「もし自分が原作者だったら最高のかたちで映画化してくれて、天にも昇る心地だろう。」愚か者の身分 葉さんの映画レビュー(感想・評価)
もし自分が原作者だったら最高のかたちで映画化してくれて、天にも昇る心地だろう。
一貫して苦しい物語。
最後光が差すシーンが描写されているが、本当に希望の光なのだろうか。
罪のない人を騙して大金を得て、こんな奴ら地獄に落ちれば良いのにと思いながらも
地獄で生きてきた人は地獄ループから抜け出せない非情さをリアルに描いている。
現実には憎き集団の人間を我々は映画内で応援してしまう映画のコントロール能力に脱帽。
メインの3者は皆素晴らしい演技を魅せてくれた。
マモル
林くん、本作で初めて知った俳優。子役出身なのかなと思うほどの童顔で
「弟感」がぴったりすぎる。こんなん誰だって守りたくなるはずなのに
マモルという名前は誰がつけたのだろう
タクヤ
つい先月まで半年間朝に彩りを与え、多くの子供を救った面影は一ミリもない。
最早「演技上手いなあ」とも思わせない位、タクヤそのものを生きていた。
・北村匠海のビジュの良さが、前半で映画の華を添えるが、
中盤で映る、本作での一番のドアップが恐らく匠海くんの俳優人生で最もショッキングな映像かもしれない
(出演作品を全て観ている訳ではないので確証はありませんが)
前半と後半の「目の演技」と「目以外の演技」の対比が良かった。
手術代が葬儀代になってしまった。
それも参列者居ない…....
辛い。この時点で闇の世界に誘った綾野剛を憎む
梶谷
今回、不思議に思ったこと
綾野剛主演の『ヤクザと家族』には、一切の共感ができず、自分の中ではかなり低評価。
"不幸な生い立ち"と”同情”は関係なく、そんなことで悪は揺らがない
この信念が自分にあったから。
ただ、本作はどうか。
過去の不遇が同情を買うためではなく
説得力の為に描かれていたので、受け入れられた。
梶谷とタクヤ。マモルとタクヤの絆に作中では救われていたが、
それでも、一切の同情はしない人間を貫きたいと思った。
もう一つの救いとしては梶谷の女
木南晴夏の存在。
状況を知っていてあえてなのか、底抜けの天真爛漫さなのかは絶妙に分からないが
もしかしたら人質に取られるかもとハラハラしていたが無傷で安心した
絶望的なストーリーでも
上述や鯵のくだりのような救いがあったからこそ
最後まで見ることができ、胸糞映画にカテゴライズされずに済んだ。
葉さま
共感ありがとうございます🙂
原作者は初号試写を観て、「3人は誰も死んでいないので彼らの未来を書きたくなった」と、続編「愚か者の疾走」が11月11日に出版されます。
グロ耐性ゼロの私がギリOKだったのは、女性監督と女性原作者の、母性のような包容力を感じたからだと思います。
マモル役の林裕太さんは、この作品で唯一オーディションで選ばれたそうですが、見事に期待に応えてました。
最後の刑事がパパ活焼肉の囮捜査官だったのは、今年最高の伏線回収でした。
「賢者の贈り物」のようなラストと、エンディングの「人間讃歌」に泣きました🥲
共感ありがとうございます。
3人の主役が本当に生きてましたね。
共感せずにはいられなかったです。
私も「ヤクザと家族」の綾野剛より、
梶谷の綾野剛はナイーブでずっと好きでした。
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