愚か者の身分のレビュー・感想・評価
全37件中、1~20件目を表示
最高なキャスティング
綾野剛さんファンとして鑑賞。
なかなか出演してこなくて痺れをきらして時計を見てしまうが、作品の構成が飽きさせる事なく最後は今後の一人一人の人生を追っかけてみたくなりました。
しかし、まさかのグロテスク描写(眼球くり抜き!怖っ!)
グロテスク苦手で全くグロ耐性ない私には無理なシーンが多かったと言う単純な理由で
星★★★★4
越権
北村匠海と綾野剛なので、内容関係なく鑑賞。
まずマモルの章で大まかな状況を見せる。
バカで愛される後輩感はいいけど、釘刺されたそばから知りたがり過ぎ。
会う予定あるのに「会うな」と言われたら、家に来られるの予想して外に出るだろ。
でも、彼はバカだからよかったんだよな。
同時間軸のタクヤの章では彼の事情や、マモルの分の身分証もつくってたことなどが明かされる。
少し見え方が変わったところで、衝撃の展開。
某アメリカ映画のように3回目だとしつこいか、と思ったら、梶谷の章は“先”の話で安心。
死体でも臓器って活かせるのか?…と思ったら生きてんのかい!
あの状態であそこまで喋れるかとかは分からないが、それ以外はご都合展開は少なめ。
予備含めたGPSの件など、思ったことは大体潰してくれるし、格闘も撃退も現実的。
(巨漢が弱かったのは意外だったが。笑)
タクヤが戸籍を売った金が葬式代になり、引きの画になって参列者ゼロと分かるのが辛い。
梶谷とタクヤの関係性が描かれてないのは少し残念。
マモルは全額持ち逃げもできたのに、馬鹿正直に谷口に金を届ける。
しかし、そんなヤツだからタクヤは抜けさせたかったし、何より救われてたのだろう。
芝居はみんなよかったが、複雑な感情を表現した綾野剛と、鼻の穴でまで演技した北村匠海が抜群。
明るい役で気づかなかったが、木南晴夏も。
最後に警察(序盤のはオトリ捜査?)を出しといて何もないので、モヤモヤ感は残る。
ED曲は悪くないのだろうけど…内容の重さには釣り合ってなかったのでインストの方がよかった。
ゆき島、仕事辞めたってよ
で、仏行きます。さよならジャパン!
(oasisが日本に来るというこのタイミングで、
なぜにアタシは仏に。。
爆泣き( ;∀;)
あ。ゆき島、仕事辞めました(°▽°)
心配して下さった方々
お騒がせ致しましたm(__)m
色々ありがとうございましたm(__)m
11月からはバイト始めます。
闇。じゃないバイトです。
あ。日本でデス。
(安心して下さい。
戸籍の売り買いはしませんよ🩲)
はいこれ、公開初日に観たくて仏行く日、
朝イチの回で観ました。
ああああーーorz
分かっていたけど落ち込みますね。。
こういう"闇"の世界に足を踏み入れてしまう若者を描く時って、家庭環境が最悪だったり毒親持ちだったりと、ど〜しても"その"設定になりがちで、本作の3人も然り。
すぐにイコール=半グレにして欲しくないっていうか。。
(つか、半グレって言い方も嫌いデス)
個人的にその設定が正直言うとあまりノレないのだけれど、だって、しんどい環境でも立派に生きている人の方が大半だと思うから。
でも悲しいかな絶対的に、育った環境によってそっちに傾く割合が増す事は理解するし、
自分を大切に思えないと簡単にスッと堕ちてしまうんだと思う。
私も若い頃、やんちゃの境目、ソッチに行ったらヤバいぞ!って時頭の中に浮かんだのは
"親"だったし、親が悲しむ事だけはしたら
ダメだってストップかけられた。
(あ。そんなにヤヴァい事じゃないですよw)
だけどそのストッパー、親の愛を知らなければ?
簡単に転げ落ちてしまうのかもしれない。
この言い方も嫌いですが"闇堕ち"しちゃう若者って、親の愛を知らない子が多いのかな〜と思うと哀しくなりますね。
自分を大切に思えないなんてとても不幸な事です。
で、うん。
本作は残酷な境遇で育ったタクヤとマモル、
2人にとってのキーパーソンとなる梶谷にフォーカスしたお話しなんだとして自然に観れましたけど。。
何かイチャモンみたいですませんm(__)m
(恋愛・死別とか、毒親・子闇堕ちとかこの
セットが好きじゃないだけですm(__)m)
弟の手術費用を工面する為に自分の戸籍を売ったタクヤ。
しかし弟は亡くなってしまい、自らの存在意義までも失ってしまうタクヤ。
それからはSNS詐欺で金を稼ぐようになる。
そんなタクヤが母親に捨てられたマモルと
出会う。
マモルを亡くなった弟に重ねたのだろう。
可愛いがり世話を焼く様になる。
「金が貯まったら俺はここから出る。
お前も一緒に来るか?」
こんな所にいてたまるか!
自分で自由に生きるんだ!
そんな心の声も聞こえて来そうな雰囲気だったし、一見前向きに見える発言だけど、結局は闇社会に身を沈める事を意味していたのが残念で堪らなかった。
この時の2人にはこれが最善の選択で、いつでも抜け出せると簡単に考えていたのだろうか。
同じ境遇の2人にしか分からない、強い絆で結ばれた彼らだったが故に結果、タクヤの優しさがマモルを闇バイト(この言い方も嫌い)
に引き入れてしまうという皮肉。
(まぁあそこに行き着いた時点で時間の問題なのだが。。)
そしてタクヤにも、兄の様に信頼している
梶谷という男がいる。
梶谷は裏社会の運び屋を生業としているいるのだが、タクヤも又、この梶谷に誘われてこの道に足を踏み入れていたという皮肉。
もうね。辛いしかないですわ。
救いようが無いのです。
負の連鎖のお見本の様です。
選択肢が無い。想像力が無い。
無知って罪だし無知を恨むわ。
世間からこぼれてしまいそうな若者達にとって、私達大人は何も出来ない無力な存在なのか。
少しズレるかもしれないが、子を持った今だからより、ここに来るまでに食い止められなかった事が悔しくて堪らなくなった。
いっそ3人が皆、完全な"クズ"であったなら逆に、こんなに辛い思いをする事もなかったのに!と矛盾する感情が湧き上がる。
そして同時に彼らへの怒りの感情も生まれた。
酒を呑み酔ってはしゃいで楽しそうな2人の姿は、年相応で普通の若者の姿と何も変わらない。。事への嫌悪感。
人を騙して多額の金を手に入れているにも関わらず、罪悪感は薄そうで、事の重大さを理解していない事に腹が立つ。
犯罪者である事は間違いないのだ。
そんな3人の友情や彼らの優しさを見せられてどう感じればよいのか!泣
本来は憎むべき存在のはずの彼ら。
「罪を憎んで人を憎まず」って事なのか。。
孔子か!
いや、大人が弱い立場の若者を騙し搾取する事は許せませんo(`ω´ )o
ただ、3人が選んだ選択は、彼らなりの愛の表現だった事は確かだった。
「生まれ変わるんだ」
もがき苦しみ血を流している彼らを
私達は。見た。
絶対に肯定してはならない彼らに対して共感してしまう違和感を感じたまま、橋の上から川を見つめるマモルの気持ちを考えている。。
3人を違う世界で出会わせてあげたかったな泣
巧い演出、脚本、構成。
どのシーンもぴったり合った画の切り取り方をしているし、小道具も効いていた。
エンディング曲も世界観をうまく掬っていたと思う。
ストーリーも客観的で冷静さもあり、お涙頂戴にも説教臭くもなってはおらず、このテーマの割に受け入れやすい。
痛烈なメッセージもぶつけられました。
3人を全て受け入れる懐の深さを感じた作品だったが、女性監督だったとは!
大きな愛に包まれていた作品だと思いました。
母性ですかね。
(「バッド・ランズ」(姉弟)の兄弟verみたいな感じもしつつ。。)
実際問題としては、あんなに乱暴なやり方で眼球を取り出したら移植はまず出来ませんし、市販の鎮痛剤ごときで痛みが無くなる訳がなく(タクヤ元気過ぎてw)それより一番は感染症が気になって仕方なかったのは事実w
ここはスルーポイント!だが、意識が向いてしまって少し気になった。
彼らが逮捕されて服役し、出所後に又、闇に向かわせないようにする為の体制が、残念ながらまだまだ整っていない現実にもやるせなくなりました。
だって多分みんな逮捕されるよね。
(焼き肉屋での希沙良の相手が演技派デカでしたもんね)
負の連鎖を断ち切る事は出来るのか。
マモルには少しの希望も見えた様なラストでしたが、そう上手くは行かない気がしてなりません。
だって彼、
お金の使い方、わからないよ。。泣
本当にね、教育の大切さ必要さをひしひしと感じてしまいました。
それから皆さん3人を褒めると思うので、
ワタクシは矢本君を褒めたい(^。^)
今回は今までにはない役所だったのでは。
最初誰だか気づきませんでしたよね。
ちょっとした仕草や台詞の言い回し、抑揚の付け方がとてもうまいのよ!
上手すぎて自然だから中々気付かれないこの凄さw
達者な役者さんで大好きです♪
綾野剛さん、林裕太君!、北村匠海君、
勿論3人も凄かった!!
それから、うん十年生きていますが、
鯵って煮付けで食べる事あるんだーって
びっくりしました。
知りませんでしたー(°▽°)
鯵ならフライか干物が良い。
煮付け、美味しそうだったけど、目玉は絶対に無理デス(°▽°)
デュルッ!!てしてた、
ひぇー(°▽°)オェーーー(´ཀ`)
27日12時半🇫🇷
彼らが生きた証が、そこにはある
世の中には超えてはいけない一線があり、いかにそれを察知できるかが生死を分ける大きなポイントだと思う。
作品の中ではその「此処から先は危ない」というメッセージが何度も強調して発せられる。それは作品の中の会話だけでなく、スクリーンを越えて観客に対しても忠告してくれるような感覚を受けた。戸籍を相手の手に渡すときやバーのマスターの忠告、または臓器を届ける際に行くことになる闇医者の敷地だったり。
それが要所要所で非言語的に伝わってくるところがすごく冴えている作品だと思った。
安易に金を稼げるということを行った結果とんでもないことになる。それを象徴しているのが「ドアを開ける」ということだと思った。
扉を開けてそこから先に悲劇が待ち受けているところも、安易にラインを跨いでしまったからこその報復性が含まれているように感じる。
例えば拓海の部屋のドアをカメラが引きで下がっていくとこの後ろで行われているリンチの音や、マモルがアパートの部屋から急いで逃げようと玄関の扉を開けた先に半笑いの半グレが待ち受けているところなど、「開ける」という行為が現実から非現実に変わっていく様とも見れるし、それ自体が「後戻りできなくなる」ことを反映しているのかなとも思う。
そうした前に進むしかない展開が描かれていく中で、闇医者の前で引き返してからの逃避行は、彼らの「生きたい」という思いがここで息を吹き返すようにカメラに映し出されていく。
彼らが行った闇ビジネスは、そこに一度足を踏み入れたら死ぬまで抜け出せない世界。上からの命令に従うのは簡単だけれど、そこから逃げる選択をすることのほうが何倍も勇気がいるはずだ。例え血反吐を吐いて泥臭い、情けない姿をさらすことになっても「生きたい」という生命力の強さ。それが痛いほど伝わってくる作品だ。
また、「生きる」というメッセージは食事にも繋がっていて、作中何度も食べるシーンが出てくるのは、「生きる=食べること」というのを強調している。
カップ麺やジャンク食品ではなく、手作りの食事が出てくるときは誰かと食卓を囲んでいる時に出てくることは、彼らがいかに愛情に飢えているか?を表しているように思えた。
本作はノワール物でもあるけれど、同時に青春物でもある。マモルやタクミにとって歌舞伎町のネオンというのは、自分が輝いて見える居場所だったと思うし、その眩しさは彼らのすべてだったのだと思った。
北村くんの演技のすごさを感じる映画。
リアルにありそうな話で、怖い。
家庭環境に問題があるとこんな生活になってしまうのか。
本当に観た日はカルチャーショックというか、衝撃的だった。
最後の魚の煮付けでホッとして終演。
最後のエンドロードで山口祥行の文字を発見。
見張ってた刑事がそうらしい。まったくわからなかった。
現代社会の
闇ってとこかと思い観ていたが、もはや闇でもなく、普通に生きている人でも道を外せば、ありえる話なんやな〜。怖い怖い。
パパ活、戸籍売買、生活保護ピンハネ、奨学金返済不能
臓器売買くらいになると完全に裏の人絡むやろけど、、、
闇バイトが身近にあるってことやもんなあ。
物価高で、生きづらい世の中やから余計やな。
北村匠海さん、林裕太さん、綾野剛さん
皆良かった😀
パートごとに分かれて掘り下げてたのもわかりやすくて良かった😀
時間あれば、山下美月さんも掘り下げて欲しかったけど、、、
観ていて怖い部分もあったけど、だからこそ伝えたいことがはっきりしていて良かったです😎
林裕太さんは、最後どうしたんやろ?
元の生活に戻って欲しいね😎願望笑笑
パンフレットみるかな。
良い意味で、
もう観たくないです
二度と観たくない傑作という言葉が良く使われますが、まさしくこの作品に当てはまると思います
序盤からやってる事は犯罪なんだけど、
それぞれのバックボーンを知ってしまうと
もう、この人達は悪くないと思ってしまう
最初の証明写真の所で撮った、
笑顔あふれる幸せな写真を観てるからこそ、後半がさらにしんどくなる
もうやめて、もう幸せになってよ
観ている最中何度もこの言葉が脳をよぎる
闇バイトの世界の怖さもしっかりと描けている。
抜け出せようにも抜け出せず、
どんどん人格が変わっていき、
どんどん欲望が増えていく
そんな制度の中に色々な事情によって落ちていってしまった人達の話である今作は
本当に本人達が100%悪いのかと問われている作品だった
幹部達の、普通の話し方からの豹変ぶりがこの社会の怖さを増やしていた
剣士の車での逃走劇は、緊張感や、それぞれの感情描写が丁寧でとても引き込まれた
剣士のポジションが丁度曖昧な立ち位置で、そこで揺れ動く様子を綾野剛さんがリアルに演じられていました
過去編を挟む箇所も丁度感情移入しやすい所で挟んでくれていて、より作品に没入できました
ただ、観た人なら絶対に脳みそにこべりつく、あの目玉のシーン。
あそこにはちょっと不満があります
予告編を観て殴られるなどの暴力描写があるのは理解できます。
しかし、あそこまでのグロテスクなシーンをホラー演出のように、いきなり観させられたら、グロ耐性がない人はかなり厳しいのではと感じました
僕はグロはある程度ならいける方ですが、
あのレベルのグロ描写を観に来たわけではありません
映すことでとてもインパクトのあるシーンになったのは間違いないです。
ただ、映すにはもう少し観客への配慮が必要だったのではと思います
俳優さん方の魂の演技や、ラストの切なすぎるストーリー展開、
剣士とタクヤの最後の食事シーンのショットなど、映画としてとても良い作品でした
良かった!弟想いだった兄と、兄の暴力受けて育った弟。三人の生き様にエール!
THE SEVEN 初の劇場映画作品。
中々食指が動きづらい内容作品かと思われましたが、観て良かったです。
反社の暴力団に繋がる半グレ集団。人生積んだ奴等の戸籍を買取ビジネス。そして外国人へ売り渡す違法臓器売買など。中々興味ある内容展開でした。
暴力団絡みせず、チャカが出て来てドンパチを全くしていないところがGoood!
不遇な環境でこの世に生まれ育ち、そしてこの街に流れ着いた3人の男達。
・松本タクヤ(役:北村匠海さん)
・柿崎マモル(役:林裕太さん)
・梶谷剣士(役:綾野剛さん)
彼等それぞれの視点で話展開が語られて行きます。
この世界から抜ける事は難しい。一度の甘い誘いと罠にハマり ドンドン上から利用される3人。生まれも育ちも不遇で、まさに愚か者その者。
しかし、人の持つ心の何処かに これじゃいけない、真っ当に生き様とする考えが芽生える。
それは 何時なのか。いつそれが叶うのか。
失くした想いを埋めるが如く、弟の様なマモルを何とかこの世界から守ってやる兄貴分のタクヤ。そして 彼等の想いを感じた梶谷の優しさ。彼もまた今の彼女がもたらす普通な生き方を望んだのだと思う。
不遇な生き方と、普通の生き方とは何か?
愚か者が手にする金はいつまでたっても真っ当な綺麗な金には成らない。
汚い金で暮らすと生活自体もやがて壊れてしまう。そう思うのです。
タクヤが亡くなった親から教わった魚の料理。
この心ある味が人を正しき道に導いてくれるのだと 私はそう悟った。
亡くなった弟を 心の何処かに取り戻したかったのだと そう感じます。
兎に角、俳優陣はどなたもリアルな味が感じられて素晴らしい。
金歯のジョージに、内偵の前田に。裏切りの佐藤に、そしてGPS追跡の海塚。
目が見えないタクヤと、金の流れと話展開は秀逸さを感じます。
ご興味御座います方は
是非、この男達を観に
劇場へどうぞ!!
身分相応な幸福感度が必須。
ストーリー、テンポ、途中の逃走劇からメールでの起死回生からラストの味まで好きな感じやった。
悪に染まりきれない良心が残ってるのと、後味の悪くない感じが。
刑事のオトリ姿がプロフェッショナル過ぎてワロタ。
思ってたより怖かった
同じ年頃の子供がいます。ふとしたことで誘われて、戻れなくなっていくところが怖い。お前も来いって言われて、そんなつもりじゃないのに断れないところも怖い。臓器移植の話も怖い。若い子も見て欲しいと思った。
綾野剛さんの雄弁な背中
この映画は、我々観客の常識的な理解力に対して、かなりの無理筋を強いてくる。それなのにあまり引っ掛かることなく最後まで見れてしまうということはそれだけ何かが優れていて、最終的には映画作品として力強いものとなっている。
無理筋例① タクヤくんの目玉くり抜き
腎臓や眼球は、脳死でなくても、つまり心停止後であっても、移植可能らしいが、だったらキッチリと殺して、遺体を病院に運んでからそれぞれ取り出すようにするのでは?
逆に生体のままでないと移植は難しいのなら麻酔をかけてから運ぶはず。
どちらにしても、素人が荒っぽくくり抜いたら肝心の網膜(角膜?)も傷ついて使い物にならなくなるリスクはかなり高いのでは?
無理筋例② 希沙良さん自由に泳ぎ過ぎ
女性が悲惨な目に合うような顛末は見たくないけど、物語りの展開上、そんなに簡単に追っ手を振り切れる?
【優れている何か】
言うまでもなく、主役3人のリアルな存在感。
タクヤとマモルの関係性はきちんと描かれていたけれど、梶谷が自分の危険を顧みずタクヤを救うことになるほどの関係性は物語の展開の中ではそれほど強くない。多少の同情はあっても、以前から裏社会に生きる梶谷を動かすほどとは思えない。それなのに、ラブホの風呂で、互いに全裸になり洗髪してあげるシーンひとつで有無を言わさない説得力が生まれる。綾野剛さんの細マッチョに鍛えあげられた肉体。これほど雄弁な背中は『悪い夏』の窪田正孝さんの上腕二頭筋以来かも知れない。
※本日の予告編で『爆弾』と『盤上の向日葵』が流れていました。
どちらの原作も心が激しく揺さぶられます。
『爆弾』の方は既に続編が刊行されていてこれもまた第一作に引けを取らず面白いのです。
両作品とも〝読んでから観る〟〝観てから読む〟どちらであっても2回3回と大いに楽しめるはずです。
グローバル資本主義の闇
ボスのジョージは東南アジアの金塊ビジネスを展開し、
中ボスの佐藤は(おそらく海外の)闇カジノにはまり込み、
タクヤは中国の富豪夫妻への臓器提供者となってしまう。
ひと昔前なら、日本国内の資本主義の闇に翻弄される登場人物を描いてきたのでしょうが、「愚か者の身分」では昨今ならではのグローバル資本主義を背景にした貧富の差が垣間見える作品でした。
オープニングとエンディングで川上から川下と流れていく川を見つめるシーンが入り込みます。
川は辿っていくと、海へとつながってい行きます。
タクヤとマモルは離れ離れになりましたが、いつか出会える日がくるのではないか?という暗示ではあったのでしょうが、
これから行き着くであろう海(グローバル資本主義)を暗示しているようでもありました。
マモルが無造作にお金の入ったカバンを橋梁の道ばたに置くのも印象的でした。
クレイジージャーニーのゴンザレスさんがレポートするような世界の極貧街の小さな兆候が日本にも起こりつつあるようで、こころがざわつきました。
中ボス佐藤の関西弁もうちょっとなんとかならなかったのかな、そこさえ気にならなければ。
暴力を娯楽にしない誠実さ
ホラーでは体験出来ない
生々しい恐怖に目が離させない。
暴力を娯楽ではなく恐怖として
描く作品の誠実さ。
加害者は育った環境の被害者であることが多く
反社や半グレになりたくて
生まれてくる人は恐らくいない。
大金を求めた理由からも良識があるタクヤが
この世界に馴染めないのは必然。
本作が北村匠海さん主演の意味は大きく
キャスティングによっては
作品の重さに耐えきれない可能性も。
残酷過ぎるあのシーンにも。
やはり生々しい現実を描く作品には
本作のように一筋の光を見せて欲しい。
壮絶すぎた
闇バイトに手を出してしまった若者が足を洗う話だと思ってたら、全然違うどころか、さらに過酷だった。
そういえば若い頃、何やったのか、戸籍売ったかも知らないけど、死んだことになってる知り合いがいたことを思い出した。
全部金歯という気持ち悪いビジュアルのジョージと、怖いけど妙に小物感が漂う佐藤から如何にして逃げ切るのか、映画と分かっているのに気が気でない。
かなり衝撃的なシーンもあるから、容易にオススメはし難い。
あれで生きていられるのが逆にすごい。
終盤、前田さんの再登場と正体には驚いた。
矢本悠馬さんだと、あとあと絡んでくるだろうと想像つくけど松浦祐也さんは、重要な役からワンシーンだけまでいろいろ出てるから、予想しづらい絶妙なキャスティング。
しかしなんといってもマモル役の林裕太くんが素晴らしかった。
魚を食べる、ふとした瞬間のワンシーンで、マモルがどう生きてきたのか分からせてしまう、根性焼きと怯えの表情。
そしてタクヤがなんとか守ろうと思わせる、圧倒的な弟感。
『HAPPYEND』の5人組の1人だったのね。
ふた通りの結末が想像できる終わり方も好き。
マイナス0.5は、あんな描写があるとは聞いてない。
上映時間短くはないけど、薄めの展開でした
原作は読まずに見てきました。特殊詐欺やネットで募集する強盗のような、今どきの闇バイトの話かと思いきや、戸籍売買や臓器取引などある意味古典的な犯罪で、ちょっと拍子抜け。他の半グレグループとの構想とか、小説ではもっと広がりがあるのかもしれません。
マモル
視点で見てしまった
北村匠海君も綾野剛さんも林君も
皆良かったけど
マモル役の林君の演技がたまらなく良い
純粋な舎弟
真っ直ぐな心のマモルを見事に演じていた
犯罪に手を染める若者たち
結構血が出てきて、となりのお姉さん何度も顔を手で覆ってました笑
苦手な方は少し覚悟して観てね笑
北村匠海君ファンは辛いかも笑
あの被害者、実は警察だったのね👮♀️
想像してたより…
題材に興味があったので上映前から楽しみにしてた作品。
安っぽい映画になってたら嫌だなって思ったけど、想像してたよりすごく良い作品で130分があっという間だった。
戸籍売買で稼ぐ若者の話で、タクヤ、マモル、梶谷の3人の視点で描かれている。
ノワールものって観終わった後に救いようがなくて心がぐったりするのだが、これは観終わった後、真っ暗闇の中にわずかな光があって不思議とぐったりはしなかった。
好きなシーンは色々あるけど、
まずは、タクヤが家に帰ってきた後のところ。
実際にあの部屋で何が行われてるか直接的な描写はなかったけど、どうなったか先にマモル視点でわかっていたのであのシーンは恐ろしかった。
次はタクヤの飯を作るシーン。
目がなくなっても、体は覚えてるから上手に魚を捌くし、おにぎりもにぎる。
そして個人的にぐっときたのが、マモルがタクヤの部屋を掃除してる時場面。
マモルの腕に結束バンドの跡が赤く残っているところがよかった。神は細部に宿るじゃないけど、そういう細かなところがこの映画の作り手に対する信頼がより強くなった。
というか、好きなシーンが多すぎる。
これ以上書くとキリがないから割愛。
キャスティングも良くて、
綾野剛は言うまでもないが、北村匠海がいい俳優になってるなと改めて実感した。
マモル役の林くんも瑞々しさがあり、今しか出せないあの感じがいいし、何より彼は目が凄くいい。
3人以外のキャラもよくて、
ジョージの金ピカの歯と髪型とガタイの良さなど全部が気持ち悪くてこわいし、中国人夫婦の金で全てを掌握してそうなあの風貌(最近逮捕された某宗教団体のトップ風)もぴったりだし、佐藤がマモルを殴った時のペットボトルの中身がメロンソーダなのも佐藤という人間の胡散臭さを体現してるようでこれもハマっててよかった。あれがコーヒーとか水とかじゃだめ。
メロンソーダなのが最高に良い。
だめだ、これも好きなキャラが多すぎてキリないから割愛。
ただ1点だけ、目をくり抜かれた後ってあんな感じで動けるのかな?とは疑問に思ったけど、エンドロールで眼の監修が入ってたからまあそこはいけるということか…とそこだけ引っかかった。
だけど引っかかったとしてもそれを遥かに上回るくらい物語が良かった。
私自身、闇バイトに加担した若者の裁判を傍聴したことがある。理由の多くがギャンブルによる借金などこれだけ見れば自業自得に思えるが、その個人の背景を紐解いていくと生育環境に問題があることが非常に多い。
実際に私が裁判でみた若者もマモルのような生育環境だった。
マモルやタクヤは決してフィクションでない。
今もどこかにこの2人のような子はいる。
そんな子達を社会は見捨てず、どうすることができるのか考えるきっかけのひとつになればいいなと思った。
いちばん怖いのは人間
本作を観て、
あらためていちばん怖いのは人間だなと実感。
ホラー映画がかわいく感じるくらい人間への嫌悪感を
抱いてしまった。
半グレ組織から闇バイトを請け負う
タクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)。
いつかは抜けたいと考えるものの、
酷いことに巻き込まれていくわけだが、
この二人もやりたくてやっているわけではないのだ。
そうでもしないと生きていけないのが悲しい。
弱みにつけこんで金を巻きとる、暴力でねじ伏せる、
人権無視、人の命なんて何とも思っていないなんて、
とんでもないなと思う。もう人ではないと思うのだ。
こういう作品では、とんでもないなと感じた
『狐狼の血 LEVEL2』、『ファミリア』あたりを
思い出した。
タクヤが眼球を抜け取られ、さらには腎臓まで取られよう
とする最中、懸命に助けようとする梶谷(綾野剛)には心が
震えた。半グレ組織が警察によって一掃されるなか、
関西まで逃げおおせたタクヤと梶谷。
そして、タクヤから託された金と頼まれごとを終えて、
橋の上から何かを思うマモル。
そのエンディングには微かな希望と光を感じた。
タクヤとマモル、タクヤと梶谷、
それぞれブラザーフッド的な意味合いも感じた。
食い入るように観たので
映画としては良い作品なのだが、
どうしてもフェイバリットにはならないし、できない。
だが、永田琴監督の手腕と俳優陣は心から賞賛したい。
特にマモルを演じた林裕太は今後も楽しみな俳優だ。
知らないのにリアルだ」と感じる私たちの愚かさ
現代日本の裏社会を描いた映画は数あれど、『愚か者の身分』ほど“リアルとは何か”を観客に突きつける作品は久しくなかったのではないだろうか?
この映画が巧いのは、いわゆる実録風の演出でも暴力描写の生々しさでもなく、「知らない世界なのに、なぜか知っている気がする」という感覚を観客に植えつけてしまうこと。大量に並ぶスマートフォン。その裏側に貼り付けられているのは女性の名前が書かれた付箋紙。GPSを二重に仕込み、一つは見つけられることを前提に置く知恵。どれもが過剰演出ではなく、淡々と日常の延長線上に置かれている。だからこそ怖い。この映画の恐ろしさは、暴力そのものではなく、「犯罪が既に産業として日常に溶けている現実」を描いている点にある。
北村匠海、林裕太、綾野剛が演じる三人の若者は、いずれも貧困や家庭環境によって裏社会に流れ着いたが、悪人になりきれない。彼らは金を稼ぐ手段として、闇ビジネスを“仕事”と呼ぶ。だが、そこには熱も誇りもない。「生きるために仕方なくやる」という言葉が、いかに多くの現代の言い訳を代弁していることか。観客が見ているのは彼らの転落劇ではなく、「生き延びるための合理化」の過程。そして彼らが“逃げ切った”と思った瞬間に漂う安堵が、最も冷たく響く。法の手が及ぶかどうかは描かれない。けれど、その後に待つのは確実に“普通の人生ではない”ことだけが分かる。この曖昧な幕引きこそが、現実の残酷さを最もよく再現している。
監督・永田琴と脚本・向井康介の手腕は、説明を削ぎ落とす勇気にある。登場人物の誰もが、何を考えているのか、どこまで罪を自覚しているのかを語らない。だが、肩を抱くために近づけられた手に反射的に怯える様子、視線を逸らす沈黙、ため息に混じる笑い――
そうした“無言の反応”が、言葉より雄弁に彼らの破綻を語る。人間のリアルは、言葉ではなく「出さない感情」に宿る。この演出の繊細さが、いわゆる“邦画の社会派”を超えて、痛覚としてのリアリズムを生んでいる。
そして忘れてはならないのが、「視覚」を奪う暴力の描写。生きたまま両目をくり抜かれ、しばらくは自分の失明に気づかない――この場面は生理的恐怖を超えて、存在を剥奪される痛みを通じて“社会の中で見えなくされる人々”の象徴を提示しているように感じた。
結局、三人は誰も救われない。悪を選んだというより、他に道がなかった。けれど、罪は消えず、代償はあまりに重い。彼らの「愚かさ」とは、無知や軽率ではなく、希望を信じる力を削がれた人間の痛みそのものだ。“愚か者”とは、犯罪者ではなく、構造の中で押し潰されていく「私たち」でもある。
本作は、救いのない映画だ。だが、絶望を描くことを通じて、いまこの国の底にある現実の温度を伝えている。見終わった後の静かなざらつきは、映画が終わったからではなく、まだ現実が続いているからだ。この作品がリアルに感じられるのは、裏社会を暴いたからではない。むしろ、私たちの日常のすぐ裏に、その「愚か者の身分」が続いていることを、誰もがうすうす知っているからではないだろうか。
あるショッキングなシーンにより内容が頭に入りません
貧しい家庭で育ったタクヤとマモルは困窮している人間の戸籍を売買することにより生計を立てていた。ところがある時、タクヤは同業者の先輩に裏切られてしまう。そこへタクヤの古くからの仲である梶谷が手を差し伸べる。彼らは裏社会の組織から脱却することはできるのか…。
上映終了後開口一番に出てきたのは、グロすぎるだろ、である。
ネタバレ100%で言う。生きてる人間の眼球をえぐりとるのはショッキングすぎる。そして、アンラッキーなことに、本作はホラーシーンの魅せ方が秀逸である。このダブルパンチを食らい、見事にトラウマを植え付けられてしまった。タクヤの動かない後ろ姿、そこから顔を見る女友達のリアクションは100点満点である。そして、頼むから絶命していてほしい状況で動き出す輸送ケース。眼球が無くなったことに気付いた時のタクヤの反応はこれまた満点なのである。ストーリーも良くできていて、できればそちらに焦点を当てたいが、これらのショッキングシーンは本作のピークと言わざるを得ない。こんなに画面を観るのが辛くなったのは久しぶりである。ホラー系ではないと油断している状況で、不意に立てられた刃物ほど深く突き刺さるものはない。何年か経って本作を思い出した時真っ先に思い浮かぶのはこのシーンだと思う。
本作はPG12となっている。大人が観てもトラウマになるので、年齢制限のことはどうでもいいが、判断能力の低い子どもが観ることで悪影響を受ける点が3点考えられる。
まず1点目は、上記の通りとんでもないグロテスクなシーンがあること。2点目は、裏社会の詐欺行為を知ってしまうこと。3点目は、詐欺行為をしている主人公達をヒーローのように描いてしまっていることである。主に3点目が問題のように感じる。本作は裏切った人間が逮捕されハッピーエンドのように終わるが、これは間違っている。タクヤ達も罪を償うべきである。同組内の裏切り行為など世間一般の人間からしたら知ったこっちゃない。私は全員が逮捕され更生することが本当のハッピーエンドだと思う。判断能力の低い子ども達が本作を観て、相手のことを思いやれば詐欺をしてもいい、悪いことをしても逃げ切ってその後で反省すればいい、などと思ってしまってはまずい。
色々問題はあるが、ドラマとしての面白さは申し分ない。マモルを助けるタクヤ、タクヤを助ける梶谷、普段は気の弱い梶谷が命懸けでタクヤを助ける決心をした瞬間には胸を打つものがある。
おすすめしたい映画ではあるのだが、知人に何も言わず薦めたら反感を買ってしまいそうである。それくらいの映画であるため、鑑賞する際は心の準備をお願いしたい。
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