癖になる。

道路を渡るとか何か意味のあるようなシーンもあり、奥が深そう。

黒崎煌代と遠藤憲一と木竜麻生の演技も素晴らしい。

ちょっと予想外の展開でしたが、親子4人それぞれ思うところがあって、淡々とした演技、というか自然なキャラですが、その心情がよく伝わりちょっと泣けた。

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だるまん

3.5ありそうな、なさそうな?

2025年11月8日
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鑑賞方法:映画館

単純

斬新

今の都会を切り取ったような映画でした。
オシャレ感はないてすが、地味でもなく…
分かりやすくも分かりにくくもなく…
そんなこともあるかもね、という感想です。

渋谷で観ていた映画に、何度も渋谷出てきて不思議な感じでした。

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Mikikar

1.0これはいただけない…

2025年11月7日
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鑑賞方法:映画館

とにかく薄っぺらな作品で金と時間を無駄にした。

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Mr. Planty

0.5単なる渋谷宣伝映画。

2025年11月6日
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MOVIE FUN MAMIKO

4.5家族の現代的な有様を、街並みと建築を絡めて爽やかに表現

2025年11月5日
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知的

難しい

斬新

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marcomK

4.5建築家の父とその息子の物語. 父が仕事に没頭しすぎて独り海外へ, ...

2025年11月4日
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知的

難しい

建築家の父とその息子の物語.
父が仕事に没頭しすぎて独り海外へ, 母は早くに他界, 残されたのは姉と弟.

時を経て, 弟が都内で配達の仕事中, 帰国した父と偶然会ってしまい.
父は景観デザイナーとして成功の最中.
父がいた旨を, 姉に話しても相手にされず.
葛藤する弟の様子.

男同士で感じる, 口下手でも背中を見てる様子, 強い納得感がありました.

主な舞台は, 渋谷の宮下公園.
開けた屋上公園, 下には商業施設, 以前はホームレスだらけで近寄り難かった場所.
この公園だけでなく, 高層ビル群や首都高など, 立体的な景観の見せ方が
本映画では一貫してすごく綺麗.
都内にいると慣れた眺めですが(おらの様なおのぼりさんでも),
きっと, 西洋の方がこの映像を観たら,さらに喜びそうな気がします.

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woodstock

2.0出てくる人間たちはいったい何を考えてるのか

2025年11月3日
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それぞれの心の動きも行動原理もわからないことだらけ
家族のありようを都市の再開発にこと寄せても、切り取る渋谷や街は書き割りに等しい

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p.h.o.e.

2.0考えがだから子供なんだよ

2025年11月1日
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鑑賞方法:映画館

何となく手垢のついたいつの時代も話題になる話。理解のない母親や子供達、今の現状で満足ですって言ってるけどそのうち不満出るよね、だからパパは働くし何故解らないの?
もう何度も見たよ。キャストが素晴らしく観ていられる。しかしラストの貸し家の話は蛇足だし、エピローグの物語も要らないように思う。
中盤の台湾女性も余りにも子供の思考。
全体的にストーリーは幼稚に感じるが、撮影などは良く、映画館で観るように作られている

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るい

4.0不思議な心地よさもあり、観る者の人生や経験によって感じ方が変わる秀作

2025年10月31日
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鑑賞方法:映画館

2025年第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に⽇本⼈史上最年少、26歳で選出された団塚唯我監督の長編デビュー作品ということで、楽しみにしていた映画。

ランドスケープデザイナーとして家族を顧みず、仕事に没頭するハジメとその家族を描く。そして妻・由美子が亡くなり、ハジメは海外での仕事を選び日本を離れる。

残された娘・恵美と息子・蓮は、そんな父・ハジメとは疎遠になり、それぞれの生活を送っている。ある日成功を背負い帰国した父と図らずも再会した蓮。

それをきっかけに再会する家族。それぞれの胸中の複雑な思いや家族の関係性は、観る者の人生経験や家族との関係により、その感じ方が千差万別となるあたりの脚本な映画の造りに素晴らしさを感じる。

主人公・蓮を黒崎煌代、父・ハジメを遠藤憲一、亡き母・由美子を井川遥、姉・恵美を木竜麻生が演じているが、その役者たちの巧みな台詞回しや演技により、家族それぞれの心の機微が細やかに描かれる。

全体としては、家族揃って過ごす過去の1日と現在の数日間だけを描いており、途中時間軸がブレることもあり、結末らしきものもない。

結局そこに描かれていることが現実なのか、それぞれの思いなのか朧げなまま展開していく点でも、不思議で繊細な感覚を覚える映画。

過去の渋谷、頻繁に情景として出てくる再開発が進む渋谷、現在のMIYASHITA PARKを舞台に描かれた作品。

街中をLUUPが走る光景を含め、センス溢れる情景の写し方も素晴らしく、新進気鋭の若手監督が作った今を表す映画になっていることを、エンディングに向かって一層強く感じる映画。

万人向けの商業映画とは全く別物の映画だが、インディペンデント映画が好きで、かつ自身の人生経験から、感じるものがあれば深く沁みる作品。

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Toru

2.5親子を取り戻せるのか

2025年10月30日
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井川遥、魅力的やな。
僕も、弱った時に、しゃんとしなさいとケツを叩かれたい。
本当の姿を見せないと、関係は取り戻せない。

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nyaowan

4.0木竜麻生さんが

2025年10月29日
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良かった。時間帯で選んだ作品なので思わぬ拾いものです。一番最後がよく分からなかったのですが、レビュー(まこやんさん)に解説載せてくれたので理解しました。お蕎麦食べない彼女(服部樹咲ちゃん)可愛いですね。平場の井川姉さんはすごいおばさんに見えるけどこの姉さんは可愛いかったです

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michi

4.5「進化と消滅そして再生」

2025年10月29日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

癒される

 今、渋谷の街には高層ビルが乱立し、いまだに再開発しているところもある。それ以前の渋谷は地上7階ほどの百貨店やどうとも形容できないビルやむきだしになった地面があった。再開発とは街の進化であるとともに古き物が捨てられ消滅することを意味する。

 東京生まれの団塚監督は今27歳。子どもの頃から渋谷の街を見ていれば、この変貌ぶりに一番気付いているのは監督自身であろう。そして彼らZ世代は高層ビルから街を見下ろす、まさに「見はらし世代」なのだ。この映画は渋谷の再開発という題材をとおして家族の在り方を撮っている。

 10年前、蓮は両親と姉、家族4人で海辺へバカンスに行った。しかし初日に父(遠藤憲一)が仕事の都合で仕事場に戻ると言い出し母(井川遥)と口論にはなるが一人東京へ帰った。そして3年後母は亡くなり、10年後、父は有名なランドスケープデザイナーとなって世界をまたにかけ活躍しているが、蓮(黒崎煌代)と恵美(木竜麻生)とはすっかり疎遠になっていた。

 蓮は久しぶりに父が東京に戻ってきていることを恵美に話す。蓮を演じる黒崎煌代の声は低く、くぐもっていてぶっきらぼうな話し方が蓮の無口で引っ込み思案なキャラクターを明確にしている。蓮は父に会いたいという気持ちをもっているが恵美はまったくの無関心である。もう父との縁は切れたとひどく素っ気ない。蓮は胡蝶蘭の配達を仕事にしており偶然父の展示会場に胡蝶蘭を届けに行ったさいに父を窓越しから見る。蓮と恵美の会話、蓮の仕事ぶり、父を見ている蓮の姿の映像が、何か無機質的に一瞬静止し単なる一枚の絵のように映る。動いていない、生きていない、虚無が覆う映像が印象的で、父と蓮・恵美の深い断絶を見事に表現している。それでも蓮は再度父と会い恵美を含めて紹介したい人(菊池亜希子)がいるから二人に会ってほしいと言われ恵美には内緒に指定された場所へ行く。すると幻のような驚くべきことがおこるのだ。

 この幻が登場するシーンから私は映像化されている場所を見ているのか、どこかほかの場所を見ているのか混乱してくる。恵美はさっきまで蓮と一緒に渋谷にいたのに、父の恋人と軽トラックに乗って海辺にいて別荘に入る。この映像表現はなにか。時空の超越か、渋谷にいた蓮と恵美は幻影なのか混乱が増幅する。父と幻は蓮と恵美を見ていない。

 父はバカンスを捨てたことで世界的なランドスケープデザイナーになったが家庭を崩壊させた。新たなものを手に入れるためには今までのものを捨て去らねばならい。まさに渋谷の街の再開発と同様だ。しかし幻の言葉は優しさにみちている。この幻の登場から映像は不可思議な時間が止まっているようにゆっくりと進んでいく。

 この幻は父と蓮と恵美に何をもたらしたのか。家族の再生。いやそんな甘くはいかない。父は幻に理解され許され涙する。しかし蓮や恵美は断絶から容易に解放されない。ただ恵美の横にいる幻からバトンを受けそうな新しき者、父の恋人が仲介者となりなんらかの化学変化がおこるのか。幻の出現は進化のために捨てられ消滅したものが、この家族の再生をうながしているように、寄り添うことなく、しかし冷たくなく蓮と恵美と父の恋人の前に姿を見せたように感じるのだ。

 高層ビル群の間をキックボードに乗って颯爽と走る若者たちの姿は生気と活気にあふれていた。蓮と恵美もこのように新しい街のなかで消滅したことを幻にまかせ家族という枠を大上段に構えず高層ビルから見はらすように大きな視点をもって生きていってもらいたいと思いながら高層ビルが乱立する渋谷の映画館を後にした。

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かな

3.5水掛け論

2025年10月28日
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難しい

驚く

斬新

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まこやん

2.5うーん、、

2025年10月24日
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癒される

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Dick

4.0家族・仕事・時代の空虚──見はらしを失った私たちの物語

2025年10月24日
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nonta