愚か者の身分のレビュー・感想・評価
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彼らは愚かだけど、腐り切ってはいない
数年前に原作を読んでいたが、「こんな話しだったっけ?」と疑問符が浮いたものの、ラストまでドキドキしていた。
闇ビジネスと言う裏社会の沼に足を突っ込んでしまったら、容易には抜け出せない。もがけばもがく程に深みに嵌っていくマモル、タクヤ、梶谷の3人だが、救われたポイントは彼らは腐り切ってはいなかった点。確かに道を外れた行動をしてはいるが、自分へ手を差し出してくれた相手を想う気持ちは残っていた。だから、彼らには再生(更生)の光が僅かだが見えていたような。
ちょっと残念だったのは、彼ら3人と希沙良の過去が曖昧だった点かな。
切なくてイタい
今年一番、映画館で嗚咽を堪えました
裏社会から足を洗おうとする人達の映画、っていう事は知ってはいたけれど、終始息詰まる展開でした。
アプリで知り合った異性との会話から
戸籍売買のふるいに掛けられるなんて…
本当に人とは恐ろしい。
「借りるのは2年だけ」
「日常生活には不便はない」なんて、
あんなに普通にサラリと目を見て言われたら
信じてしまう…
いや、そもそも戸籍が無くなったら
何するにも不便でしょ?
それくらい社会人だったら判るじゃない!
って思うけど、ついつい目の前の人間を
信じてしまうものなんですよね
嫌な事だけど、
知らない人を簡単に信じてはいけない。
俳優陣、みなさんそれぞれ素晴らしかったです
制作陣の土台が無ければ、成り立たないと思います
内藤病院へいく途中の車の中での
マモルの偽運転免許を作った理由を話している時、
最後、
梶本さんが作った鯵の煮付けを食べている時の
北村くんの目が隠されているのに
その表情がわかり
嗚咽を堪えるが大変でした。
是非、たくさんの人に観て欲しい
特に、若い人たちに観てもらいたい映画です。
文句なく星5です
想像を絶する映画
林裕太が素晴らしい!
北村匠海、綾野剛、矢本悠馬が上手いのは十分知っている。
しかし、初見だった林裕太の小僧っぷり~その無邪気さと痛々しさが、ものすごく良かった。
この作品の主役は、北村匠海じゃなくて間違いなく彼だとしか思えない。
そう評価されても、北村は意に介さずに「その通りです」と言いそうだ。まさに兄貴分の優しい眼差しで。
今後が楽しみな俳優である。
めっちゃ良かった…! 内容はヘビーだし、グロ耐性ない人は要注意なシ...
めっちゃ良かった…!
内容はヘビーだし、グロ耐性ない人は要注意なショッキングな描写もあるし、気軽におすすめはしづらいけど、最近観た映画の中では私は一番好きかもしれない。
俳優陣の演技が切実でなんかもう本当にグッときてしまうし、これは遠い世界で起きてることではなく現実と地続きの出来事なんだと思わされた。
確かに彼らは愚か者だけど、自業自得という言葉だけでは片付けられないな…
映画としても、あぁ…いいシーンだなぁ…と印象に残るシーンがいくつもあって、見終わったあともしばらく余韻を噛み締めてた。
個人的にはできれば映画を観て幸せな気持ちになりたい方なので、普段ノワール映画は好んでは観ないけど、これはじんわりとした温かみがあるというか人間味を感じられて鑑賞後感が良かった…
でもやっぱりやるせない気持ちにはなる。
当たり前のようななんでもない日常の一瞬がどんなに幸せか身に染みる。
ずっと"胸が苦しい"....
エグい、切ない、キャスティングいい
まったくどんな話か知らなかったが想像以上にエグくて怖い。北野武の映画は映画的に怖面白いのだけど、これは映画的かどうかはわからないが何がどうなるか不明なところもあって油断できず、その緊張が最後まで持続する。原作に近いのだろうか。
また、キャスティングが素晴らしい。好きな役者が一斉に集まってる感じで、北村匠海は役的にもドンピシャ。しかし本当に器用な役者だな。綾野剛は『横道世之介』辺りの新鮮さがある。綾野剛は男友達(特に後輩)と戯れるのがいいのがよくわかった。林裕太はもらわれてきた子犬のようでほんとかわいいし。あと敢えて言わぬがおじさま方がとてもいい。ロケーションも新宿でよくぞ、というところで踏ん張っている。
ただ、同じネタ&原作を、欲を言えば、、若き日のスコセッシみたいなのが撮ってたらな、とかを思ったりしてしまうが、でも永田監督ならではのウェットというか、情緒というか叙情というか、橋からみえる川に捨てられた自転車とシャツ、見下ろしてる男の背後の光と風(ラストカットにも繋がる)、この辺が日本人のドラマとして良かった。
新宿の半グレ集団の末端員達の姿を3者の視点で描いていく。助け合う関...
3人の男を通してみる裏社会の深み
怖さが良く伝わって来る
予告編から楽しい作品ではないことは予想できたが、キャスティングに期待して観賞。
【物語】
闇ビジネスで生活しているタクヤ(北村匠海)と弟分のマモル(林裕太)。彼らの仕事はSNSを使って生活に困窮し、現在身の上に絶望している男を探し出し、戸籍売却を持ちかけて買い取り、他人の戸籍が欲しい人間に高値で売り付ける商売だった。
そんな世界に暮らしながらもごく普通の若者である二人はいつかそこから抜け出したいと思っていた。あるとき、自分を闇ビジネスの世界に誘った兄貴分の梶谷(綾野剛)の力を借りて、タクヤはその世界からの脱出を実行に移そうとしていたが・・・
【感想】
予告編から想像した以上に怖い作品だった。
まず、脚本が良く出来ている。構成、ストーリー展開、会話に破綻が無く自然。闇社会がリアルに感じられたし、だからこそ中盤の“怖いシーン”がビシビシ伝わって来た。
役者もいい。
北村匠海、綾野剛は期待通りというところだがマモル役の林裕太も良かった。 (記憶の中では)初めて観た役者だが、ブレイク前の菅田将暉を“そこのみにて光輝く”で観たときのことを思い出した。このときの菅田は主人公演じる綾野剛を兄貴分として慕う“愚か者”だったのだけど、そのリアルさに感心し、印象に残った。それに近いものが有った。
ただ、本作の唯一の不満はタクヤが負った“怪我”のその後の扱い、そこだけはリアリティーを欠いた。あの“怪我”が素人手当で済むわけがない。あそこだけは筋書きをひと工夫して欲しかった。この手の作品だと信頼できる闇医者に担ぎ込むのが常套手段だが、ありきたりでもその方がずっとリアリティーを確保できた。
全体としては、刺さるものがあり良かったと思う。
今どきの闇バイトに興味を持ってしまった若者に、この世界に落ちてしまう前に観て欲しい作品。
コメディと紙一重のシリアス‼️❓因果応報‼️❓臥薪嘗胆‼️❓縦横無尽‼️❓
負の連鎖と優しさの継承
■ 作品情報
永田琴監督作品。主要キャストは、北村匠海、林裕太、綾野剛。共演に山下美月、矢本悠馬、木南晴夏など。脚本は向井康介。原作は西尾潤の同名小説。
■ ストーリー
身寄りのない男たちを言葉巧みに欺き、戸籍売買ビジネスで生計を立てるタクヤと、彼を慕う弟分のマモル。彼らは劣悪な環境で育ち、半グレ組織の手先として裏社会に深く足を踏み入れている。しかし、タクヤは、自身をこの闇の世界に引き込んだ兄貴分的存在の梶谷の力を借り、マモルと共に裏社会から抜け出そうと試みる。折しも、組織の拠点から大金が消失し、これをきっかけに、タクヤ、マモル、梶谷の三人は運命を左右する三日間の逃亡劇へと巻き込まれる。三人は、互いへの信頼と、過酷な裏社会の現実の間で揺れ動きながら、生き残りをかけて必死にもがき続ける。
■ 感想
一つの事件を巡り、それが三人の登場人物それぞれの視点から描かれることで、彼らの抱える葛藤や心情に深く寄り添うことができます。おかげで、観終わった後もずっしりと心に残る、なんとも言えない息苦しさを感じる作品です。
梶谷からタクヤ、そしてマモルへと連なる犯罪への加担は、紛れもない負の連鎖です。しかし、その底なし沼のような状況の中でも、悪党になりきれない彼らに見え隠れする「優しさ」が、この負の連鎖を「優しさの継承」と錯覚させるほどに印象的です。
身近で困窮する青年を弟のように思い、何とかしてその苦境から救い出してやりたいと願う彼らの姿には、確かに深い優しさがあります。しかし、犯罪の片棒を担がせること以外に救う手段を見つけられなかったという切なさや悲しさが、胸に迫ります。一度は引き込んでしまったものの、そのことを悔やみ、まっとうな道に引き返させたいと手を差しべるその姿は、じんわりと心に沁みるものがあります。
出演されている俳優陣に一切の隙がなく、観る者を圧倒するような迫力があります。おかげで、最後まで作品世界に没入することができます。特に、名だたる俳優陣の中で、若手の林裕太さんの奮闘が光っており、その存在感と演技力は、今後の活躍を期待させるものがあります。
誰もが最初から好き好んで犯罪に手を染めるわけではない。やむにやまれぬ事情を抱える人々がいるという現実を、本作は突きつけます。それでも、私たちは踏みとどまって生きていかなければならない。戸籍も心も、決して他人に売っていいものではないのだと、本作は強く、そして静かに訴えかけてくるようです。
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