愚か者の身分のレビュー・感想・評価
全313件中、121~140件目を表示
途中、ホラー映画かと思った
闇バイトとか詐欺とか、暴力や犯罪が身近になってしまい、闇社会の勉強と出演者が素敵だったので鑑賞。
人間性を残した3人が搾取され被害者になっていく理不尽さと残虐性が酷い。現代は虐待や貧困で闇落ちするレールが敷かれてしまっている人が多いのかな。虐待等の酷いニュースは後を絶たず、自己責任と言ってしまうのは酷な状況なのか。インターネットも犯罪にアクセスしやすい環境をつくってしまっている。もっと社会が手を伸ばさなければいけないのだろうけど、人間関係は希薄になっていて悪循環。社会自体が壊れかかっているようにも思える。
それにしてもジョージとか佐藤とか人間性のかけらもないように見えるのだが、ルフィーとかこんなやつらなんだろうな。ジョージと佐藤のオムニバスをぜひ見てみたい。
久しぶりに綾野剛さんを見たが、大人の包容力があって素敵だった。緊迫した状況の中で由衣夏さんのうざさが太陽のように明るく暖かい。北村匠海くんはさすがの存在感でした。
ストーリーの続きを知りたくなる映画で、本作は成功している。面白かった。
思ってたのと違う・・・
小説は未読。残念ながら予告が全てで現実はこの何倍もエグイと思ってます。
まず現在の「闇バイト」。
先日の異国での摘発でも明らかになっていましたが・・・足がついても末端のみで赤の他人同士が寄せ集められて実行という形式になっています。
舞台設定がいつなのかわかりませんが「映画的に」幹部がのこのこと現場に出てくるのはコントかよ!と突っ込まずにいられません。
強奪した金もこのご時世に「現ナマ」です。戸籍を売りたい困窮者がいるのであれば口座を借りてマネロンしないのか?仮想通貨なり簡単に奪えない土地やら権利に変えてしまったほうが安全でしょう。
隠すのは・・・簡単に偽造できる鍵かよ。現在はせめてパスワードだろ!
一番よくわからなかったのは組織が「何故、主人公の眼球のみ取って生かしておいたのか?」です。
拉致して麻酔して眼球+各臓器を奪って焼却が一番足がつかないでしょう。
あんなぐりぐりやったみたいな保存状態でまともな移植に使える訳がないし、出血多量の割に元気すぎやしませんか?
また臓器なんて戸籍を売った生活困窮者を騙して拉致ったらすぐに用意はできるでしょう。
(現実的に適合するかは不明)
それでも車内で眼球が無いと気づくまではまだ見れたのですが・・・その先の逃走劇がコントにしか思えませんでした。
GPSのくだりも「映画的」すぎて苦笑いするしか。
車を強奪して替えるとか・・・身バレしているはずなので服装くらいは変えましょうよ。素人かよ。
年齢性別問わず、スマホからの指令で見ず知らずの他人が急に襲撃してくる恐怖。
北野武さんの「ソナチネ」「アウトレイジ」くらいの緊迫感が欲しかったです。
そういう細部に乗れなくて何かもったいないなぁ・・・と感じました。
コンプライアンス的にエグい表現が難しいとは思いますが、若者に向けた注意喚起としてはいい映画だと思います。
しかし、ノワールものとしては物足りません。
ひとつ評価したいのは男同士の信頼・友情に重点をおいてベタな男女間の色恋話を極力排除している点。セックス・ドラッグ問題も入れていたら更にチープな仕上がりになっていたと思います。
やっぱり大学生がツイッターで気軽にバイトを始めて転落していくほうが現実味はあるかなぁ。
韓国映画みたいにハンマーで老人宅を強盗など表現的に映えそう。
(たぶん生活保護ビジネスも盛り込みたいのでこういう設定なのだろうな・・・)
アニメでも最近多いが「 煙草を吸っていれば絵になる 」的発想もなんかダサいと思ってしまいました。
傷だらけの天使
夜の街を彷徨うタクヤ。マモル。
川に捨てられた自転車。
流れていくシャツ。
魚の煮付け。
マモルにも食わせてえ。
ラストシーン。
レビューを書こうといろいろと思い出していると涙が溢れてくる。
バッドランズの安藤さくらのように、悪い奴らや警察の手から逃げ切って裏稼業から抜け出す痛快さや希望もない。
アメリカン・ニュー・シネマの主人公たちのような輝いて散っていくカッコ良さや絶望もない。
この映画がつきつけてくるのは、めんどくせぇけど諦めきれない若者たちの日々と、どうして生きていけばいいのかわからない明日。
そして残酷にも温かく見守る作者の優しさがある。
人間讃歌が胸を打つ。
ちょっと引っかかるところもあるが、眼科医監修って出てたから有り得るんだろう。
コンビニ弁当やインスタント食品しか食べたことがない者には煮付けが沁みる。
北村匠海は役を選ばないというか、仕事をしっかりと選んでいるから出演作にはずれがない。
矢本悠馬はミシマルくんやガムくん、破門のチンピラがよかったけど、お笑い担当でなく真面目な役で主役も張れそう。
ジョージさん、インパクトあったな。
「国宝」のふたりも「宝島」の4人も良かったけれど、この映画の4人(矢本悠馬を含む)の演技は素晴らしかった。
個人的には木南晴夏に賞をあげたい。ほとんどスマホからの声の出演だったけど、救いのない話の中でほんの一瞬だが心が休まる。(最近の日本映画にはこういうのが欠けているように思う)
(大方の賞は国宝と吉永小百合か倍賞千恵子の映画に行くんだろうな)
音楽も演技も演出も、予告やポスターからの予想を超えてとても良い作品だった。
また観たい話ではない。また観たくなる作品だ。
若い人たちよ、鬼滅やチェンソーマンをリピートするのもいいけど、この映画も観てほしい。おじさんたちが傷だらけの天使に熱狂したように。
じじいばばあ、国宝何度も観に行くなら、この映画観ろよ。大人の責任として。
観終わったあと、三人のことをずっと考えてしまう
今月が終わろうとする中、 珍しく惹かれる映画が二本もあった。 その...
今月が終わろうとする中、
珍しく惹かれる映画が二本もあった。
その一本は現代のsnsツールであるTikTokで予告が回ってきた。
正直予告数秒で度肝を抜かれた…
そんなことは今までなかった。
だからこそこの作品を楽しみに、
なにか心の中を揺さぶれるワクワクと共に映画館に向かった。
その作品の名は
愚か者の身分 という作品である。
公開日当日にどうしても観に行きたく、
ライブ前に普段行ったことのない映画館に足を運んだくらいだ。
正直この作品を長々と綴れるほど簡単な作品ではない。
私がこの映画を観て出てくる言葉は、
とにかく人間の本質の愛をまじまじと感じた。
この言葉に尽きる。
それくらい凄く衝撃をもらい、
けどこれが今の現代社会だと知らされた。
そして映画というより、
現実に紛れ込んで一部を見ているかのような感覚に陥った。
涙が流れたが愛に満ちていた。
映画で愛に満ちてあそこまで泣くのは初めてだった。
この映画は教科書として用いるべきだと思うくらい、
現実世界の孤独と
人間の本質的な愛を感じた。
正直言葉にまとめるのが難しいくらい
見応えと色んな感情を得た。
この映画に出逢えて、
心から良かった、また心に落とし込みたいと思った。
残酷な世界
綾野剛さん、北村匠海さんさすがの演技でした。あるシーンで北村匠海さんが叫ぶのですが、思わず血の気が引きました。内容としましては、まさに男と男の絆。兄弟愛が強く印象に残りました。現代人の言い方で言う親ガチャに失敗した人。大切な人を失う悲しみ。それに漬け込み、気持ちも財産も盗む悪。これはフィクション、映画なのでまだ良いですが、こんな人が実際にいると考えた時に恐怖でしかないです。しかし、人間は自分の意思で生きなければならない、生きるためにはお金はいるし、ご飯も食べなければいけない。一度挫けた人間、映画の中で、騙された人間がどのように生活をしているかそこにも注目して観ていただきたいです。私も最近悩んでいることが沢山ありますが、今普通に生活できている事に感謝したいなと思う作品でした。全体的に良い作品でしたが、原作を未読でしたので、もっと人物の関係性や、詳しい詳細を知りたかったので低めの評価になってます。
絶望的な嫌悪感の作品
見終わった後の、この気持ち悪さと絶望的な嫌悪感は、内容は全然違うけど長澤まさみのマザー以来かな😰
世の中にこんな世界があり、こんな人たちが生きているって、全く他人事だと思えなくなってるのは、うちも家族に問題を抱えているから…❓
主人公が、この世界から抜け出したいと思っても、逃げることが出来ない…、そう言う物語なんだけど、それを目をくり抜いて表現する…、いやはや凄い映画でした🤮
いい役者に出会った
最底辺の若者が都市で生きていくには落ちていくしかない。歌舞伎町で半グレに取り込まれ戸籍売買や臓器売買の犯罪者として生きていく。家でまともに食事さえ取れなかった中卒の青年が兄貴分と知り合い、つかの間の人間関係を築く。その兄貴分もまた、弟の命を救うために自らの戸籍を売った。さらに、その兄貴分とのささやかな人間関係。そこにあるわずかな暖かいはずの人間関係が彼らをがんじがらめの犯罪へと導く。どうしようもない、負の連鎖。
貧困や家族の崩壊といった現代のどうしようもない現実が彼らをどんどん追い詰めついくさまは見ていて息苦しい。
ただ、映画を見ていてなんだか昭和だな、と感じたのは何故だろう。映画がなんか「今」じゃない感じがした。これはあくまで個人の感想です。
北村匠海、綾野剛はいつも通りの上手さ。しかし、この映画の収穫は一番の若造を演じた林裕太の新鮮な演技。また新しい「いい役者」の誕生か。立ち会えて良かった。
見ごたえ十分の日本版ノワール
さかな
煮魚COMME des GARCONS
仲間が欲しかっただけなのかもね。
あれで半グレなんや
人と魚の身と血と道
一番下っ端のマモル(林裕太)の視点、次にマモルの先輩であるタクヤ(北村匠海)の視点、そしてタクヤの先輩である梶谷剣士(綾野剛)の視点という順番がとても良い。
複数のショートムービーが、最後に集結して終結する。
ひとつのエピソードをいろんなアングルから見る楽しさがある。
金歯のボス視点、希沙良(山本美月)視点、闇ビジネスの被害者視点など、他のアングルを想像する余地もあった。
取り引きし
戸籍(身分証明)を手放し
悪事に加担し
愚者に寄り添う。
鯵に込めた思いを味わう。
~~ 余談 ~~
闇を暴く作品ではない。
一番前の席で観ると、スクリーンが台形に見える。遠近法でジョージの大きさが協調されて迫力があった。
現実社会のピラミッド構造の頂点は見えないため、想像するしかない。もしかしたら三角ではなく台形なのかもしれない。
落とした財布やスマホが戻ってくる日本であって欲しいと思う。
途中、息を飲んだ。
フリはあったので、そうかなと思っていたけれど、反面、「まさかそこまでひどいコトをしないだろう」と思っていたら、それ以上が来て、戦慄した。
むごすぎると思った。
生きたまま眼球を取り出すことも、更に腎臓を摘出するために息の根を止めないことも。
人間を人間として扱わないというのは、こういうことなのか。
そこまでして、お金を手に入れる必要があるのか。
一見平和な日本社会に、こんなギリギリの戦場があるんだ。
ここまでの凄惨な展開にするなら、梶谷が病院に入ってバッドエンドの方がすんなりきたかもしれない。
ヨーロッパでも、夜は危険なのでほぼ外出しない。
もしするなら、ホテルにタクシーを呼んでもらい、ドアトゥドアにする。
しっかり持っているバッグを奪われそうになった時は、大声出して、相手の腹に渾身のケリを入れ、倒した。
その後、振り向かず全速力で人混みの方に走って逃げた。
日本で、真夜中にひとりで歩いていても怖いと思ったことはない。
自転車かごに鞄を入れて走っているが、盗られそうになったこともない。
でも、水面下では、日本の治安も揺らいでいるのだ。
昭和生まれがごっそり抜けた50年後の日本は、どんな社会になっているのか。
搾取すること、命を奪うことに葛藤も罪悪感もないアンダーグラウンドが、更に広がっているかもしれない。
マモルの今後を思いながら、エンドロールを眺める。
主題歌を聴きながら、彼が再度奈落に落ちないことを祈った。
鯵がある、味のある作品
歌舞伎町
全313件中、121~140件目を表示









