「愚か者とは誰だ?」愚か者の身分 ふくすけさんの映画レビュー(感想・評価)
愚か者とは誰だ?
タクヤは悪党として登場するが、次第に人間味を見せ、いいやつとして描かれる。
タクヤは病気の弟を助けるために自分の戸籍を売って金を作る。
マモルに亡くなった弟の影をみて、なにくれとなく世話をする。
やばい案件に巻き込まれて金を得たうえでマモルを逃がそうとする。
梶谷も善意にあふれている。
タクヤもマモルも梶谷も善性の人たちが犯罪に手を染めている。
善なるものが貧しさの故に悪に染まり、抜け出せなくなる。
闇ビジネスに取り込まれてしまう若者たちを私たちは「愚か者」として扱ってきた。
頭が良ければ、そのような悪の道に入らずに済んだのだろうか?
タクヤもマモルも公的なものに頼る気配はない。
比べて、ジョージや貝塚は腐りきった外道だ。中国人の老夫婦も同じようなものだ。
タクヤたちとジョージたちの違いは何なのだろう。
タクヤは両目をえぐられて、それを受け入れている。
常人にとってはこれ以上の不幸は無いように思えるが、その受容の裏に深い絶望があるとしたら恐ろしい話だ。
しかし、私はタクヤもマモルも逃げきったと思いたい。
でもそんなはずはないよね。
弾劾すべきは若者を見捨てる世間なのかもしれないが、それを背景としつつ、この映画に若者たちへの優しい眼差しを感じずにはいられない。
監督は永井琴。なるほど女性監督。
さまざまな伏線が次々と回収される。お見事。
こんばんは✩︎⡱共感とコメントありがとうございます。あのリアリティは俳優陣の演技の素晴らしさが作り出してますよね。梶谷がタクヤを逃すか病院に連れて行くか葛藤したシーンも好きでした。
ふくすけさん、おはようございます
共感とコメントありがとうございました
そうなんです…あんな乱暴にくり抜いた目は使い物になるのか、痛み止めで治まるものなのか…魚さばいて食事できるくらい回復するものなのだろうかなどと考えがちですが、着目するところはそこじゃないんですよね
もし続編が出たら私も結局観てしまうと思います
あの3人がどんな身分になるのか知りたいです
ふくすけさま
共感ありがとうございます🙂
グロ耐性ゼロの私がギリOKだったのは、女性監督と女性原作者の、母性のような包容力を感じたからだと思います。
最後の刑事がパパ活焼肉の囮捜査官だったのは、最高の伏線回収でした。
「賢者の贈り物」のようなラストと、エンディングの「人間讃歌」に泣きました🥲
※アイコンが昭和レトロ喫茶店のプリンみたいですね😙
★共感ボタン&コメントありがとうございます。
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> さまざまな伏線が次々と回収される。お見事。
まさにその通りの作品でしたね。
時間を置いて、また観たいと思います。
この作品の興行収入がふるわないのが残念でなりません。




