劇場公開日 2025年10月24日

「堕ちてもなお大切な人を想えるか」愚か者の身分 まっちゃまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 堕ちてもなお大切な人を想えるか

2025年11月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

半グレの下っ端で詐欺を働き戸籍売買を行っている若者たち、その世界に入ることになった始まりは、お金が必要ならば取り敢えずやる?とあまりに簡単で、そこまで追い込まれてしまった現実がある。兄弟分らしき関係の3人それぞれの同日の様子が描かれていて、この手法は観客を想像させ答え合わせ的要素も含み、釘付けになる。犯罪者達を見ているのだが、つい逃げ延びて欲しいと思ってしまうのは、彼らが人を騙しつつも大切な人を想える心をまだ失っていなかったから。矛盾するけれどそこが何とも痛々しく心動かされるところ。
不幸な状況でとにかく手段選ばずお金を手にするという選択をしてはいけない、という戒めを感じるには、あまりに叙情的で切ない。そして出来れば真っ当に生きて欲しい、と願わずにはいられない若者達の人生が描かれている。北村匠海の堂々たる主演の横で生き生きと輝く林裕太がとても新鮮で良かった。

コメントする
まっちゃまる
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。