愚か者の身分のレビュー・感想・評価
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環境が愚か者をつくるのかもしれないけれど
林裕太さんの弟感、舎弟っぷりがとてもよかった。
正直なところ、綾野さんには最後まで情に流されずたんたんと仕事をこなす、クズのなかのクズでいてほしかった気もする。
あれだけ出血して医者にみせてもいない北村さんが生きのびることって可能なのか?とは思いました。
こうするしかなかった、と環境のせいにしたい気持ちもわかる。でも、そちら側にいかなくてもすむ道だってきっとあったのではないか、とおもってしまう。
マモルはあのあとどうするんだろうな。
山下美月さんがあのあとなにごともなく無事だったかどうかだけ教えてください・・・
(半グレにひどいめにあわされていないかずっと心配しています)
アジが美味しそうだった。
昔は「君の膵臓を食べたい」の主人公「僕」とか「勝手にふるえてろ」の「イチ」、最近だと朝ドラ「あんぱん」でやないたかし役などで出ていた北村匠海くんが主人公で、
脚本が、最近見た映画(例えば「リンダリンダリンダ」や「平場の月」)でも脚本をやっている向井康介さんで
そのうち行こうと思っていた「あつぎのえいがかんkiki」でちょうどいい時間にやっていたので、観に行った。
残念な過去があって、たまたま闇ビジネスの世界にクビを突っ込んでしまった、タクヤ(=北村匠海)とマモル(=林裕太)。闇の中で必死でもがいて、友情をはぐくみながら生きているが、ついに闇から抜け出そうと奮戦した3日間を描いている。山下美月演じるパパ活女子の希沙良がかわいくて、「あれなら自分も生活に困ってたら騙されるかも」と思ったのはここだけの話。
闇ビジネスのボス ジョージの金歯がゴージャスで空恐ろしかった。
運び屋梶谷がうまくて、最初誰が演じてるのかわからなかったが、綾野剛が演じてた。最後の方で、梶谷が角膜提供のために目を負傷したタクヤの髪を丁寧に洗ってあげるところが良かった。梶谷が勧誘してタクヤをこの世界に誘ってしまったというある種の後悔もあったことだろう。でもあれで血みどろだったタクヤが浄化された。
「精一杯いきる」というのがテーマらしく、タクヤがちゃんとアジをさばき、マモルにふるまってて美味しそうだった(まさか冷凍したアジの中に、あれが隠されていたとは思わなかった)。
「あつぎのえいがかんkiki」は初めて行ったが、面白そうな映画が控えていた。
特に台湾で話題を呼んだ「ひとつの机、ふたつの制服」をそろそろやるし、また観に行こう。
半グレのボスの人が最高!!
予告で見た感じ大好物すぎる内容だったので見に行きました。
やはり皆さん書いているように目を抉り取られているシーンがとても衝撃的であのシーンの前あたりで少し眠りかけていましたがあのグロシーンを見て一気に眠気が飛びそこからはずっと釘付けでした!
特に良かったのはあの半グレのボス的な人、めちゃくちゃ存在感がありボス感も最高でしたね!めちゃくちゃ強いのも納得な体つきでしたし。
あの坊主のハメようと話持ちかけてきたチンピラもいい感じのクズっぷりでした。
そしてなんといってもまたまた登場の松浦祐也さん!今作でも最高の存在感ある役で登場してます。
最近何の作品でもちょくちょく登場してて、いつも最高の演技をしてくれますね。
今作では最初ただのちょい役だと思ってたら終盤でのあの展開にはテンションが上がりました!
あとはやはり綾野剛はやっぱり相変わらずこういう役やらせたら最高ですね!
とにかく最高の作品なのでアウトロー、半グレ的なものが好きな人はぜひ見てみてください!
結果 良い人
北村匠海くん、綾野剛さん2人の共演だから観に行った。なかなか厳しい裏社会の闇。怖い世界だわー(・o・;)どこまで信用していいのかわからない
(・o・;)追われて簡単に引き渡す、はずもなく、結果的に2人共、良い人だったんだなーと。怖すぎてあんな大金もらってもいつかまた追われるような気がしてしまう。入浴シーン、綾野剛さんがセクシーすぎて(•ө•)♡ヤバい!
タイトルなし(ネタバレ)
ずっと見たくて映画館でやっと見ました🎬
歌舞伎町の映画館で見たので、なんかリアルだった
みんなの演技がうますぎるのと、
本当に考えさせられる話で
胸が痛くなりました🥲
たくやの境遇だと仕方ないなって
思うことばかりでしょうがないのかなと思った
本当は心優しい子なのになって(;;)
tuki.の主題歌の歌詞もしみて、
本当に良かった🥲
現実の若者にこそ見て欲しい作品。表現手法も見事。
戸籍ビジネスに関わる半グレ組織の若者とその先輩がトラブルに巻き込まれ、凄惨な結末を迎えるストーリーかと思えるが、次は先輩視点に代わり最初のストーリーでは見えてこなかったピースが次々とはまっていく。
更に視点が代わるオムニバス的な形式がストーリーの緊迫感によくマッチしており見事。
絶体絶命のタクヤに残された人間性は更に梶谷をも動かし、最初の章を見ただけでは思いもよらぬ結末へと繋がっていく。一時期よく報道されていた闇バイト等に手を染めてしまった若者たちも本映画には何か思うところはあるのではないか。
一部グロ描写はあるが概ねこの手の映画を見に来る層なら予想はつくか。
全体的にうまくまとまっており、非常に良作であった。
いわば次世代の邦画
ヤクザ映画というとややズレそうだったので、邦画。だけど、そっち系統の邦画。グローバなジャンルでいうとノワール系と言うのかな。その次の世代というか、進化系のように思えた。
まずは俳優陣。主演の3人は受賞も納得の演技。日本映画は人材豊富だなと感じる。
あとは、この映画は構成が面白く、3人の視点の回想の繰り返し、伏線と回収を繰り返すのが面白かった。まったく新しい手法というわけでもないけど、本作にはぴったりだった。おそらくそれ故か、登場人物が良い意味で少ない。
ちょっとグロくて痛いシーンもあるので刺激は強いけども、たまにこういう痛い映画を時々観たくなる性分なので、ちょうどその時期でもあったので、満足度がたかかった。
ラストはやや余白を残した形だが、主人公たちの先行きが幸多きものであることを、願わずにいられなった。見方を変えればメメントモリのような。自分たちの日常の隣にある世界でもある。もしかしたら自分や周辺の人たちが踏み入れてしまうかもしれない。
そんな祈りのような心境が残った。
愚か者だけど幸せを願わずにいられない
愚か者だけど、憎めない3人。
難病の弟を救うために戸籍を売ったタクヤ(北村匠海)、親に捨てられ血の繋がらない兄達から暴力を受け続けたマモル(林裕太)。この2人の兄弟のような繋がりが、寒々しい暴力と犯罪の世界で、ほんのりと温かい。そんな2人がどうなるのか目が離せない前半。そして、タクヤは殺されたんだと絶望する一幕目。
タクヤが生きており、マモルを思うタクヤを見て、自分もタクヤを引き入れてしまったと兄貴の気持ちが込み上げてくる梶谷(綾野剛)がタクヤを連れて逃げる終盤は逃げてー、逃げてーと祈るような気持ちで見入ってしまった。
愚かだし、彼らは加害者ではあるけれど、環境や世の中の被害者でもあり、彼らの幸せを願わずにいられない。タクヤが作る煮魚を幸せそうに食べるタクヤとマモル、タクヤと梶谷の姿に涙する。
あんぱんの柳井嵩とは別人の暗い目をした北村匠海、うわー、こういう子いるよね!と思わせる自然な演技の林裕太、凄みと良い人感(特に木南晴夏と話してる時の嬉しそうな様子!)のブレンドが流石な綾野剛。主役の3人の演技と関係性がとても良い。
そして、大好きな俳優さんの矢本悠馬、声だけで和んでしまう木南晴夏が脇を固めており、得した気分。
ムビチケを買っていたのに、評価も高いのに3週間しか上映せず今日でほぼ終演ということで、いつも行かない映画館まで脚を伸ばしたけれど、行って良かった!!
とても切ない気持ちと彼らに希望と未来あれと思う気持ちがないまぜになった、心を揺さぶられる良い映画でした!
愚か者
ポスターのシーン、無いのね。ならば、タクヤとマモルが二人でいて、綾野剛の 演じる梶谷は別の場所にいて欲しかった。
タクヤとマモルの食事のシーン、マモルのご飯の食べ方、手を上げられて身構えてその腕に見える火傷の跡、と細やかな演出は良かったけど、全体的にヒヤヒヤしっぱなしでメリハリが欲しかった。
タクヤの車中のあの血だらけシーンはやり過ぎ。もっと他の見せ方があったでしょうに。それならもっと梶谷の過去を見せて欲しかった。
タクヤはそしてああなったのに結構すんなりと受け入れ過ぎてる気がして物足りない。もっと騒ぐんじゃ無いの?
ポスターの三人いるシーンがあるのかと、期待しちゃった。
三人とも笑顔で、そんなシーン全く無いのね。
せめて三人の幸せを噛み締めたかった。
聖者の犠牲のうえに成立する祈り
あまり複雑なお話しではないが、緩急の付け方がよくて最後まで一気に見てしまう作品だった。
前半は半グレ集団の下っ端でうだつの上がらない生活をしている若者が描かれる。「何かもっと面白いこと起こらないの?」という観客の不満をくすぶらせるのが上手い。その分、後半の破局は「うわわわ、こんなことまで望んでないよ」と目をそむけたくなった。
そもそも半グレのカモにされる冴えない男性たちと、彼らを騙す若者たちのどっちがマシなのか。新入りのマモルを見ていると「もっと手際よくやれないのか」という思いが募るが、犯罪の先には集団の上下関係にがんじがらめになり、抜けられない未来も見える。
どちらにせよこのままでは危ない。「運命の日」の前、マモルに向き合ったタクヤ(北村匠海さん)の空虚な目は何を見て、何を選ぼうとしているのか。その先に待っていたのは、「死んだ魚の目」という比喩を通り越し、人間ながら魚のように扱われる末路だった。
わからなかったのは、タクヤがそれほど危ない橋を渡ろうとした動機である(マモルたちに大金を残す、というだけでは弱い)。リスクを感じていたはずなのに、なぜ上司役の罠にはまったのか、そして無警戒のまま自宅に戻ったのか。
タクヤのメールで事後的に意図が告白されるところは拍子抜け。スマホの時代にも「君が今この文を読んでいるころ、俺は…」っていうやり方があるのね。
ただ、タクヤを「動機なき受難者」として描くことこそ映画の真意だったのかもしれない。「映画の中で何かが起こってほしい」という観客の欲望を一手に引き受ける形で、タクヤは聖者のような位置に押し上げられる。
後半は、犠牲者となったタクヤ、それを目撃したマモル、梶谷、希沙良にも、「ごめんなさい、少しでも幸せになってください」と祈らずにいられない。
煮魚を食べる、牛乳を買う。そんな日常すら応援したくなる。大げさかもしれないが、私たちの代わりに罪を背負った人への贖罪の気持ちだ。
そのぐらい絶対的な存在を描かなければ、この世界の底辺には光が当たらないということなのだろうか。それを描こうとする映画の深い絶望と意志を感じた。(*加筆修正しました)
どうすれば良かったのか
丁寧なのだが、前半の3人の解説パートが長すぎる。重複が多くて正直飽きてしまった。もう少しうまく編集したらよかったのに。
最後までこの調子だと見るのがちょっと辛い、と思い始めたら、目をえぐられたタクヤ(グロすぎ!)を梶谷が運ぶ話になり、以降は違う映画かと思うくらいの急展開。
タクヤもマモルも他人の一生を奪うような極悪犯罪で生計を立てているので気の毒と思うのは筋が違うかもが、劣悪な環境で育ってきて、無知で、戸籍まで売ってしまった二人がまともな衣食住と何らかの仕事を得るには、犯罪界隈で生きていくしかない。そしてシビアなツケも払わされることになる。
人を食い物にした挙句自分も食われる、そういう愚か者になるしかない身分として、生まれた時点で固定されたようです。
彼らは、どうしたら良かったんだろう。どうすることができたか。
簡単に戸籍を売ってしまう人がいるのは事実らしい。
せっぱつまったにせよ、甘言に乗せられたにせよ、戸籍をなくしたらどんなことになるのか想像できないタクヤやマモルや江川(谷口?)みたいな人々は存在する。
食い物にされる人たちの多くは、「無知」に付け込まれている気がする。
食い物にする方が悪いのは当然だが、まともに教育を受けられなかった人たちが犠牲になりやすくないか。
無知な上に無防備、コドモなマモルの言葉の端々や仕草から、親の虐待と悲惨な生活が見えて、たった一人の肉親(多分)である弟を失っているタクヤは、マモルに弟を見たよう。面倒を見てやり、おばあちゃん仕込みの鯵の煮つけを見事に作ってあげて一緒に食べる。
山盛りの白いご飯と一緒に「こんなにうまいもの初めて食べた」ともりもり食べるマモルが微笑ましくも鼻の奥がツンとしました。
この映画は、温かい家庭と縁がない3人の男たちが、束の間、「温かい兄弟」を手に入れた話でもあったと思う。
あるときは兄となり、ある時は弟、親子とも違う、かばったりかばわれたり一緒に遊んだりして築く横の関係を、3人は無意識に求めて手に入れたんだと思う。そのあたりを、臭くならずにさらっと描いているのがとても良い。
タクヤを連れて神戸に身をひそめる梶谷にタクヤが作るのはやはり「鯵の煮付け」。
大変美味しそうです。心の底で焦がれている「家庭」の味が、最高の調味料なのでしょう。お味噌汁もつけたいね。
梶谷の関西弁の彼女ユイカが温かく世話焼きで、声を聴くとほっとした。
神戸のママも良い人のようだし、梶谷は働き者だし「弟」のタクヤ君の面倒をよく見て、兄弟の温かみを味わっていたよう。総金歯のジョージの半ぐれ一味も逮捕されたのでこれで安全かと思いきや、すでに警察の手が回って逮捕寸前とは。でもまあ、逮捕されて国に面倒見てもらった方が良かったんじゃないか。戸籍のない状態(自分の戸籍を証明できない状態)は、騙されてそうなったので何らかの救済はないんだろうか。半グレは全国組織ではないようで、都会を離れたら力がない模様、マモルはなんとか逃げ切ったようだし(さびしそうだけど)私にはそこそこのハッピーエンドに思えました。(彼らに食い物にされた被害者は救われておらずではあるのですが。。)
タクヤにしても梶谷にしても、他人を騙して二束三文で戸籍を買い叩いてその人の人生を奪った罪悪感を持っていて、タクヤ以外、江川以外の被害者のことは考えていないにせよ、償いをしたところにわずかに救われた。
やたらに強いマンガみたいな総金歯の半グレのアタマ、ジョージがチョー怖かった、ガタイ、超合金なの?
主演の3人がとても良くて、ずっと見ていてもいいくらい。
林裕太くん、今まで知らなかったけどコドモのまんま、野良猫みたいな無邪気さが痛ましいような弟分が素晴らしい。この映画の主役は実はマモルかも。
ちょっと困ったように見える綾野剛の笑顔は、人懐っこく愛情を感じる笑顔でたまりません。
そして、光と闇と、雑多な人間模様がないまぜに存在する新宿という街があっての映画だったと思う。現地のロケが効いており、つるんで闊歩するタクヤとマモルが生き生きと映えていた。
どんな者でも拒まず、それなりに幸せに生きることが許される懐の深いところ、そして冷たく突き放し、手を差し伸べてはくれないところ。
3人が幸せな気分を味わい、どん底に落とされた、新宿の街を、助演に加えたいです。
現代の支えのない社会を問う社会派、そして友情映画
主人公のタクヤは一番大切な弟の命を守るために手術費を戸籍売買という稼ぐため闇ビジネスを一度やる。その1回だけのつもりが、それをきっかけに抜けられない状態になり、むしろどんどん深く入り込んでしまいました。そこに中卒で家を出てきた無一文のマモルと出会い、マモルにも稼げる仕事があると紹介し、そしてマモル自身も段々と入り込んでしまう。タクヤ自身も先輩から闇ビジネスを紹介してもらうという構造で始まる。立場のほとんどない若者達がいかに無力に犠牲になっていくかが描かれていました。暴力シーンが多かったり、救われない描写があったえいとつらいシーンが少なくなかったですが、タクヤやマモル、そしてタクヤとタクヤの先輩との友情は心に熱くくるものがありました。この映画を見ていて困っている人をその人自身に負わせずに公的にも社会として支えていく仕組みが必須だなと感じました。心残る素晴らしい映画でした。
「お前も一緒に来い」は恐い
劇中のセリフ「お前も一緒に来い」というワードは、本当に怖いです。言われて断れず、ついて行ったが最後、見なくていいことを見て、聞かなくていいことを聞いて、最後はやりたくないことをやらされる羽目になる。そしてやり終わった後に「また連絡する」と告げられ、逃げられなくなる。これって闇ビジネスだけじゃなく、真っ当な会社でも同じ流れがありますね。立場の弱い人間は、流れの前は断りにくく、流れた後は逃げられない。これに(金がもっと欲しい)という心理状態が加われば、たちまち「闇はあなたのすぐそばに」です。
この映画を観に行くのは少しためらいました。どうしようもなくキツくてリアルな話だったら、嫌な気持ちしか残らないのではと。ところが、闇の世界の末端者タクヤ(演:北村匠海)とマモル(演:林裕太)の、闇バイトしながらも、魚の煮つけを作って食べたり、飲んでヤンチャに遊んだりと、都会で暮らす若者となんら変わらない姿が描かれ、更にタクヤの過去経緯や二人の出会いがバランス良く回想されていく演出に、短い時間で一気に二人を応援…とは言えませんが、親近感が湧きます。中盤以降は怖い世界(目玉を抜かれて脳感染死しないのでしょうか?)に陥っていきますが、おそらく由衣夏(演:木南晴夏)のパック牛乳な存在が闇を抜け出すきっかけとなった梶谷(演:綾野剛)も含め、最後に三人が見せた「善」と「兄弟愛」に心は熱くなり、ビビらずに観に行って良かったです。
ラストに悪組織の検挙と、オトリ捜査だったのかと思わせる(ですよね?)轟の再登場でタクヤと梶田は捕まるのかもしれませんが、闇を抜け出せそうで良かったなと。マモルはホントにかわいい弟分でした。林裕太さんの絶妙な演技に拍手です。
鯵の煮付け
爆弾→愚か者の身分でハシゴして見た
爆弾で問われてた、命の価値、人の平等とは?の嫌な答えをまじまじと見せつけられた
命の価値に違いがあってはならないと思うけど結局社会では、お金や立場次第で命の価値が変わってしまう。そんな現実を感じさせられた
私は逃走劇結構好きだからハマった
3人の視点で進んでいくのも面白かった
マモル→タクヤ→梶谷
前情報何もなしで見て、想像以上にグロくて重くてドキドキで見終わった後しんどっっって
でも終わり方は明るい終わりで、あなた達のこれからが平和で幸せなものでありますようにと祈るばかり
最後にこそっと…目取られた後のタクヤ可哀想と思いながらも結構癖に刺さる
新宿歌舞伎町でのロケシーンが素晴らしい。マモル役の林裕太が、無茶苦茶いい。 多分、今年の助演男優賞を総ナメすると思う。
評判がとてもいいので気になり、見てきました。
悪くはないんだけど…。
いい点は、何点かある。
まず、シナリオがいい。3人の登場人物ごとに描くことで、立体的な深みが出た。
今年の脚色賞は、「国宝」かこのシナリオだと思う。(日本はオリジナルと脚色を分けていないが、今年、原作ものをうまく脚色したのは、この2作だと思う)
新宿歌舞伎町でのロケシーンが素晴らしい。
松本タクヤ(北村匠海)と柿崎マモル(林裕太)つるんで歩いているシーンが、生き生きとしていた。やはり実際の場所での演技、映像は、臨場感があり、とても魅力的な映像になる。
役者では、柿崎マモル役の林裕太が、無茶苦茶いい。
リアルで切なくて、可愛さがある。多分、今年の助演男優賞を総ナメすると思う。(彼を見ているだけで泣けてくる)
北村匠海は細かい演技で、セリフで語らない微妙なところを表情でうまく表していた。綾野剛は、どことなく面倒臭そうな表情をしながら、助けるところなど相変わらず良かったし。
女優陣も山下美月が出番は少ないけど良かった。木南晴夏が可愛いくてあったかい関西女を演じていた。彼女も出番はほとんどないが、電話の声が良くて、これも泣かせる。
擬闘(アクションシーン)も痛そうな演出で良かった。(話は違うが、「国宝」の擬闘は酷かった。なんでそこを手を抜くかと思うぐらい)
初めて見た監督(永田琴)だが、映像で端的に表すのが上手い監督だと思った。
北村匠海(松本タクヤ)と柿崎マモル(林裕太)は、疑似兄弟的な関係で、いつもつるんでいる。で、柿崎マモルは虐待の過去があることがそぶりでわかる。そのそぶりがまるで野良猫のよう。セリフでなく、映像で語ろうと意識した演出で、好感が持てる。あの新宿歌舞伎町の躍動感のある映像は、そんなところがうまく出たと思う。
ただこの監督は、テレビドラマ的な演出で、ある意味平坦な、あまり深みがないように感じる。
それに映画全体のチープ感が気になる。設定自体のチープさではなく、撮り方や制作上のチープ感というか。新宿のロケ以外は、あまり臨場感がなく、テレビドラマかVシネマのような平板さを感じた。演出力の不足なのかもしれないが、節約感が画面から出ている気がする。
ラスト近くの北村匠海と綾野剛との鯵の煮付けのシーンもこの映画の肝のシーンなのに、なんであそこでカットを割るのかわからない。もっとじっくりと撮れば、素晴らしいシーンになったと思う。
ただ、ラストシーンのマモル(林裕太)の表情で唐突に終わる演出は、キレが良く、結果的に素晴らしい余韻になった。
あのラストは、マモルが、何千万の金より、パチンコで儲けた2万円でタクヤに焼肉を奢った頃が一番幸せだったと言っているように感じた。
期待しただけに、辛口になったが、とても切ないいい映画でした。
愚か者とは誰だ?
タクヤは悪党として登場するが、次第に人間味を見せ、いいやつとして描かれる。
タクヤは病気の弟を助けるために自分の戸籍を売って金を作る。
マモルに亡くなった弟の影をみて、なにくれとなく世話をする。
やばい案件に巻き込まれて金を得たうえでマモルを逃がそうとする。
梶谷も善意にあふれている。
タクヤもマモルも梶谷も善性の人たちが犯罪に手を染めている。
善なるものが貧しさの故に悪に染まり、抜け出せなくなる。
闇ビジネスに取り込まれてしまう若者たちを私たちは「愚か者」として扱ってきた。
頭が良ければ、そのような悪の道に入らずに済んだのだろうか?
タクヤもマモルも公的なものに頼る気配はない。
比べて、ジョージや貝塚は腐りきった外道だ。中国人の老夫婦も同じようなものだ。
タクヤたちとジョージたちの違いは何なのだろう。
タクヤは両目をえぐられて、それを受け入れている。
常人にとってはこれ以上の不幸は無いように思えるが、その受容の裏に深い絶望があるとしたら恐ろしい話だ。
しかし、私はタクヤもマモルも逃げきったと思いたい。
でもそんなはずはないよね。
弾劾すべきは若者を見捨てる世間なのかもしれないが、それを背景としつつ、この映画に若者たちへの優しい眼差しを感じずにはいられない。
監督は永井琴。なるほど女性監督。
さまざまな伏線が次々と回収される。お見事。
すごかった
闇バイトで悲惨なことになる。まさかそうならないだろうと思っていた以上にひどくてびっくりした。どうせ日本映画だからそこそこのぬるさだろうと舐めていたらすごかった。
両目をえぐられた主人公が「目隠しを外してください」というのがリアルで怖い。せめて片目にしてくれよと思う。綾野剛は大阪でずっと主人公の面倒を見て生活していくのだろうか。
気になったのは車に仕掛けられたGPSが赤いランプが点滅していて、今時そんなのあるか? 普通のエアタグなどではiPhoneじゃないと発見できないからしかたなくそうしたのかもしれないけど、 だったらiPhone使って欲しい。
中々きついけど面白い話
北村匠海の最近作の「悪い夏」では生活保護担当の市役所職員役で辛い境遇の市民に対応する側で、今回は様々な境遇でハングレにならざるを得なかった若者側でとんでもない目に合う側で、演じていて感情移入してしまうと辛いだろうなと、役者仕事は大変だなと思った。3人の主人公の各々のパートに分かれ、同じシーンをそれぞれの立場で観客が追体験できるのがすごかった。ハードで救いのないシチュエーションなのだが、視聴後の突き抜けた感じは爽快でもあった。何か、ショーシャンクの空に、の視聴後感と同じようなものを感じた。この三連休で「火の華」「爆弾」と本作と連日観て、いずれも当たりだった。個人的には、このサイトで4点以上のものは、安定してはずれなしという実感がある。
切ない青春
青春を謳歌できる、それがかなわない若者と現代の闇、誰が悪い、社会が悪いなんて言うつもりもない、いつの時代にも家庭の温もりや小さな幸福とは縁のない若者はいた。ただ今の日本の現実は、しっかりと刻んでおいた方がいい。
搾取される若者
搾取する側とされる側
なぜにこうも現実は、弱者に厳しいのか。
家庭的に恵まれなかった若者
いつの時代にもあるけど
経済が停滞し、景気のいい話が出てこない昨今
タクヤとマモルのような境遇も現実感がある。
5人兄弟の末っ子、貧しい家庭を捨てて都会でもがくマモル。
貧困ビジネスの安宿でタクヤと出会い、闇バイトの世界に。
稼いだお金で、2人で新宿を遊び歩く場面が秀逸だ。
ああ、この2人は味わうことのできなかった、青春を楽しんでるんだな。
そんな姿が、切なく見えてしまう。
今まで、こんなに楽しい時間を過ごしたことがなかったんだろうな。
昔から不遇な若者はいた
私の生まれ育った、昭和の時代にも家出少年は沢山いた。
今より多かったかもしれない。
子供の絶対数が多かったから。
昭和から平成にかけて、日本は景気がよかった。
あの頃家出少年の働く場所は、いわゆる住み込みの仕事。
そんな募集が、多かったです。
中小企業や個人商店がかなりあったし。
そんな企業や、商店の労働力として重宝されていた時代。
ただ、身分証とかどうなのかな、保険証だって必要だし。
その辺りをクリアあるいは、グレイにしても雇ってくれるところはあった。
何年か勤めて、次を探すなり、あるいは雇主が保証人になってくれてアパートを借りたり。
まだ、方法はいくつもあった。
だが現代は、アプリでその日の仕事を探して、ネットカフェで寝泊まり。
あまりにも不安定だ。
誰とも深く関らず、1人で生きてゆく。
そんな孤独な時代だと言うこと。
映画は、前半は都会の孤独。
そこでもがく若者の姿。
よく描けていると感心する。
だけど、後半はやや安直に物語に収めようという感がする。
闇バイトに関って、そのお金を持ち逃げした者がその後逃げ切れるとも思えない。
悲しい現実を想像してしまう。
タクヤが作るアジの煮付けが象徴的だ。
彼らの生活に、おおよそそぐわない丁寧なおかず。
そんな安心できる、家庭環境があったら、彼らのように路頭には迷わない。
若者は、安心できる場所があって初めて旅立てる。
またいつでも戻れる場所。
それがかなわない多くの少年少女が、歌舞伎町にたむろする現実。
家庭や家族、安心できる場所。
そんな環境の大事さをこの映画は、突き刺してくる。
全81件中、1~20件目を表示










