愚か者の身分のレビュー・感想・評価
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想像や予想を上回った作品でした
まず結論から言うと、素晴らしい映画とストーリーでした。各キャラクターを順番にフォーカスを当てて、埋まっていないピースを埋めていくという流れが進めば進むほど、いい意味で驚きと裏切りがあり後半はどうなっていくんだろうと目が離せませんでした。少し変な表現になりますが、前半の流れを観ていると何となく先が分かってしまう結構よくあるパターンかなと思って舐めてました。ところが中盤以降、最悪な方向に進みだして更にまさかの展開に二転三転なっていく所は非常に考え深くなりました。幼く、弱い人間たちの愛、信頼、友情が色濃く表現された映画だったと思います。脇役の人達(良い人も悪い人も)も独特で良かったです。ラストシーンも一瞬ん?と思うのですが、そのすぐ後に意味が分かった瞬間うるっときました。バイオレンスでダークでアウトローな内容ですが是非フラットな感情で観ていただきたい作品です。
それぞれの歌舞伎町の沼への落ち方
闇バイトから人生転落していく若者の姿を、登場人物ごとに絶妙に演出している見ごたえのある作品でしたが、現在の大きな問題であるからこそ、美談的な終わり方は、個人的には残念な作品でした。(小説の結末がそうであれば、やむを得ない演出なのですが・・・)
秀逸!
原作読み鑑賞。
キャストのみなさん素晴らしかった。
原作の主題はそのままに上質にまとめられ、映画としてスケールアップされている印象でした。
半グレの闇、ヤクザと違い人思いのやつでも簡単に踏み入れられてしまう世界。
そこが暗い汚い川だとは知らずに踏み込んでしまう。
取り返しのつかない、あまりにも切ないラストにはうちのめされました。
それぞれの立場を思うとかなり紙一重で他人事ではないような気もします。
本では続編があるようなので必見です。
【"各々の罪滅ぼし。そして、裏社会からの脱出。"今作品は様々な理由で裏社会で生きる三人の男が”ある恐ろしい出来事”を切っ掛けに、真っ当に生き始める様を描いたヒューマンストーリーである。】
- 今作品は、作品構成、演出、ストーリー展開が秀逸なる作品である。-
◼️"ある理由"により、戸籍売買の仕事を始めたタクヤ(北村匠海)。ターゲットを絞り、戸籍を買い"二年で返す。"と嘘をつきマアマアの金を渡し、指示役の佐藤に渡す。タクヤは、簡易宿泊所で出会った両親の居ないマモル(林裕太)を、自分の仲間にする。そんなタクヤも、嘗て運び屋の梶谷(綾野剛)から、裏社会に誘われていたのである。
<Caution!内容に触れています。>
・今作品は、物語の進行が三人の過去と現在を交互に描いている。タクヤ(北村匠海)が、簡易宿泊所で出会ったマモル(林裕太)を、"ある理由"の原因である彼の弟の様に可愛がる姿。
・そんなタクヤも、嘗て、運び屋の梶谷(綾野剛)に、裏社会に誘われているのである。
・タクヤが、マモルに鯵の煮魚を作るシーンが、最後半にキーになる構成も上手いし、彼が"知っているか?鯵はドブ川でも取れるんだぜ。"と言う台詞から、彼が弟と両親からキチンと育てられて居ない事が類推出来るし、彼の煮魚が旨い理由が分かるのである。
・タクヤが、佐藤を"叩き"一億円を奪うシーンからの展開は物凄いのである。彼はアッサリと捕まり、中国人の盲目の老婆に角膜を売ろうとする佐藤の上役の総金歯のジョージに襲われ、両目をくり貫かれた姿で見つかるシーン。
その前に佐藤と食事をするシーンで佐藤が"知っているか?目玉は簡単に飛び出るんだぜ。"と、言いながら煮魚の目玉を口にする演出が効いているのである。
・タクヤから更に中国人の老婆の糖尿病の夫に腎臓を売る為に、彼を病院に連れて来る指示を受けた梶谷が、自分に尽くす優しいホステス、ユイカ(木南晴夏)との生活で、細やかな幸せを感じていた故か、タクヤを裏社会に引き込んだ罪滅ぼしか、"めんどくせーな。"と呟き、タクヤと逃げる過程はハラハラするが、梶谷がタクヤをラブホテルで手当てするシーンは、沁みるのである。
・又、タクヤが"自分に何か有った"時にマモルにアラームメールを打つ依頼をしていた、嘗て戸籍を買った男(矢本悠馬)ヘ二千万円をマモルが届けるシーンと、アラームメールに書かれていた内容"一億円ある。二千万を男に渡し、残りはお前が使え。中卒でもこれだけあれば、商売が出来るだろう。"と書かれた文章も、可なり沁みるのである。
・そして、タクヤと梶谷はユイカが教えてくれた大阪の親切なオバサンが営む店の二階で、事が収まる迄、暮らすのである。
その時にタクヤが慣れた手付きで鯵を捌き、梶谷に味付けを指示し、二人で鯵の煮魚を旨そうに食べるシーンも、コレマタ琴線を揺さぶるのである。
更にTVで流れるジョージ達が、摘発されたニュースのタイミングも絶妙なのである。
<今作品は、様々に理由で裏社会で生きる三人の男が、ある出来事を切っ掛けに、裏社会を抜けて真っ当に行き始める様を描いているヒューマンドラマなのである。>
不器用な人間
働くにも不器用な人間ているはず世間や企業が面倒くと人を育て無い事から闇バイトが生まれたのだと感じた。何故時間をかけて育て無いか支度て闇バイトに染まる人間なんて少ない。お金稼ぐとは簡単な事だと何故教えて挙げられないのだろう育てて見極める事が出来る人間に私はなりたいとこの作品に学んだ!!
エッシャーの無限階段
物語の中盤で北村匠海演じるタクヤが新しいTシャツに着替えますが、その絵柄が「だまし絵」(実はだまし絵ではありませんが)エッシャーのもので「描く手」と通称「無限階段」でした。監督の発注か、衣装さんのセンスかわかりませんが、このドラマのオチを予感させるものでした。こんな半グレ生活から抜け出すのはめちゃ難しいし、まさに「無限」なのかもしれません。
3人の主人公が前半中盤後半をそれぞれ演じ、その都度場面はそれぞれの立場で違う角度で見せられるのが面白かったです。
ある種のハッピーエンドでしょうが悪いことは悪いこととして、物語のエンドクレジット以降を我々に想像させる演出はなかなか潔かったです。
で、一番良かったのは私自身が大阪人ってこともあって豊中市出身の木南晴夏のネイティブな大阪弁であったことは秘密です(笑)
あんぱん、最終回まで見たけれど
この映画1本ほどには心動かされなかった。北村匠海、髪を染め、すっかり自由になって。もちろん映画のほうが前だろうけど、等身大の若者を自然に演じていた。
やっていることは悪なのに、後輩に指導までするのに、見るからに哀しい。心が穢れていないせいか。亡くした弟と、弟のような後輩への無償の愛。お金では手に入れられないもの。タクヤはそれをおばあさんからかろうじて与えられたらしい。
怖かったけれど、これで安全圏に逃れられるのか、それは一向にわからないが、タクヤと梶谷のラストはよかった。
マモルは、金の入ったリュックを確か道端に置き、川を眺めていたけれど、これからどこへ行くのか。暗転が気になる。
中年になった綾野剛。研ぎ澄まされた若い頃の繊細な印象はすでになく、温かく、情けない。いい男になったなあ。ほとんど声の演技の木南晴夏演じる由衣夏に愛されるのもわかる。
陰の主役として煮付け、冷凍、煮付けと3登場する鯵がいい味を出している。
暗気…いや、儚気
半グレの手先で戸籍売買をしているタクヤと、その弟分のマモルが内輪のトラブルに巻き込まれる話。
「柿崎マモル」のパートで、神田川でじゃれるタクヤとマモルから、お仕事の様子をみせ始まって行く。
所謂そういう世界で生きてはいるけれど、愉しげな様子の2人と協力者の希沙良…と思っていたら、明日タクヤと会うなって?
どうも胡散臭さを匂わせつつも、ちょっと衝撃的な自体に陥って…。
「柿崎マモル」とほぼ同じ時系列をタクヤ視点からみせる「松本タクヤ」パートで答え合わせしてなるほどね…やっぱり胡散臭さ満載ですねあの男(´・ω・`)
そして「梶谷剣士」パートてその後をみせていき、まあもともとがろくでもないヤツらではあるものの、結構エグいしやり切れなさもあって良い感じ。
そのエグさの割には救われる様な感じもあったけれど…そこでマークX出すならもう一声欲しくなるし、それをみせないなら中途半端に出さなきゃ良いのに。
ということで、少々物足りないぐらいのラストに、更にモヤっとが追加されてしまった様な感じ。
面白かったんだけどな…。
興奮冷めやらぬ前に
原作を少しだけアレンジされていたけど
全く気にならないほどで、もう全編通して
前のめりになって引き込まれる引き込まれる。
綾野剛も北村匠海も最高の演技を見せてくれて
うまいのはわかっていたから、そこはいまは置いといて
本作一番の収穫、大発見、マモル役の
林裕太!!
あのオドオドした田舎者感、
タクヤを兄のように慕う姿、裏切られたと誤解した時の
絶望感、ラストの焦燥感。いい!!めちゃくちゃいい!!
そのほかはあとで追記
兄弟のような絆で結ばれた3人の男達の姿に胸が熱くなる
兄と弟のような絆で結ばれた3人の男のそれぞれに焦点を当てた、3部構成の物語なのだが、その主要な登場人物と時間軸が面白い。
第1部と第2部は、主人公(北村匠海)が殺されかけるところまでを、主人公の弟分(林裕太)の視点と主人公の視点から描いていて、「あれは、そういうことだったのか」という種明かしが楽しめるし、弟分が面倒事に巻き込まれないように配慮した主人公の思いやりのようなものも感じ取ることができる。
続く第3部は、第2部の結末を起点として、主人公の兄貴分(綾野剛)が、主人公を連れて、半グレ集団から逃げようとする様子が描かれるのだが、ここでのポイントは、兄貴分が、組織を裏切って逃亡することを決意する経緯だろう。
それは、主人公とその弟分との関係を、そのまま自分と主人公との関係に当てはめたからだろうし、弟分を助けようとしていた主人公と、主人公を売ろうとしていた自分とを重ね合わせたからでもあるだろう。兄貴分は、主人公が、実の弟を亡くしていることも知っているし、それがきっかけで、主人公を闇ビジネスに引き込んでしまったという負い目もあったに違いない。
こうした経緯が描かれているからこそ、兄貴分が、自らの命を危険に晒しても、主人公を助けようと決断する展開に納得できるのだし、兄弟のような絆で結ばれた彼らの姿に胸が熱くなるのだろう。
主要な登場人物である3人が、同じ画面に収まることは一度もなく、あくまでも一対一の関係であることも、兄貴分として振る舞う時と、弟分としての振る舞う時の、主人公のキャラクターの二重構造を際立たせていたように思う。
ラストは、一応、ハッピーエンドと考えてよいのだろうが、主人公があれだけ残酷な仕打ちを受けていたので、金歯が印象的な半グレのボスだけでなく、主人公を陥れたその手下にも、肉体的に痛い目に遭ってもらいたかったと思えてならない。
それから、まさかあの男が刑事だったとは思い付かなかったが、ラストは、刑期を終えて、真っ当な暮らしを送っている3人(+兄貴分の恋人)が、皆で食卓を囲んで鯖の味噌煮を突ついているシーンにして欲しかったと思ってしまった。
裏社会ノワールの傑作。役者が役にハマり過ぎてる幸福!!
釜山国際映画祭で、北村匠海、林裕太、綾野剛が最優秀俳優賞を
受けたとの報告が9月末にありました。
最優秀俳優賞‼️えっと思いましたが、
この映画を観た今日(10月24日)、
それがいかに正しいかが、心から納得出来たのです。
キャスティングが最高でした。
演じた3人の役へのアプローチが凄すぎる。
私には、配役が当て書きのように3人意外に考えらないほど
ハマり役でした。
ノワール映画の傑作。
映画は前半ちょっと取り止めがなく、ヤクザの下っ端の
マモル(林裕太)と、タクヤ(北村匠海)が、
戸籍売買の客に偽免許証を渡したりする様子が描かれたり、
タクヤがマモルとふざけてツルむ様子を3日間の時間経過がバラバラに
描かれます。
①がマモルの章
②がタクヤの章
③が梶谷剣士(ケンシ)の章
梶谷の綾野剛は前半殆ど出てこなくて、アレレと思ってましたが、
後半は梶谷無くしてこの映画は成立しません。
梶谷はタクヤを闇家業に誘い入れた先輩ヤクザです。
《不穏な出来事》
マモルが兄貴分からタクヤの部屋の掃除を命じられます。
おびただしい血痕の汚れた部屋。
不吉な予感は、想像を超える事件が‼️
そしてその結果、
梶谷とタクヤのロードムービーのように転換して行きます。
タクヤとマモルそして梶谷に生まれていた絆。
それは彼ら達が考える以上に強固な絆だったのです。
弟を病気で亡くしたタクヤのマモルへの想い。
ヤクザ家業から抜け出そうとしていたタクヤ。
それを知る梶谷。
梶谷もまたタクヤへの同情と愛とに、引き裂かれるのです。
とても不幸なストーリーではあります。
愚か者・・・というより、社会からつまはじきにされる
貧しい若者たちへの鎮魂歌。
タクヤの作る鯵の煮付けを食べるシーン。
家族で食卓を囲んだことの無いマモルの嬉しそうな顔。
鯵は、実にキーになるアイテムでしたね。
原作の西尾潤さん、
脚本の向井康介さん、
監督の永田琴さん、
この映画に流れるのは弱者への共感と慈しみだと思います。
(付け加えると、戸籍を売る男役の矢本悠馬さんが、
(珍しくシリアスな役でとて存在感を見せていました)
そしてマモルの弱々しく寄る辺がない姿・・・
・・・それでもマモルの人生は始まったばかり・・・
・・・どんな明日が待ち受けているのでしょう?
灰色は黒、黒から白へと。
戸籍売買をして生計を立てる松本タクヤと後輩・柿崎マモル、闇ビジネスを始める切っ掛けとなった兄貴的存在の梶谷剣士達に起こる話。
組織の男・佐藤から持ち掛けられた話に乗った事で始まる3人それぞれに起こる厄介な事をマモル、タクヤ、梶谷の順視点で見せてく。
本作を観て残ったのは「後輩思いの先輩」と「後輩へとる決断」ですかね。タクヤからマモル、梶谷からタクヤへと。
作品としては面白いけれどイヤな気持ち悪さみたいなものが終始あり、組織の面倒な沼へはまってく…、話を持ち掛けた奴の裏切り…、逃げたはいいがどうなる…?みたいな。
タクヤから見てマモルは後輩ではなく弟だったんでしょうね。鯵の煮魚を美味そうに食べる梶谷の言葉を聞いて「マモルにも食わせてえな」と言いながら涙するタクヤの姿には涙。
少し重たい空気の中で見せる本作だったけれど面白かった。
3人の生き様
きっと身近にあるのだろうけれど、交わることのない世界を目の前に突きつけられたように感じた。
前半では、タクヤとマモルが、それぞれに事情を抱えて、闇ビジネスに手を染める様が描かれる。
彼らに他に選択肢はなく、真っ当に生きる道は閉ざされている。印象的なのは、闇ビジネス以外の描写。ごく普通の若者として日々生きる姿が、逆に裏社会を身近なものに感じさせている。
後半では、タクヤと梶谷の逃走劇が展開する。
タクヤが両目を失い、そのことを知って慟哭するシーンは、苦しくて見ていられなかった。そして、それでもこの世界から抜け出せないことを悟っている姿も。梶谷は、タクヤよりも長くこの仕事をしている分、自分の無力さに自覚的であるように見えた。
そんな梶谷に、タクヤを救おう、一緒に逃げようと決意させたのは、タクヤのマモルへの思いを知ったことが一番大きかっただろう。
タクヤはマモルをこの世界に引き摺り込んだことに責任を感じていて、抜け出す時は一緒だと決意している。タクヤにビジネスを持ちかけた梶谷もまた、諦めて蓋をしてきたけれど、同じような気持ちを抱えていたと思う。梶谷の表情や動きの端々にそれを感じて、言葉にしなくても伝わるのがすごいなと思った。
マモルとタクヤ、タクヤと梶谷、それぞれが強い絆で結ばれていて、何もない3人が信じられる、唯一のものなのだと思う。
貧困やそれに付随する犯罪という重い背景はあるものの、ストーリー自体は息もつかせぬ展開で楽しめた。今日を必死に生きる3人の姿は、それぞれ違った見応えがある。
ただ、タクヤの両目は今後ずっと見えないわけだし、抜け出す代償として大きすぎる気がして、観終わった後も引きずってしまう、、
ネタバレなしで観た方が良い作品だけど、ちょっと衝撃的なシーンがあるので要注意かな
2025.10.24 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(130分、G)
原作は西尾潤の同名小説
闇ビジネスから抜け出そうとする若者を描いたスリラー映画
監督は永田琴
脚本は向井康介
物語の舞台は、東京の歌舞伎町
戸籍売買の仲介人をしているタクヤ(北村匠海)は、シェアハウス時代に知り合ったマモル(林裕太)とともに、女性を装ったラインを送り、パパ活にハマっている希沙良(山下美月)に繋ぐという仕事を行なってきた
借金まみれの人間から戸籍を買い、それを他人に売ることで中抜きをして、それを監視役の佐藤(嶺豪一)に上納する
佐藤は幹部のジョージ(田邊和也)にそれを渡すことで組織の一員として恩恵を受けていた
ある日のこと、佐藤から寝返った仲間がいることを聞いたタクヤは、佐藤の目論見を知ることになる
それは、裏切り者に責任を押し付けて、ジョージが溜め込んでいる金を奪うというものだった
物語は、「柿崎マモル」「松本タクヤ」「梶谷剣士(綾野剛)」という順番で展開され、それぞれが章立てのようになっている
佐藤の計画を知らないマモルの目線で彼らの日常を描き、タクヤの目線にてその経緯を描き、梶谷の視点にて顛末を描くという構成になっていた
序盤で危ない橋を渡っていたタクヤが突如あんなことになって、という展開になり、その全貌が描かれていくのだが、この語り口はうまい構成だと思う
映画は、ヤバい話に巻き込まれてしまったタクヤが何とか組織から抜け出そうとする展開を描き、可能な限りのインテリジェンスを発揮していく
佐藤の金庫番をしていたタクヤがトランクルームに罠を仕掛けるのだが、佐藤はその上を行くことになる
それは劇中で登場した中国人夫婦(顧暁東&わたなべやえこ)にまつわる顛末になっていて、その手伝いをさせられることになった梶谷がタクヤと絡んでいく流れになっていた
バックアップを取るのが彼らのやり口ということで、何重にも逃げ道を塞いでいくあたりがいやらしくもある
映画では、闇ビジネスは危険だよというメッセージも込められているが、それ以上に戸籍売買はヤバいよというメッセージもあったと思う
戸籍がなければ部屋も借りれず生活がままならないのだが、それはこれまで普通に生きてきた人では無理という話でもある
路上生活をするとか、訳ありの物件に住むなどの生活を余儀なくされるのだが、現金を溜め込めば何とかなる世界でもある
だが、2年で返ってくるというのが嘘であり、戸籍を売ったところで自分の過去は変わらないので、そこまで行く前に何とかするしかない
一歩、その道を行けば戻ることはできず、タクヤも梶谷も組織よりも大きなものの力によって、その生涯を潰えることに繋がっていく
映画では、とある顧客の正体が後半で判明するのだが、前半と後半の違いっぷりに驚かされるし、抜群のキャスティングだったと思った
やはり実力のある役者が評価されて重要な役を演じていくというのは長年銀幕を追いかけてきた報酬のようにも思える
いずれにせよ、結構衝撃的なシーンがあるのだが映倫区分は控えめなジャッジで、ファンの人とかビビってしまうように思えた
ロキソニンとムコダインで何とかなるとは思えないが、そこら辺はファンタジーで良いのだと思う
合法的に人生をやり直せるチャンスというのは探せば転がっているものなので、手元にあるスマホで何を調べて、どのように行動するのかはその人次第ということなのだろう
そう言った意味において、情報社会で生きていくための術を学んでおいた方が良いのかもしれません
じんわりと胸に落ちてくる。。。
ジワジワくる作品でした。
今回は北村匠海さんが、梶谷(綾野剛さん)からもらったものをそのままマモル(鈴木さん)にgive している。
と映画鑑賞前の舞台挨拶で仰っていたので、 【彼らの繋がり】をポイントに鑑賞しました。
歌舞伎町のあのキラキラとしたネオンは物理的には明るいのにどこか闇があり、その中で笑っているマモルとタクヤがどうにも切なく見える。
その光と闇の対比が不気味でリアルな感じがしました。
タクヤ、マモル、梶谷の3人のことを知れば知るほど彼らの繋がりがいかに互いを支えているかを思い知らされる。その繋がりはすぐに切れてしまいそうな細い糸のようだけど残念ながらそれこそが彼らの人生そのもので、それが一番大事な繋がりにも見えるし、それしかないからそこにしがみついているように見える。
この繋がりは彼らにとってとても繊細で奇跡のようなものなのだろうなと感じました。
製作陣が作品を通して写した世界はおそらく存在していてそんな人生を生きている人たちがいるというのも鑑賞中に思い起こされました。実際の歌舞伎での撮影のため、役者陣もこの闇で実際に生きる人々も目の当たりにしていると思います。
結果、ただの悪足掻きに終わるかも知れないけれど、どうか1日でも長く、この少しの笑顔が続けばいいなと思います。
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