愚か者の身分のレビュー・感想・評価
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林裕太が素晴らしい!
北村匠海、綾野剛、矢本悠馬が上手いのは十分知っている。
しかし、初見だった林裕太の小僧っぷり~その無邪気さと痛々しさが、ものすごく良かった。
この作品の主役は、北村匠海じゃなくて間違いなく彼だとしか思えない。
そう評価されても、北村は意に介さずに「その通りです」と言いそうだ。まさに兄貴分の優しい眼差しで。
今後が楽しみな俳優である。
彼らが生きた証が、そこにはある
世の中には超えてはいけない一線があり、いかにそれを察知できるかが生死を分ける大きなポイントだと思う。
作品の中ではその「此処から先は危ない」というメッセージが何度も強調して発せられる。それは作品の中の会話だけでなく、スクリーンを越えて観客に対しても忠告してくれるような感覚を受けた。戸籍を相手の手に渡すときやバーのマスターの忠告、または臓器を届ける際に行くことになる闇医者の敷地だったり。
それが要所要所で非言語的に伝わってくるところがすごく冴えている作品だと思った。
安易に金を稼げるということを行った結果とんでもないことになる。それを象徴しているのが「ドアを開ける」ということだと思った。
扉を開けてそこから先に悲劇が待ち受けているところも、安易にラインを跨いでしまったからこその報復性が含まれているように感じる。
例えば拓海の部屋のドアをカメラが引きで下がっていくとこの後ろで行われているリンチの音や、マモルがアパートの部屋から急いで逃げようと玄関の扉を開けた先に半笑いの半グレが待ち受けているところなど、「開ける」という行為が現実から非現実に変わっていく様とも見れるし、それ自体が「後戻りできなくなる」ことを反映しているのかなとも思う。
そうした前に進むしかない展開が描かれていく中で、闇医者の前で引き返してからの逃避行は、彼らの「生きたい」という思いがここで息を吹き返すようにカメラに映し出されていく。
彼らが行った闇ビジネスは、そこに一度足を踏み入れたら死ぬまで抜け出せない世界。上からの命令に従うのは簡単だけれど、そこから逃げる選択をすることのほうが何倍も勇気がいるはずだ。例え血反吐を吐いて泥臭い、情けない姿をさらすことになっても「生きたい」という生命力の強さ。それが痛いほど伝わってくる作品だ。
また、「生きる」というメッセージは食事にも繋がっていて、作中何度も食べるシーンが出てくるのは、「生きる=食べること」というのを強調している。
カップ麺やジャンク食品ではなく、手作りの食事が出てくるときは誰かと食卓を囲んでいる時に出てくることは、彼らがいかに愛情に飢えているか?を表しているように思えた。
本作はノワール物でもあるけれど、同時に青春物でもある。マモルやタクミにとって歌舞伎町のネオンというのは、自分が輝いて見える居場所だったと思うし、その眩しさは彼らのすべてだったのだと思った。
めっちゃ良かった…! 内容はヘビーだし、グロ耐性ない人は要注意なシ...
めっちゃ良かった…!
内容はヘビーだし、グロ耐性ない人は要注意なショッキングな描写もあるし、気軽におすすめはしづらいけど、最近観た映画の中では私は一番好きかもしれない。
俳優陣の演技が切実でなんかもう本当にグッときてしまうし、これは遠い世界で起きてることではなく現実と地続きの出来事なんだと思わされた。
確かに彼らは愚か者だけど、自業自得という言葉だけでは片付けられないな…
映画としても、あぁ…いいシーンだなぁ…と印象に残るシーンがいくつもあって、見終わったあともしばらく余韻を噛み締めてた。
個人的にはできれば映画を観て幸せな気持ちになりたい方なので、普段ノワール映画は好んでは観ないけど、これはじんわりとした温かみがあるというか人間味を感じられて鑑賞後感が良かった…
でもやっぱりやるせない気持ちにはなる。
当たり前のようななんでもない日常の一瞬がどんなに幸せか身に染みる。
北村くんの演技のすごさを感じる映画。
リアルにありそうな話で、怖い。
家庭環境に問題があるとこんな生活になってしまうのか。
本当に観た日はカルチャーショックというか、衝撃的だった。
最後の魚の煮付けでホッとして終演。
最後のエンドロードで山口祥行の文字を発見。
見張ってた刑事がそうらしい。まったくわからなかった。
ずっと"胸が苦しい"....
チラシやポスターには誇張があります
北村匠海さんと綾野剛さんと林裕太さんの3人が演じる役が仲良し、みたいに作られたチラシやポスターには誇張があります。
その感覚で観ると肩透かし。綾野さんと林さんの役は会ったことも無いし、会うこともないお話しです。
闇バイトの実態をある程度描いているのは興味深いけれど、それに関わる各々の人間像が深い処まで描けていないような気がします。それで感情移入が難しいです。
北村さんの盲目の仕草は目が見える人が目を瞑ってやっている感じしかしなくて、これは北村さんの演技が悪いのではなく、脚本と演出がダメなことが分かる場面だと思いました。
そういう場面が多かったです。
全体として期待ハズレでした。
現代社会の
闇ってとこかと思い観ていたが、もはや闇でもなく、普通に生きている人でも道を外せば、ありえる話なんやな〜。怖い怖い。
パパ活、戸籍売買、生活保護ピンハネ、奨学金返済不能
臓器売買くらいになると完全に裏の人絡むやろけど、、、
闇バイトが身近にあるってことやもんなあ。
物価高で、生きづらい世の中やから余計やな。
北村匠海さん、林裕太さん、綾野剛さん
皆良かった😀
パートごとに分かれて掘り下げてたのもわかりやすくて良かった😀
時間あれば、山下美月さんも掘り下げて欲しかったけど、、、
観ていて怖い部分もあったけど、だからこそ伝えたいことがはっきりしていて良かったです😎
林裕太さんは、最後どうしたんやろ?
元の生活に戻って欲しいね😎願望笑笑
パンフレットみるかな。
エグい、切ない、キャスティングいい
まったくどんな話か知らなかったが想像以上にエグくて怖い。北野武の映画は映画的に怖面白いのだけど、これは映画的かどうかはわからないが何がどうなるか不明なところもあって油断できず、その緊張が最後まで持続する。原作に近いのだろうか。
また、キャスティングが素晴らしい。好きな役者が一斉に集まってる感じで、北村匠海は役的にもドンピシャ。しかし本当に器用な役者だな。綾野剛は『横道世之介』辺りの新鮮さがある。綾野剛は男友達(特に後輩)と戯れるのがいいのがよくわかった。林裕太はもらわれてきた子犬のようでほんとかわいいし。あと敢えて言わぬがおじさま方がとてもいい。ロケーションも新宿でよくぞ、というところで踏ん張っている。
ただ、同じネタ&原作を、欲を言えば、、若き日のスコセッシみたいなのが撮ってたらな、とかを思ったりしてしまうが、でも永田監督ならではのウェットというか、情緒というか叙情というか、橋からみえる川に捨てられた自転車とシャツ、見下ろしてる男の背後の光と風(ラストカットにも繋がる)、この辺が日本人のドラマとして良かった。
新宿の半グレ集団の末端員達の姿を3者の視点で描いていく。助け合う関...
良い意味で、
もう観たくないです
二度と観たくない傑作という言葉が良く使われますが、まさしくこの作品に当てはまると思います
序盤からやってる事は犯罪なんだけど、
それぞれのバックボーンを知ってしまうと
もう、この人達は悪くないと思ってしまう
最初の証明写真の所で撮った、
笑顔あふれる幸せな写真を観てるからこそ、後半がさらにしんどくなる
もうやめて、もう幸せになってよ
観ている最中何度もこの言葉が脳をよぎる
闇バイトの世界の怖さもしっかりと描けている。
抜け出せようにも抜け出せず、
どんどん人格が変わっていき、
どんどん欲望が増えていく
そんな制度の中に色々な事情によって落ちていってしまった人達の話である今作は
本当に本人達が100%悪いのかと問われている作品だった
幹部達の、普通の話し方からの豹変ぶりがこの社会の怖さを増やしていた
剣士の車での逃走劇は、緊張感や、それぞれの感情描写が丁寧でとても引き込まれた
剣士のポジションが丁度曖昧な立ち位置で、そこで揺れ動く様子を綾野剛さんがリアルに演じられていました
過去編を挟む箇所も丁度感情移入しやすい所で挟んでくれていて、より作品に没入できました
ただ、観た人なら絶対に脳みそにこべりつく、あの目玉のシーン。
あそこにはちょっと不満があります
予告編を観て殴られるなどの暴力描写があるのは理解できます。
しかし、あそこまでのグロテスクなシーンをホラー演出のように、いきなり観させられたら、グロ耐性がない人はかなり厳しいのではと感じました
僕はグロはある程度ならいける方ですが、
あのレベルのグロ描写を観に来たわけではありません
映すことでとてもインパクトのあるシーンになったのは間違いないです。
ただ、映すにはもう少し観客への配慮が必要だったのではと思います
俳優さん方の魂の演技や、ラストの切なすぎるストーリー展開、
剣士とタクヤの最後の食事シーンのショットなど、映画としてとても良い作品でした
良かった!弟想いだった兄と、兄の暴力受けて育った弟。三人の生き様にエール!
THE SEVEN 初の劇場映画作品。
中々食指が動きづらい内容作品かと思われましたが、観て良かったです。
反社の暴力団に繋がる半グレ集団。人生積んだ奴等の戸籍を買取ビジネス。そして外国人へ売り渡す違法臓器売買など。中々興味ある内容展開でした。
暴力団絡みせず、チャカが出て来てドンパチを全くしていないところがGoood!
不遇な環境でこの世に生まれ育ち、そしてこの街に流れ着いた3人の男達。
・松本タクヤ(役:北村匠海さん)
・柿崎マモル(役:林裕太さん)
・梶谷剣士(役:綾野剛さん)
彼等それぞれの視点で話展開が語られて行きます。
この世界から抜ける事は難しい。一度の甘い誘いと罠にハマり ドンドン上から利用される3人。生まれも育ちも不遇で、まさに愚か者その者。
しかし、人の持つ心の何処かに これじゃいけない、真っ当に生き様とする考えが芽生える。
それは 何時なのか。いつそれが叶うのか。
失くした想いを埋めるが如く、弟の様なマモルを何とかこの世界から守ってやる兄貴分のタクヤ。そして 彼等の想いを感じた梶谷の優しさ。彼もまた今の彼女がもたらす普通な生き方を望んだのだと思う。
不遇な生き方と、普通の生き方とは何か?
愚か者が手にする金はいつまでたっても真っ当な綺麗な金には成らない。
汚い金で暮らすと生活自体もやがて壊れてしまう。そう思うのです。
タクヤが亡くなった親から教わった魚の料理。
この心ある味が人を正しき道に導いてくれるのだと 私はそう悟った。
亡くなった弟を 心の何処かに取り戻したかったのだと そう感じます。
兎に角、俳優陣はどなたもリアルな味が感じられて素晴らしい。
金歯のジョージに、内偵の前田に。裏切りの佐藤に、そしてGPS追跡の海塚。
目が見えないタクヤと、金の流れと話展開は秀逸さを感じます。
ご興味御座います方は
是非、この男達を観に
劇場へどうぞ!!
身分相応な幸福感度が必須。
ストーリー、テンポ、途中の逃走劇からメールでの起死回生からラストの味まで好きな感じやった。
悪に染まりきれない良心が残ってるのと、後味の悪くない感じが。
刑事のオトリ姿がプロフェッショナル過ぎてワロタ。
思ってたより怖かった
同じ年頃の子供がいます。ふとしたことで誘われて、戻れなくなっていくところが怖い。お前も来いって言われて、そんなつもりじゃないのに断れないところも怖い。臓器移植の話も怖い。若い子も見て欲しいと思った。
3人の男を通してみる裏社会の深み
綾野剛さんの雄弁な背中
この映画は、我々観客の常識的な理解力に対して、かなりの無理筋を強いてくる。それなのにあまり引っ掛かることなく最後まで見れてしまうということはそれだけ何かが優れていて、最終的には映画作品として力強いものとなっている。
無理筋例① タクヤくんの目玉くり抜き
腎臓や眼球は、脳死でなくても、つまり心停止後であっても、移植可能らしいが、だったらキッチリと殺して、遺体を病院に運んでからそれぞれ取り出すようにするのでは?
逆に生体のままでないと移植は難しいのなら麻酔をかけてから運ぶはず。
どちらにしても、素人が荒っぽくくり抜いたら肝心の網膜(角膜?)も傷ついて使い物にならなくなるリスクはかなり高いのでは?
無理筋例② 希沙良さん自由に泳ぎ過ぎ
女性が悲惨な目に合うような顛末は見たくないけど、物語りの展開上、そんなに簡単に追っ手を振り切れる?
【優れている何か】
言うまでもなく、主役3人のリアルな存在感。
タクヤとマモルの関係性はきちんと描かれていたけれど、梶谷が自分の危険を顧みずタクヤを救うことになるほどの関係性は物語の展開の中ではそれほど強くない。多少の同情はあっても、以前から裏社会に生きる梶谷を動かすほどとは思えない。それなのに、ラブホの風呂で、互いに全裸になり洗髪してあげるシーンひとつで有無を言わさない説得力が生まれる。綾野剛さんの細マッチョに鍛えあげられた肉体。これほど雄弁な背中は『悪い夏』の窪田正孝さんの上腕二頭筋以来かも知れない。
※本日の予告編で『爆弾』と『盤上の向日葵』が流れていました。
どちらの原作も心が激しく揺さぶられます。
『爆弾』の方は既に続編が刊行されていてこれもまた第一作に引けを取らず面白いのです。
両作品とも〝読んでから観る〟〝観てから読む〟どちらであっても2回3回と大いに楽しめるはずです。
怖さが良く伝わって来る
予告編から楽しい作品ではないことは予想できたが、キャスティングに期待して観賞。
【物語】
闇ビジネスで生活しているタクヤ(北村匠海)と弟分のマモル(林裕太)。彼らの仕事はSNSを使って生活に困窮し、現在身の上に絶望している男を探し出し、戸籍売却を持ちかけて買い取り、他人の戸籍が欲しい人間に高値で売り付ける商売だった。
そんな世界に暮らしながらもごく普通の若者である二人はいつかそこから抜け出したいと思っていた。あるとき、自分を闇ビジネスの世界に誘った兄貴分の梶谷(綾野剛)の力を借りて、タクヤはその世界からの脱出を実行に移そうとしていたが・・・
【感想】
予告編から想像した以上に怖い作品だった。
まず、脚本が良く出来ている。構成、ストーリー展開、会話に破綻が無く自然。闇社会がリアルに感じられたし、だからこそ中盤の“怖いシーン”がビシビシ伝わって来た。
役者もいい。
北村匠海、綾野剛は期待通りというところだがマモル役の林裕太も良かった。 (記憶の中では)初めて観た役者だが、ブレイク前の菅田将暉を“そこのみにて光輝く”で観たときのことを思い出した。このときの菅田は主人公演じる綾野剛を兄貴分として慕う“愚か者”だったのだけど、そのリアルさに感心し、印象に残った。それに近いものが有った。
ただ、本作の唯一の不満はタクヤが負った“怪我”のその後の扱い、そこだけはリアリティーを欠いた。あの“怪我”が素人手当で済むわけがない。あそこだけは筋書きをひと工夫して欲しかった。この手の作品だと信頼できる闇医者に担ぎ込むのが常套手段だが、ありきたりでもその方がずっとリアリティーを確保できた。
全体としては、刺さるものがあり良かったと思う。
今どきの闇バイトに興味を持ってしまった若者に、この世界に落ちてしまう前に観て欲しい作品。
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