愚か者の身分のレビュー・感想・評価
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残酷。でも見てほしい
よくある妙にリアルを描いたり映像美だったりをエモいとして評価されてる映画じゃなくて、物語としてちゃんと面白い。こうなってほしいという予想が悉く裏切られて、目が離せないほど緊迫感あるからあっという間の2時間。訴えかけるものが重いけど、ちゃんと受け止めなきゃ行けないと思わせてくれる作品。1番見てほしい人たちにはきっと届かないけれど、沢山の人が見るべき映画だし見る意味があると思う。抱きしめたい人がいることの幸せを感じた。そして、どんなに絶望的な状況でも人間って生きたいんだなって、その希望が大切なんだって思えた。
役者に対しての映画評価
豪華役者に対して映画がいまいち。そもそもジャケット写真の3人での物語を期待していたが全く違った。映画は予告なしでワクワクする人もいるので考えてジャケットを決めて欲しいと思った。内容も最後マモルの描写が曖昧で終わった。いろんな描写を持ち入れずに、もっとストーリーを絞って細かくやって欲しかった。
既視感。
つれえよ
今年1番の映画かもしれない
映像のひとつひとつが丁寧に撮られていると感じました。
打ち捨てられて雨水に溶けていくシェイクと、川に漂う壊れた傘。それに対比するような、夜明けの眩しい光や手料理のぬくもり。彼らはそれらが共存する世界に生きている。
やさしさだけで生きていける場所ではないけれど、ひとにぎりだけでも、それを希望にして生きることはけして愚かではないのだと思う。
言葉で表現しようとすると、拙いものにしかならず、勿体ない。そんな映画でした。
ふたりが魚の煮付けをまた一緒に食べる日が来ることを願ってます。
若者に観てほしい映画
優しい人は...
1.どの世界もそうだが良い人は出世しない
2.綾野剛もっと出世してるかと思った
3.ヤクザがGPS2つつける?
4.なら、3つ4つつけるんじゃない?
5.何百キロ追跡できるGPSはお高いんじゃないか?
6.綾野剛の彼女、声だけだけど良い味出してた
7.その彼女何最後裏切ると思ってだけど違った
8.目には沢山の神経があるので、めちゃくちゃ痛いはず...
9.しかし、綾野剛カッコいい
10.殺し屋イチ映画になって欲しい
11.6千万や2千万では人生やり直せない
12.なんかヤクザのくせしてお金少ない
13.マモルがドジャースの山本投手に見えた
14.コメントありレビュー多かったが同じ宣伝が多かった
15.やはりヤクザ映画は面白い
闇社会から見出す希望の光
愛を知らずに育った3人の若者たちの姿をそれぞれの視点で絶妙に交差させながら闇ビジネスの怖さを描いたヒューマンドラマ。闇社会から必死に抜け出そうとする3人が見出す希望の光を上手く表現していて予測不可能な展開がとにかく絶妙です。
主演を演じた北村匠×林裕太×綾野剛の演技も本当に素晴らしく、釜山国際映画祭で3人そろ揃って最優秀俳優賞を受賞した結果にも納得できました。
2025-161
鍵、渡すか?
リアルで、少しだけファンタジー、そして途轍もなくヘビーな映画
かなり疲れました。観終わった時には、もうグッタリでした。
展開が読めないところは面白かったような…でももうちょっと救いがあってもよかったような…いや、あったのかもしれないけれど。
とにかく辛い話でした。
街の雰囲気は今風でしたが(正確には外国の方がもっと溢れていますが)、戸籍売買に臓器売買、親に恵まれず闇に生きて行くけれど半グレに利用され…というと、時代設定は90年代後半からゼロ年代辺りでしょうか。
タクヤについて、
「それほど悪いことをしていないのに、可哀想」
と思ってしまいました。
そして、私の善悪觀念はおかしいか!? とちょっと悩んでいます。
もちろん違法行為には違いなく、安易にラクに稼げる処へ身を寄せたのだから自業自得と言えなくもない。
けれど、ゼロ年代は、身寄りのない若者にとって普通に生きて行くことが難しい時代でした。
それでも、頑張って悪に手を染めずに生き抜いた人はたくさんいる! との反論はもっともなのですが、全員が生き抜けるほどのキャパはなかったと思うのです。
「それほど悪いことをしていないのに」と思ったのは、昨今の闇バイトと比べて、なのかな。
ゼロ年代と今を比べると、全体や平均はよくなっていると思います。
でも、悪のレベルは上がっている気がするのです。
自分が金を得るために、どこまで酷いことができるかのレベルです。
私見なのですが、摘発や取り締まりを厳しくすればするほど、悪のレベルは上がっていく気がします。
取り締まりが不要だと思っているわけではないのですが、強力な殺虫剤を撒いても、害虫は進化して生き延びるだけ、みたいに思えてしまう…
(我ながらヒドイ喩えで申し訳ないです)
余韻がかなり後を引く
堕ちてもなお大切な人を想えるか
半グレの下っ端で詐欺を働き戸籍売買を行っている若者たち、その世界に入ることになった始まりは、お金が必要ならば取り敢えずやる?とあまりに簡単で、そこまで追い込まれてしまった現実がある。兄弟分らしき関係の3人それぞれの同日の様子が描かれていて、この手法は観客を想像させ答え合わせ的要素も含み、釘付けになる。犯罪者達を見ているのだが、つい逃げ延びて欲しいと思ってしまうのは、彼らが人を騙しつつも大切な人を想える心をまだ失っていなかったから。矛盾するけれどそこが何とも痛々しく心動かされるところ。
不幸な状況でとにかく手段選ばずお金を手にするという選択をしてはいけない、という戒めを感じるには、あまりに叙情的で切ない。そして出来れば真っ当に生きて欲しい、と願わずにはいられない若者達の人生が描かれている。北村匠海の堂々たる主演の横で生き生きと輝く林裕太がとても新鮮で良かった。
すぐ隣り合わせにある闇
新宿歌舞伎町を舞台に、闇バイトに手を出さずには生きていけない若者たちの貧困と、それを生み出す貧困の連鎖という現代社会を背景にしながら、その中でなんとか未来への希望を見出そうともがき苦しむ若者たちの姿をリアルに描く。
本作では戸籍売買や臓器売買などを手掛ける半グレ集団の末端の手先となる若者を中心に描かれているが、特殊詐欺のかけ子・受け子・出し子やパパ活、売春など若者たちのすぐ隣に犯罪への入り口が待ち構えている現実が確実にある。そこにふとしたキッカケで足を踏み入れてしまうのはさほど難しくはないのかも知れないが、いったん泥沼に足を取られてしまったらそこから抜け出すのは至難の業だ。
別に裕福な暮らしをしているわけではなくともカギ括弧付きで「フツーの」生活を日々送っている人々の目には、そんな若者たちは「愚か者」だと映るのかも知れないが、親の虐待やニグレクトなどの結果、教育を受ける権利すら奪われ、それ以外の選択肢を与えられずに育ってきた可能性に考えが及んでいるだろうか?
梶谷(綾野剛)に誘われてこの道に足を踏み入れたタクヤ(北村匠海)が今度はマモル(林裕太)をその世界に誘い込んでしまう。しかし、そんな負の連鎖を断ち切ろうとするタクヤは自分が巻き込んだという罪悪感からマモルも一緒に足抜けをしようと試みるものの、そんなに甘い世界ではない。そこでの代償はあまりにも大きいが、自らの身を挺してでも守ろうとする姿勢は、ひょっとすると「フツーの」親が子を守ろうとする姿勢にも通じるものも感じられる。タイトルにはキャプション的に "Baka's Identity" という英訳が与えられている。 identity には「個性」などと同時に「同一性」の意味もある。この三人に共通するものこそが相手を慮る優しさなのかも知れない。
今回、ほとんど事前知識を入れずに鑑賞したが、主として男三人のバディ感の強いこの作品を観終わってから、原作本の作者である西尾潤氏も監督の永田琴氏も女性だと知っていささか驚いたのだが、知ってしまうとラスト30分が何となく理解できるような気がする。
ビジュが愉しめる
若者へ届け
闇ビジネスに手を染めた若者3人の3日間の出来事を描いた本作は、思ったよりもバイオレンス描写も控えめで、それぞれの心情や状況もフラットに映し出されていたことが個人的に好感を持ちました。レーティングを上げずに配慮した制作陣の想いは、若い世代にも観てもらいたいということなのかなと思います。
それぞれに事情があるし、根っからの悪人ではないし、同情してしまう面もある。だけど、やっていることは犯罪。作中でもあったように、一度手を出したらどんなに後悔しても取り返しがつかない世界なのだと、自力で更生して這い上がることすら無理なのだと、突き付けられた感じです。
誰も幸せにはなれないエンディング、でもそりゃそうだしそうであるべきなのだと。
本作のメッセージが届きますように。
フィクションなのにドキュメンタリーに見えてくる作品。闇の世界に落ちた三人が、それぞれの方法で闇から這い上がろうと足搔くが、それらはやがて一本の線に繋がっていく。
アバンがなく、すぐに縦書きのタイトルが出てくる始まり方は、昭和のヤクザ映画を彷彿とさせましたね。街の愚か者タクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)がじゃれあっている。一見楽しそうだけど一般人は絶対に近付かない夜の風景。ここからドンドン闇社会の残酷さが暴かれていきます。
マッチングアプリでカモを釣り上げて希沙良(山下美月)に陰で指示を出しながら戸籍の売買という最悪の方向に誘導するシノギの手口。実はタクヤ自身も戸籍を売っているという事実からも、本音ではこのシノギで不幸になる人を作りたくない、自分も闇ビジネスから脱出したいという気持ちが演技の細かいところから垣間見えます。
ここからはタクヤの個人視点で話しが進みます。巨大な闇ビジネスの後ろ盾は、当然一つや二つだけであるはずもなく、シノギの奪い合いの現場を目にしたある意味賢いタクヤは、脱出の準備を梶谷(綾野剛)と進めていきます。梶谷の車の後ろに積んであるキャスターバッグに自分が詰め込まれることになるとは知らずに・・・
そしてマモルのターン。上記の光景を目撃してしまったマモルは、タクヤの前に立ちはだかって何をしていたか詰問しますが、それには答えないタクヤ。「物事は知らない、知ろうとしない方が良いんだよ」という佐藤の言葉がここで効いて来ます。マモルが真実を知ったのは、タクヤの目玉が無くなった後なんですけどね。
梶谷は当初計画通りにタクヤを内藤病院に運ぶことを考えていますが、途中で休憩をしたり恋人の由衣夏(木南晴夏)とスマホで会話しているうちに気が変わります。「そうだ、俺も闇から脱出しよう」と。ここから梶谷とタクヤの逃走劇が始まりますが、GPSを車に取り付けられていたり恐ろしいシーンが連続しますが、梶谷が唯依夏に準備させていたことが功を奏して西宮に逃げ延びます。
西宮の生活で二人は鰺の煮つけを食べますが、そういえばタクヤの部屋を掃除し終わった後のマモルも冷凍した鰺を欲しがっていたな、と思い出したところでの答え合わせが秀逸でしたね。タクヤが江川に託した生存証明メール、星印の封筒の中身がマモルに届いたときタクヤの計画の全貌が明らかになったのは圧巻でしたね。マモルも希沙良のメールでピンチを回避できたし。
フライヤーの写真みたいに三人が肩を組んで笑いあうシーンはありませんでしたが。三人が闇社会から遠いどこかで繋がって、いつか笑って再会できる未来を期待させる作品でした。
なかなかハードな映画…⭐︎
闇社会、半グレ等毎日にようにニュースに上げるけど、その最底辺で生きている若者がそこから
抜け出そうとする物語。
綾野剛と北村匠海に惹かれての鑑賞だったけど、後輩で一番下っ端役の林裕太が素晴らしい。
画面が三人それぞれの目線から林→北村→綾野と順番に変わっていくため少し
戸惑いはあるけどそのためにかえって物語に広がりが出てくる。
報復のシーンは結構凄まじくて、「虎狼の血」じゃないけど暴力的なシーンが苦手な人には
どこもなかなか辛い。
でも、ラスト近くに戸籍を売ってしまった矢本悠馬に林演じるマモルが北村演じるタクヤに
頼まれてお金を渡しに行くところや二回登場するアジの煮付けのシーンは哀しみのような
ものが溢れていて切ない気持ちになる。
最後は希望のようなものを残して、尚わからないままに終わるのも良かった。
観客を選びそうで、長くは上映されない作品かもしれないけど すごく印象に
残った作品。
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