「いい役者に出会った」愚か者の身分 どーもさんの映画レビュー(感想・評価)
いい役者に出会った
最底辺の若者が都市で生きていくには落ちていくしかない。歌舞伎町で半グレに取り込まれ戸籍売買や臓器売買の犯罪者として生きていく。家でまともに食事さえ取れなかった中卒の青年が兄貴分と知り合い、つかの間の人間関係を築く。その兄貴分もまた、弟の命を救うために自らの戸籍を売った。さらに、その兄貴分とのささやかな人間関係。そこにあるわずかな暖かいはずの人間関係が彼らをがんじがらめの犯罪へと導く。どうしようもない、負の連鎖。
貧困や家族の崩壊といった現代のどうしようもない現実が彼らをどんどん追い詰めついくさまは見ていて息苦しい。
ただ、映画を見ていてなんだか昭和だな、と感じたのは何故だろう。映画がなんか「今」じゃない感じがした。これはあくまで個人の感想です。
北村匠海、綾野剛はいつも通りの上手さ。しかし、この映画の収穫は一番の若造を演じた林裕太の新鮮な演技。また新しい「いい役者」の誕生か。立ち会えて良かった。
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