愚か者の身分のレビュー・感想・評価
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胸が苦しく、余韻が長引く…。目ん玉の件、病院が先では?
闇の世界の中で生きざるを得なかった若者たちが、それでも「生き直す」道を探そうとする映画です。
作品にはとても厳しい描写も多く、正直、私は観ていて胸が苦しくなる場面もありました。現実の重さや、人の弱さがあまりにも生々しくて、少ししんどかったです。
それでも、登場人物たちが見せるささやかな優しさや、誰かを思う気持ちには救われる瞬間がありました。
闇の中にいても、わずかに差し込む光を信じたい-そんな想いが静かに心に残ります。
決して軽い気持ちでは観られない作品ですが、だからこそ、人が愚かであることの中にも希望を見つけられるような、深い余韻のある映画でした。
観終えたあと、描写の気持ち悪さを引きずりつつ、自分の中の「弱さ」や「優しさ」について、そっと考えさせてくれる一作です。
目ん玉の件。病院に先に行ってほしいものです…。
弱者男性からの搾取
日本の映画で裏社会とか貧困を描くと、どうしても弱者として扱われ、搾取されるのは女性になりがちだが、本作では社会的な弱者に陥った男性たちが、抜けられない搾取の連鎖の中でもがく姿が表現されている。
かなり後半まで地獄なので、ずっとムナクソが悪いが、最後に一時の光明が差す。
しかし、その時間は長く続かない。
そんな空虚な一瞬だからこそ、今という瞬間が尊く愛おしい。
歌舞伎町や都庁といった、「東京」を象徴する場所を背景にして、この国の首都は、まだまだそこに暮らす人々にとっての「後進国」であることを忘れてはいけない。…
そんな映画。
まずは主役の男性3人の好演。山下美月も良い。
しかし、本作で唯一の「太陽」、木南晴夏のパワーときたら。
『悪い夏』では弱者女性の「陰」の部分をほぼ独りで背負っていた彼女。
スーパー前で登場した後、ほぼ電話での声しか出て来ないのに、スクリーン内どころかスクリーン越しにそのポジティブなオーラが広がる。
「彼女は無事であってくれ!」
そう思わずにはいられない。
いわゆる戸籍ビジネスの暗部をかなり詳細に見せてくれたノワールサスペンスとしては途中でダレる時間もなくテンボも早いが、お話全体の構図は先日の『ホウセンカ』にも似ていて、それほど目新しいとは思えず、役者たちの良さが引っ張っている印象になっているのが惜しい。
最後の「え?あの人!」も良かったよね。
壮絶すぎた
闇バイトに手を出してしまった若者が足を洗う話だと思ってたら、全然違うどころか、さらに過酷だった。
そういえば若い頃、何やったのか、戸籍売ったかも知らないけど、死んだことになってる知り合いがいたことを思い出した。
全部金歯という気持ち悪いビジュアルのジョージと、怖いけど妙に小物感が漂う佐藤から如何にして逃げ切るのか、映画と分かっているのに気が気でない。
かなり衝撃的なシーンもあるから、容易にオススメはし難い。
あれで生きていられるのが逆にすごい。
終盤、前田さんの再登場と正体には驚いた。
矢本悠馬さんだと、あとあと絡んでくるだろうと想像つくけど松浦祐也さんは、重要な役からワンシーンだけまでいろいろ出てるから、予想しづらい絶妙なキャスティング。
しかしなんといってもマモル役の林裕太くんが素晴らしかった。
魚を食べる、ふとした瞬間のワンシーンで、マモルがどう生きてきたのか分からせてしまう、根性焼きと怯えの表情。
そしてタクヤがなんとか守ろうと思わせる、圧倒的な弟感。
『HAPPYEND』の5人組の1人だったのね。
ふた通りの結末が想像できる終わり方も好き。
マイナス0.5は、あんな描写があるとは聞いてない。
上映時間短くはないけど、薄めの展開でした
原作は読まずに見てきました。特殊詐欺やネットで募集する強盗のような、今どきの闇バイトの話かと思いきや、戸籍売買や臓器取引などある意味古典的な犯罪で、ちょっと拍子抜け。他の半グレグループとの構想とか、小説ではもっと広がりがあるのかもしれません。
鬱々とした空気を纏う最高級のエンタメ作品!
闇社会で生きる愚か者たち
闇世界に身を置かざるを得なかった若者たちの話しですが、説教臭くなくて、ハラハラドキドキの面白さと暴力や疾走感が混在するエンタメ作品だと感じました
大満足です!
観たあとに様々なインタビューを読み、もう一度確かめたい、と思えるシーンがあるほどです
社会問題×エンタメ
闇から抜ける困難、諦めながら生きていくしかないことの残酷、現実世界の鬱々とした空気は纏っていますが、脚本にはエンタメに大きく振れる養分が散りばめられているので、「楽しめる」要素がたくさんあります!
セリフにも映像にもこだわりが感じられる骨太な作りなのに押し付けがましさ皆無の稀有な作品、社会性ある内容なので多くの人に伝わればと思います
楽しめるポイント
闇社会の鬱々とした世界を描きつつも、ブラックジョークにも思えるセリフ、展開、いちかばちかの逃亡劇、暴力、見応えあるアクション、逃亡先でのふたり、そうだったのかぁーの刑事登場!
他にも隠された要素があるかもですが、細かく散りばめられたセリフや映像がラストに向かって繋がっていく流れは爽快でした
悪3人の描き方や激しいアクション含め、エンタメ要素が盛りだくさんな脚本には楽しめるポイントがたくさんあります
だからといって、
大雑把な作りなのかと言えばそうではなくて、セリフ、映像、心を鷲掴みにされるシーンがたくさんありました
たとえば食事のシーン、
過去映像で多く語らずとも、マモル、タクヤの育ってきた家庭環境、梶谷がどんな人間なのかが伝わるのです
心に残るセリフや思い出しても泣けてくるシーンがあります
細部にこだわるディテール、リアリティと緊張感を追求する演出、美術、特殊メイク、全てが合わさって素晴らしかったです
最後に
永田琴監督の視点、役者への繊細な演出、優しい視線や呼吸、大胆で残酷なカット、多様な要素を混ぜて合わせて組み立てての怒涛の130分!生きるパワーを受け取る感覚もあり"逃げろマモル"って気持ちで迎えるラスト
ラストのマモルの表情が何を物語っているのかは、観る人に委ねられているんだと思う
許される生き方ができてやり直せる未来があると信じたい!けれど、マモルの表情には孤独と不安が見て取れて、簡単には変われない未来を暗示しているように感じた
選択を誤り闇の世界を生きた代償はあまりにも大きい
北村匠海さん林裕太さん綾野剛さん
3人が素晴らしいのは言うまでもありません!
配役がこの3人で良かったと心から思える映像作品でした
この3人だから最高でした!
ぜひ3人のこと映画館で見届けてください
エグいけどギリギリ救いがあった
前日にミーツザワールドを見ていてそれとの対比もおもしろいです。こちら方がハラハラドキドキする展開にいてもたってもいられないのとおもわず目をそむけたくなるようなエグいシーンもあるのでインパクトがありました。
北村匠海は朝の連ドラ「あんぱん」で優しいけどちょっと頼りない役をやっていましたがこの映画では戸籍売買に手慣れた裏社会の輩を演じていてハードなシーンもあり幅広な演技がなかなかよかったです。
この映画に登場する人物はみんな「事情」を背負っていて自分のせいだけではないある種不可抗力的にこの世界に関わっている人たちで悪いことをしているんですが同情するところがあって切なさを感じます。後半の展開はとにかくエグいです。裏社会の残酷さはわかるのですが映画館の巨大スクリーンで見るとおぞましさ倍増で気分が悪くなるほどでした。後半はスピード感があるのであっという間にエンディングです。そこではとにかくこの人たちを救ってほしい気持ちで気もそぞろでした。私はなんとも後味が悪かったですがギリで救いがあるのがよかったかな。あのアジの煮込みは格別においしそうでしたね。
朝新宿の駅を降りて映画館まで歩くと酔いつぶれたのか帰る場所がないのか若者が地下道の角でぐったり座り込んでいるのをたくさん見かけました。その姿とこの映画を重ね合わせてみると座り込んでる若者にも何か背負ってるものがあるのかなと思えてきました。新宿はそんな人も映画に出てきたような居場所のない人、金に困った人も、良いも悪いもすべて呑み込んでくれる、受け入れてくれる街だなとしみじみ思うのでした。前日に見たミーツザワールドも同じものを感じます。見終わった後歌舞伎町の街をぶらぶらしてみました。日曜昼ということもあって観光目当ての人でごたごたしていましたがなんか楽しそうでいいなと思いました。新宿は懐が深い。ミーツザワールドとこの映画は是非新宿で見てほしいです。
キャスティングと構成が絶妙
マモル
視点で見てしまった
北村匠海君も綾野剛さんも林君も
皆良かったけど
マモル役の林君の演技がたまらなく良い
純粋な舎弟
真っ直ぐな心のマモルを見事に演じていた
犯罪に手を染める若者たち
結構血が出てきて、となりのお姉さん何度も顔を手で覆ってました笑
苦手な方は少し覚悟して観てね笑
北村匠海君ファンは辛いかも笑
あの被害者、実は警察だったのね👮♀️
想像してたより…
題材に興味があったので上映前から楽しみにしてた作品。
安っぽい映画になってたら嫌だなって思ったけど、想像してたよりすごく良い作品で130分があっという間だった。
戸籍売買で稼ぐ若者の話で、タクヤ、マモル、梶谷の3人の視点で描かれている。
ノワールものって観終わった後に救いようがなくて心がぐったりするのだが、これは観終わった後、真っ暗闇の中にわずかな光があって不思議とぐったりはしなかった。
好きなシーンは色々あるけど、
まずは、タクヤが家に帰ってきた後のところ。
実際にあの部屋で何が行われてるか直接的な描写はなかったけど、どうなったか先にマモル視点でわかっていたのであのシーンは恐ろしかった。
次はタクヤの飯を作るシーン。
目がなくなっても、体は覚えてるから上手に魚を捌くし、おにぎりもにぎる。何より飯が美味しそう。
あと2人が2段ベットの下で向かい合って話してる場面。
ベットのライトがマモルはオレンジっぽい色、タクヤは白っぽい色でこれが対比になってるところもよかった。
そして個人的にぐっときたのが、マモルがタクヤの部屋を掃除してる時場面。
マモルの腕に結束バンドの跡が赤く残っているところがよかった。神は細部に宿るじゃないけど、そういう細かなところがこの映画の作り手に対する信頼がより強くなった。
というか、好きなシーンが多すぎる。
これ以上書くとキリがないから割愛。
キャスティングも良くて、
綾野剛は言うまでもないが、北村匠海がいい俳優になってるなと改めて実感した。
マモル役の林くんも瑞々しさがあり、今しか出せないあの感じがいいし、何より彼は目が凄くいい。
3人以外のキャラもよくて、
ジョージの金ピカの歯と髪型とガタイの良さなど全部が気持ち悪くてこわいし、中国人夫婦の金で全てを掌握してそうなあの風貌(最近逮捕された某宗教団体のトップ風)もぴったりだし、佐藤のぎょろっとした大きな目にどっぷりとした体型がこれまた胡散臭くていい。
だめだ、これも好きなキャラが多すぎてキリないから割愛。
ただ1点だけ、目をくり抜かれた後ってあんな感じで動けるのかな?とは疑問に思ったけど、エンドロールで眼の監修が入ってたからまあそこはいけるということか…とそこだけ引っかかった。
だけど引っかかったとしてもそれを遥かに上回るくらい物語が良かった。
私自身、闇バイトに加担した若者の裁判を傍聴したことがある。理由の多くがギャンブルによる借金などこれだけ見れば自業自得に思えるが、その個人の背景を紐解いていくと生育環境に問題があることが非常に多い。
実際に私が裁判でみた若者もマモルのような生育環境だった。
マモルやタクヤは決してフィクションでない。
今もどこかにこの2人のような子はいる。
そんな子達を社会は見捨てず、どうすることができるのか考えるきっかけのひとつになればいいなと思った。
契約の自由
三身一体の妙
登場人物のほぼほぼが、
なにがしかの悪事に手を染めている。
もっとも主人公たちの行為は
あまりにもさりげなく、誰の身近にもあることのように描かれるため、
観ている側は強く反応することはない。
が、結局は皆々が罰を受ける。
行いに対しての軽重はあるにしろ、
本作ではそれなりに因果律が働いている。
『タクヤ(北村匠海)』は歌舞伎町で
戸籍売買ビジネスを生業にする若者。
SNS上で女性になりすまし、
コンタクトして来た男たちに話しを持ち掛ける。
年下の『マモル(林裕太)』は『タクヤ』の誘いを受け、
同じビジネスに手を染める。
『タクヤ』に戸籍売買のやり方を教えたのは、
裏の便利屋として働く『梶谷(綾野剛)』。
もっとも彼は『タクヤ』を裏社会に引き入れたことに
後ろめたさを感じている。
若い二人が犯罪に手を染めた元凶は貧困。
わけても『マモル』のそれは、
ネグレクトも絡み生々しい。
ただ、犯している罪を除けば、
共に酒を呑んでバカ騒ぎをする、
イマドキの若者と何ら変わることはない。
作中では過去と今が、
静かな筆致で語られる。
主要な三人はどこかしら似ている。
目下の者を思いやる心や女性への優しさ、
旨いものには素直に感動するところを含めて。
実際は一つの人格を
物語り進行の都合上、
三つに分けている印象を受ける。
これだけ悪について分け入っているにもかかわらず、
暴力的なシーンは僅か。
一方で直截的に描写は無くても、
後の事態の方がより恐ろしい表現はあり。
静謐さと併せ、
本作の特徴かもしれない。
『タクヤ』が自身へ嫌疑が掛かることを予感したことから、
物語りは大きく動き出す。
出し抜く手立ては鮮やかも、
大きく我が身を損なう代償を支払う。
瞬間、三人が一体となるのだが、
最後のシーンを含め「もののあわれ」を感じずにはいられない。
狭い裏社会を支配する大人たちへの
若者の一種のレジスタンスにも見える。
原作は六年前に発表された小説も、
時代とのシンクロに驚かされる。
優れた作品には往々にしてあることだが。
一度犯してしまったら、
逮捕されるまで辞めることができない「闇バイト」の例は相似。
加えて、戸籍を買う側の理由が
つい最近に起きた補助教員による
教職員免許詐称事件と同じなのには背筋がうすら寒くなった。
いちばん怖いのは人間
本作を観て、
あらためていちばん怖いのは人間だなと実感。
ホラー映画がかわいく感じるくらい人間への嫌悪感を
抱いてしまった。
半グレ組織から闇バイトを請け負う
タクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)。
いつかは抜けたいと考えるものの、
酷いことに巻き込まれていくわけだが、
この二人もやりたくてやっているわけではないのだ。
そうでもしないと生きていけないのが悲しい。
弱みにつけこんで金を巻きとる、暴力でねじ伏せる、
人権無視、人の命なんて何とも思っていないなんて、
とんでもないなと思う。もう人ではないと思うのだ。
こういう作品では、とんでもないなと感じた
『狐狼の血 LEVEL2』、『ファミリア』あたりを
思い出した。
タクヤが眼球を抜け取られ、さらには腎臓まで取られよう
とする最中、懸命に助けようとする梶谷(綾野剛)には心が
震えた。半グレ組織が警察によって一掃されるなか、
関西まで逃げおおせたタクヤと梶谷。
そして、タクヤから託された金と頼まれごとを終えて、
橋の上から何かを思うマモル。
そのエンディングには微かな希望と光を感じた。
タクヤとマモル、タクヤと梶谷、
それぞれブラザーフッド的な意味合いも感じた。
食い入るように観たので
映画としては良い作品なのだが、
どうしてもフェイバリットにはならないし、できない。
だが、永田琴監督の手腕と俳優陣は心から賞賛したい。
特にマモルを演じた林裕太は今後も楽しみな俳優だ。
知らないのにリアルだ」と感じる私たちの愚かさ
現代日本の裏社会を描いた映画は数あれど、『愚か者の身分』ほど“リアルとは何か”を観客に突きつける作品は久しくなかったのではないだろうか?
この映画が巧いのは、いわゆる実録風の演出でも暴力描写の生々しさでもなく、「知らない世界なのに、なぜか知っている気がする」という感覚を観客に植えつけてしまうこと。大量に並ぶスマートフォン。その裏側に貼り付けられているのは女性の名前が書かれた付箋紙。GPSを二重に仕込み、一つは見つけられることを前提に置く知恵。どれもが過剰演出ではなく、淡々と日常の延長線上に置かれている。だからこそ怖い。この映画の恐ろしさは、暴力そのものではなく、「犯罪が既に産業として日常に溶けている現実」を描いている点にある。
北村匠海、林裕太、綾野剛が演じる三人の若者は、いずれも貧困や家庭環境によって裏社会に流れ着いたが、悪人になりきれない。彼らは金を稼ぐ手段として、闇ビジネスを“仕事”と呼ぶ。だが、そこには熱も誇りもない。「生きるために仕方なくやる」という言葉が、いかに多くの現代の言い訳を代弁していることか。観客が見ているのは彼らの転落劇ではなく、「生き延びるための合理化」の過程。そして彼らが“逃げ切った”と思った瞬間に漂う安堵が、最も冷たく響く。法の手が及ぶかどうかは描かれない。けれど、その後に待つのは確実に“普通の人生ではない”ことだけが分かる。この曖昧な幕引きこそが、現実の残酷さを最もよく再現している。
監督・永田琴と脚本・向井康介の手腕は、説明を削ぎ落とす勇気にある。登場人物の誰もが、何を考えているのか、どこまで罪を自覚しているのかを語らない。だが、肩を抱くために近づけられた手に反射的に怯える様子、視線を逸らす沈黙、ため息に混じる笑い――
そうした“無言の反応”が、言葉より雄弁に彼らの破綻を語る。人間のリアルは、言葉ではなく「出さない感情」に宿る。この演出の繊細さが、いわゆる“邦画の社会派”を超えて、痛覚としてのリアリズムを生んでいる。
そして忘れてはならないのが、「視覚」を奪う暴力の描写。生きたまま両目をくり抜かれ、しばらくは自分の失明に気づかない――この場面は生理的恐怖を超えて、存在を剥奪される痛みを通じて“社会の中で見えなくされる人々”の象徴を提示しているように感じた。
結局、三人は誰も救われない。悪を選んだというより、他に道がなかった。けれど、罪は消えず、代償はあまりに重い。彼らの「愚かさ」とは、無知や軽率ではなく、希望を信じる力を削がれた人間の痛みそのものだ。“愚か者”とは、犯罪者ではなく、構造の中で押し潰されていく「私たち」でもある。
本作は、救いのない映画だ。だが、絶望を描くことを通じて、いまこの国の底にある現実の温度を伝えている。見終わった後の静かなざらつきは、映画が終わったからではなく、まだ現実が続いているからだ。この作品がリアルに感じられるのは、裏社会を暴いたからではない。むしろ、私たちの日常のすぐ裏に、その「愚か者の身分」が続いていることを、誰もがうすうす知っているからではないだろうか。
クズに
温かいご飯を食べる幸せ
ハラハラ、ドキドキ、痛々しい場面もあるけれど3人がそれぞれの思いを背負って生きる姿が胸熱でした。
人の温もりが恋しくなる♡誰かと一緒にご飯が食べたくなる♡大丈夫だよってムギュう~って丸ごと抱きしめたくなる♡そんな作品でした♡
家があり、ご飯を食べ、お風呂に入ると言う光景が描かれているけれどそれが当たり前ではなかった日常。
雨風凌げてご飯が食べられるそれだけでいいと言う若者・・・
若者にそんなことを言わせていいのか〜日本!
純粋無垢だから壊れやすく、染まりやすい。
子どもたちには夢を持って生きてほしい。
願いを込めてたくさんの方々に届きますように
あるショッキングなシーンにより内容が頭に入りません
貧しい家庭で育ったタクヤとマモルは困窮している人間の戸籍を売買することにより生計を立てていた。ところがある時、タクヤは同業者の先輩に裏切られてしまう。そこへタクヤの古くからの仲である梶谷が手を差し伸べる。彼らは裏社会の組織から脱却することはできるのか…。
上映終了後開口一番に出てきたのは、グロすぎるだろ、である。
ネタバレ100%で言う。生きてる人間の眼球をえぐりとるのはショッキングすぎる。そして、アンラッキーなことに、本作はホラーシーンの魅せ方が秀逸である。このダブルパンチを食らい、見事にトラウマを植え付けられてしまった。タクヤの動かない後ろ姿、そこから顔を見る女友達のリアクションは100点満点である。そして、頼むから絶命していてほしい状況で動き出す輸送ケース。眼球が無くなったことに気付いた時のタクヤの反応はこれまた満点なのである。ストーリーも良くできていて、できればそちらに焦点を当てたいが、これらのショッキングシーンは本作のピークと言わざるを得ない。こんなに画面を観るのが辛くなったのは久しぶりである。ホラー系ではないと油断している状況で、不意に立てられた刃物ほど深く突き刺さるものはない。何年か経って本作を思い出した時真っ先に思い浮かぶのはこのシーンだと思う。
本作はPG12となっている。大人が観てもトラウマになるので、年齢制限のことはどうでもいいが、判断能力の低い子どもが観ることで悪影響を受ける点が3点考えられる。
まず1点目は、上記の通りとんでもないグロテスクなシーンがあること。2点目は、裏社会の詐欺行為を知ってしまうこと。3点目は、詐欺行為をしている主人公達をヒーローのように描いてしまっていることである。主に3点目が問題のように感じる。本作は裏切った人間が逮捕されハッピーエンドのように終わるが、これは間違っている。タクヤ達も罪を償うべきである。同組内の裏切り行為など世間一般の人間からしたら知ったこっちゃない。私は全員が逮捕され更生することが本当のハッピーエンドだと思う。判断能力の低い子ども達が本作を観て、相手のことを思いやれば詐欺をしてもいい、悪いことをしても逃げ切ってその後で反省すればいい、などと思ってしまってはまずい。
色々問題はあるが、ドラマとしての面白さは申し分ない。マモルを助けるタクヤ、タクヤを助ける梶谷、普段は気の弱い梶谷が命懸けでタクヤを助ける決心をした瞬間には胸を打つものがある。
おすすめしたい映画ではあるのだが、知人に何も言わず薦めたら反感を買ってしまいそうである。それくらいの映画であるため、鑑賞する際は心の準備をお願いしたい。
想像や予想を上回った作品でした
まず結論から言うと、素晴らしい映画とストーリーでした。各キャラクターを順番にフォーカスを当てて、埋まっていないピースを埋めていくという流れが進めば進むほど、いい意味で驚きと裏切りがあり後半はどうなっていくんだろうと目が離せませんでした。少し変な表現になりますが、前半の流れを観ていると何となく先が分かってしまう結構よくあるパターンかなと思って舐めてました。ところが中盤以降、最悪な方向に進みだして更にまさかの展開に二転三転なっていく所は非常に考え深くなりました。幼く、弱い人間たちの愛、信頼、友情が色濃く表現された映画だったと思います。脇役の人達(良い人も悪い人も)も独特で良かったです。ラストシーンも一瞬ん?と思うのですが、そのすぐ後に意味が分かった瞬間うるっときました。バイオレンスでダークでアウトローな内容ですが是非フラットな感情で観ていただきたい作品です。
全279件中、201~220件目を表示
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