愚か者の身分のレビュー・感想・評価
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とても良かった。目がえぐられて動かない北村くんの映像は衝撃。その北...
とても良かった。目がえぐられて動かない北村くんの映像は衝撃。その北村くんの目に綿を突っ込み、車の乗車席と後部席でやり取りする時の綾野の演技はすごい。
北村くんは、ヤクザな感じが板についてると同時に、朝ドラを経て、抑制があり、人を守る役柄が素晴らしかった。矢本くんも上手かった。
金歯のやつはただ気持ち悪かった。中国の臓器移植の話とか、材料にリアリティがあった。戸籍を売るというテーマも面白かった。
「光を失った者、光を諦めた者、そして光を追い続ける者」
【パンドラの箱】
新宿・歌舞伎町は全国一の繁華街、例えるなら「パンドラの箱」のような街。
闇で生きるしかなかった、タクヤ(北村匠海)
親に捨てられた少年、マモル(林裕太)
裏社会の運び屋、梶谷(綾野剛)
「愚か者」3人は、「パンドラの箱」から世の中に飛び出したありとあらゆる災いの中で、箱に最後に残された「希望」を求めて闇から抜け出そうともがきます。
─皆 美しい 皆 美しい
生きたいように生きたくて
人生 美しい 人生 美しい
そう思えればいいのに─
16歳のtuki.が歌う主題歌「人生讃歌」のリフレインが、心の奥深く突き刺さる映画です。
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【北村匠海】
俳優としての北村匠海さんを初めて観た記憶は、『信長協奏曲』(TVドラマ版2014年/劇場版2016年)の森長可役、『君の膵臓を食べたい』(2017年)。
そして『東京リベンジャーズ』(2021年/2023年)の主人公「タケミチ」。
私の中の俳優・北村匠海さんと言えば、共演の今田美桜さんからいつも叱られて励まされているイメージ。
「タケミチくん、だったら頑張って!それで10年後も私と一緒にいて」(『東京リベンジャーズ』)
「タカシ、たっすいがーは、いかん!(弱々しい、元気がないのはダメ)」(「あんぱん」)
2025年は、初監督/企画/脚本『世界征服やめた』、朝ドラ初出演/W主演「あんぱん」、映画/主演『悪い夏』、『金子差入店』、主演『愚か者の身分』。
バンドDISH//の音楽活動以外に、映像の仕事でも表現者として伸びしろを見せてくれました。
『愚か者の身分』のタクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)の関係は、本当の兄弟以上に暖かく、「タケミチ」が成長した「タクヤ」がそこにいました。
偶然ですが実際、北村匠海さんには林裕太さんと同い年の弟、林裕太さんには北村匠海さんと同い年の兄がいるそうです。
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【第30回釜山国際映画祭 (BIFF 2025)】
2025年9月17日〜9月26日開催。“アジアのカンヌ”、アジア最大級の映画祭。今年の公式上映作品は241本、日本からは24本が出品。
今年新設されたコンペティション部門には、『旅と日々』(三宅唱監督)と『愚か者の身分』(永田琴監督)が選出されていました。
映画祭最終日、『愚か者の身分』の北村匠海さん&林裕太さん&綾野剛さんが、3人揃って最優秀俳優賞(The Best Actor Award)を受賞したニュースに驚きました。
北村匠海さんと綾野剛さんは、初日のレッドカーペットセレモニーで帰国。9月18日のワールドプレミアと9月26日の授賞式は、現地に残っていた林裕太さんが代表して登壇。
「選択肢のない人が愚かなのか、それとも選択肢を確保しないその環境が、世の中が愚かなのか。」
「ただ、この映画において大切なことは、生きようとすることは決して愚かな選択肢ではないということです。」
「たとえ大きな夢や、何か大きな意義を見出さなくても、自分を支えてくれる誰ががいるなら、ここに生きる意味が大いにあるということだと僕は思っています。」
「それを教えてくれたのがこの映画であり、今日来られなかった北村匠海さん、綾野剛さんです。」
「今日のこの特別な瞬間を、この特別な感情を、日本に帰って3人で分かち合いたいなと思います。」
マモルのスピーチ、良かったね。
タクヤと梶谷も、東京から見守ってたよ。
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10月25日映画館で舞台挨拶上映鑑賞
10月25日★★★★★評価
10月25日レビュー投稿
泣ける 切ない
【"各々の罪滅ぼし。そして、裏社会からの脱出。"今作品は様々な理由で裏社会で生きる三人の男が”ある恐ろしい出来事”を切っ掛けに、真っ当に生き始める様を描いたヒューマンストーリーである。】
- 今作品は、作品構成、演出、ストーリー展開が秀逸なる作品である。-
◼️"ある理由"により、戸籍売買の仕事を始めたタクヤ(北村匠海)。ターゲットを絞り、戸籍を買い"二年で返す。"と嘘をつきマアマアの金を渡し、指示役の佐藤に渡す。タクヤは、簡易宿泊所で出会った両親の居ないマモル(林裕太)を、自分の仲間にする。そんなタクヤも、嘗て運び屋の梶谷(綾野剛)から、裏社会に誘われていたのである。
<Caution!内容に触れています。>
・今作品は、物語の進行が三人の過去と現在を交互に描いている。タクヤ(北村匠海)が、簡易宿泊所で出会ったマモル(林裕太)を、"ある理由"の原因である彼の弟の様に可愛がる姿。
・そんなタクヤも、嘗て、運び屋の梶谷(綾野剛)に、裏社会に誘われているのである。
・タクヤが、マモルに鯵の煮魚を作るシーンが、最後半にキーになる構成も上手いし、彼が"知っているか?鯵はドブ川でも取れるんだぜ。"と言う台詞から、彼が弟と両親からキチンと育てられて居ない事が類推出来るし、彼の煮魚が旨い理由が分かるのである。
・タクヤが、佐藤を"叩き"一億円を奪うシーンからの展開は物凄いのである。彼はアッサリと捕まり、中国人の盲目の老婆に角膜を売ろうとする佐藤の上役の総金歯のジョージに襲われ、両目をくり貫かれた姿で見つかるシーン。
その前に佐藤と食事をするシーンで佐藤が"知っているか?目玉は簡単に飛び出るんだぜ。"と、言いながら煮魚の目玉を口にする演出が効いているのである。
・タクヤから更に中国人の老婆の糖尿病の夫に腎臓を売る為に、彼を病院に連れて来る指示を受けた梶谷が、自分に尽くす優しいホステス、ユイカ(木南晴夏)との生活で、細やかな幸せを感じていた故か、タクヤを裏社会に引き込んだ罪滅ぼしか、"めんどくせーな。"と呟き、タクヤと逃げる過程はハラハラするが、梶谷がタクヤをラブホテルで手当てするシーンは、沁みるのである。
・又、タクヤが"自分に何か有った"時にマモルにアラームメールを打つ依頼をしていた、嘗て戸籍を買った男(矢本悠馬)ヘ二千万円をマモルが届けるシーンと、アラームメールに書かれていた内容"一億円ある。二千万を男に渡し、残りはお前が使え。中卒でもこれだけあれば、商売が出来るだろう。"と書かれた文章も、可なり沁みるのである。
・そして、タクヤと梶谷はユイカが教えてくれた大阪の親切なオバサンが営む店の二階で、事が収まる迄、暮らすのである。
その時にタクヤが慣れた手付きで鯵を捌き、梶谷に味付けを指示し、二人で鯵の煮魚を旨そうに食べるシーンも、コレマタ琴線を揺さぶるのである。
更にTVで流れるジョージ達が、摘発されたニュースのタイミングも絶妙なのである。
<今作品は、様々に理由で裏社会で生きる三人の男が、ある出来事を切っ掛けに、裏社会を抜けて真っ当に行き始める様を描いているヒューマンドラマなのである。>
もうひと声
主人公たちの追い込まれ具合というか、ヒリヒリ感というか、もうヤバい、ダメー!、どうなっちゃうのー!といった緊張感、絶体絶命感がもう少し欲しかったなぁと感じました。決して暴力シーンを望んでいる訳では無いですが、マモルが尋問されたり、タクヤが〇〇されたりと壮絶な展開はあるのですが、結末に対して「あぁ良かったなぁー」といった感慨に繋がらなかったかなと。あとタクヤが佐藤から持ち掛けられた計画に対して、裏切りを見越して手を打つ計算高さや、あんな痛い目に会わされてるのに達観したようなところがなんか現実味が無かったかな(兄貴と慕う梶谷が側にいたからでしょうか?)
でも、こういう映画好きです、若者達が世の中や何かに抗いなが生きて行く群像劇。
ちなみ、希沙良を尾行してたり、マモルの部屋の様子を伺ったり、エンドの方でマモルを走って追っかけたのは実は刑事さん?。終わりに再登場の轟さんから察するにそう思えてきたけど、そうだとしたらストーリーへの関わり具合としてもう一つだったなぁ。伏線が感じられなかった。
終わりは3人のこれからがすごい気になる、思いを馳せるエンディングでした。
マモルは橋の上で何を考えていたのだろう…。梶原とタクヤはどうなるんだろ…。
原作では11月に続きが発刊されるそうで、是非映画でも観たいと思いました。
追加
タクヤの弟の葬儀のシーンで、
タクヤ越しのカットでは参列者が多そうに見えたけど、次の引きのカットでは梶原と2人だけの参列だった。タクヤの境遇、不幸さがヒシっと伝わってきました。
不器用な人間
働くにも不器用な人間ているはず世間や企業が面倒くと人を育て無い事から闇バイトが生まれたのだと感じた。何故時間をかけて育て無いか支度て闇バイトに染まる人間なんて少ない。お金稼ぐとは簡単な事だと何故教えて挙げられないのだろう育てて見極める事が出来る人間に私はなりたいとこの作品に学んだ!!
選択肢のなさ
自分自身の「身分」。
本作の真の深みは、タイトルに含まれる「身分」という言葉にすべて凝縮されている。単なる社会的階層や立場のことではない。“人間がどの瞬間に愚か者となり、どの瞬間にただの人間に戻るのか”という、きわめて実存的な問いを突きつけてくる。
全編にわたって張り詰めた緊張感がある。だがそれは、銃口を向け合うような表面的な緊張ではない。登場人物たちが、己の中に潜む「境界線」を踏み越えてしまうかどうか、その内的な緊迫だ。観客は息を詰めながら、その一線を越える瞬間を見守るしかない。
特筆すべきは、闇に引き入れた側の“負い目”の描き方だ。加害者でありながら被害者でもある彼らの表情に免罪は与えられない。ただ、闇の側へ引きずり込んだ者たちも引きずり込まれた者たちも、かつては「普通の人間」だったという事実を丹念に描く。その“普通”のリアリティがあるからこそ、転落の瞬間が胸をえぐる。悪とは特別なものではなく、日常の延長にある。その自覚が観客の心をじわじわと締めつける。
タイトルの「愚か者の身分」とは、堕ちた人間たちへの烙印であると同時に、我々すべてがいつでもそこに立つ可能性を秘めている、という冷酷な真実のメタファーでもある。
愚か者とは誰か――彼らか、見て見ぬふりをする我々か。映画はその問いを、闇の奥から静かに突きつけてくる。
本作は暴力や犯罪を描く物語に見えて、実は“人間の境界線”を描いた心理劇である。
緊張と沈黙の中で、観客は知らぬ間に自分自身の「身分」を問われている。
エッシャーの無限階段
物語の中盤で北村匠海演じるタクヤが新しいTシャツに着替えますが、その絵柄が「だまし絵」(実はだまし絵ではありませんが)エッシャーのもので「描く手」と通称「無限階段」でした。監督の発注か、衣装さんのセンスかわかりませんが、このドラマのオチを予感させるものでした。こんな半グレ生活から抜け出すのはめちゃ難しいし、まさに「無限」なのかもしれません。
3人の主人公が前半中盤後半をそれぞれ演じ、その都度場面はそれぞれの立場で違う角度で見せられるのが面白かったです。
ある種のハッピーエンドでしょうが悪いことは悪いこととして、物語のエンドクレジット以降を我々に想像させる演出はなかなか潔かったです。
で、一番良かったのは私自身が大阪人ってこともあって豊中市出身の木南晴夏のネイティブな大阪弁であったことは秘密です(笑)
内藤病院
緻密で骨太、余情も残す。闇の中に鮮明に浮び上がる優しさが切ない。
海外の映画祭で北村匠海、林裕太、綾野剛が受賞したのも納得の素晴らしい演技。
脇を飾る山下美月、矢本悠馬、木南晴夏もしっかり印象を残す好演。
3人の視点から描く構成は多くは無いが使い古されたものと言えるが、決して流行りのトリッキーさを狙ったものでなく、物語をより鮮明に描くもので見事だ。
多くの伏線のようなものがあるが、これも流行りの伏線回収のための伏線でなく、物語に根付いてしっかりと、されどさり気なく描かれ、そしてさり気なくキレイに回収されて向井康介脚本は見事というしかない。
登場人物の心情を決して説明セリフで逃げない永田琴演出も傑出しているし、応えた演技陣も称賛に値する。
あまりにも酷く惨たらしい社会の闇の話なのだが、それ故に主要3人の優しさが鮮明に浮び上がるし、またそれ故に喰い物にされしまう構図が何とも切なく虚しい。
彼らの希望の光を切望する程の感情移入に、作品世界を壊してでもハッピーエンドを望む気持ちにもなるが、当然そんな安易に走る訳もなく、一縷の希望と大いなる不安を見せてのエンディング、心震わすしかない。
圧倒的な父性
見てください!
自分の中での期待値がかなり高い作品だったから、実際観たらどうかなと思ってたけど、めちゃくちゃ面白かった!
俳優陣は綾野剛さんはもちろん林裕太くんが思ってた以上に素晴らしかった!
でも何と言っても北村匠海さんのタクヤがわたしの胸には突き刺さりました。
あんぱんで北村匠海さんを知ったって方多いと思うけど、絶対見て!もっともっと好きになるよ。
お約束します!
内容的には特に若い世代に多く見てもらいたいかな。もちろんおじさんおばさんの心にも響くこと間違い無いです。
この映画の中でのキーポイントである闇ビジネス。
映画の中だからと言って、決して大袈裟に描かれているわけじゃないです。
もしかしたら現実はもっともっと残酷なのかもしれません。
愚か者の身分
さすがに闇バイトの話ではないが、それでも・・・。
脚色や構成、語り口は良かった。
演技はすでに釜山で受賞してるから良い。
苦境に立たされた人々のあせりや疲労感、つかの間の信頼感やほのかな希望を役者たちは表現する。
林裕太は痴人の愛とはまったく違って苦楽を表現する。
北村匠海は金子差入店に続き、サイコな表情が似合いすぎて心配なぐらい。
綾野剛はこの映画では明るさを感じさせてくれて良かった。
内容はさすがに社会問題となってる闇バイトではない。罪が重いし、小説や映画にはできない。(それでも闇バイトに手を染める人がいるのが現実だが。)
戸籍の売買と言う罪悪感を感じにくい闇取引を題材とし、それに引き込まれるリアリティがある。
但し、ストーリーは自分には合わない。映画と言うより原作本がそうなってるからではあるが。
見に行かなければ良かったと思う。
決して大団円では終わらないけど
全114件中、61~80件目を表示
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