劇場公開日 2025年10月24日

「傷だらけの天使」愚か者の身分 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 傷だらけの天使

2025年10月31日
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鑑賞方法:映画館

夜の街を彷徨うタクヤ。マモル。
川に捨てられた自転車。
流れていくシャツ。
魚の煮付け。
マモルにも食わせてえ。
ラストシーン。
レビューを書こうといろいろと思い出していると涙が溢れてくる。

バッドランズの安藤さくらのように、悪い奴らや警察の手から逃げ切って裏稼業から抜け出す痛快さや希望もない。
アメリカン・ニュー・シネマの主人公たちのような輝いて散っていくカッコ良さや絶望もない。
この映画がつきつけてくるのは、めんどくせぇけど諦めきれない若者たちの日々と、どうして生きていけばいいのかわからない明日。
そして残酷にも温かく見守る作者の優しさがある。
人間讃歌が胸を打つ。

ちょっと引っかかるところもあるが、眼科医監修って出てたから有り得るんだろう。

コンビニ弁当やインスタント食品しか食べたことがない者には煮付けが沁みる。

北村匠海は役を選ばないというか、仕事をしっかりと選んでいるから出演作にはずれがない。
矢本悠馬はミシマルくんやガムくん、破門のチンピラがよかったけど、お笑い担当でなく真面目な役で主役も張れそう。
ジョージさん、インパクトあったな。

「国宝」のふたりも「宝島」の4人も良かったけれど、この映画の4人(矢本悠馬を含む)の演技は素晴らしかった。
個人的には木南晴夏に賞をあげたい。ほとんどスマホからの声の出演だったけど、救いのない話の中でほんの一瞬だが心が休まる。(最近の日本映画にはこういうのが欠けているように思う)
(大方の賞は国宝と吉永小百合か倍賞千恵子の映画に行くんだろうな)

音楽も演技も演出も、予告やポスターからの予想を超えてとても良い作品だった。
また観たい話ではない。また観たくなる作品だ。

若い人たちよ、鬼滅やチェンソーマンをリピートするのもいいけど、この映画も観てほしい。おじさんたちが傷だらけの天使に熱狂したように。
じじいばばあ、国宝何度も観に行くなら、この映画観ろよ。大人の責任として。

大吉
たずーさんのコメント
2025年11月4日

共感ありがとうございました。傷だらけの天使に…の前の若者への呼びかけにとても共感しました。

マモルは誰かに似てると思っていたんですが、言われてみて傷だらけ…のアキラかも!と思って、煮付けの魚の小骨が取れた思いです。
レビューありがとうございます。

たずー
トミーさんのコメント
2025年11月2日

共感ありがとうございます。
矢本くんに腎臓の事を持ちかけなかった情が目を失う事に繋がった?とも思いますが、相手を害して生き延びる事に徹しなかったからこそ人の情けを受けられたんじゃないでしょうか。

トミー
おつろくさんのコメント
2025年10月31日

共感ありがとうございます!

おっしゃる通り、闇社会に足を踏み入れないように全ての人に観てもらいたい作品でした。特に歌舞伎町に集まる本物の愚か者のトー横キッズ達、ダメな薬に手を出す金があったら、TOHOシネマズに行ってこの作品を観て欲しいと思いました。

おつろく
琥珀糖さんのコメント
2025年10月31日

ほんとうに会わせてください・・・ですね。
ジャケット写真があまりに幸せそう・・・

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2025年10月31日

こんにちは

えっ、眼科医監修・・・・ありましたか?
ショッキングなシーンや、ジワジワ沁みるシーン、
やはりなんか青春映画でしたね。

琥珀糖
ひなさんのコメント
2025年10月31日

大吉さま
「傷だらけの天使」は題名しか知らないけれど(ドラマと映画ですよね)、この映画の「若者たち」に一番しっくりくる呼名だと思いました🙂

私は『国宝』も『鬼滅』も『チェンソーマン』もリピしました。
でも今日友達に「今年一番の映画は?」と聞かれて、少し悩んで『愚か者の身分』と答えました。

最後の刑事がパパ活焼肉の囮捜査官だったのは、最高の伏線回収でした。
「賢者の贈り物」のようなラストと、エンディングの「人間讃歌」に泣きました🥲

ひな
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