「ぬかるみで足掻く若者たち」愚か者の身分 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
ぬかるみで足掻く若者たち
どこまで実態に忠実かはわかりませんが、えぐい内容。
社会に頼る道がなく、親から暴力を受け、周りに差別され、貧困に落ちた若者たちが、金のために安易な方へ流されるとどうなるか……
半グレとか言われたところで、大規模組織じゃないだけのヤクザやマフィアと変わらない状況が描かれる。
罠に嵌め、罪を着せて、臓器や命を取り、金を奪い合う。
一度でも反社・闇ビジネスの世界に足を踏み入れたら、二度と出られない、泥濘(ぬかるみ)。
そんな中に落ちて足掻く、主演の北村匠海、助演の綾野剛と林裕太の3人が演じる若者たちが、お互いを想いあう姿は切ない。
その演技はすさまじく、実に救いのない内容に、観ていて冷や汗が流れました。
彼ら弱者が、幸せとまでは無理でも、少しでもマシな暮らしができるように祈る気持ちは湧いてくる。
だが、彼らが生き延びるために「より弱者」を騙し、搾取した罪は、許されるようなことではない。
とはいえ、ここまで苛烈な報いが必要なのか?
因果応報、自業自得の末なので、決してかわいそうとは思わないものの、同情の余地のみがあった。
そういう、引き込まれるほどのリアリティが詰まった創作だった(リアルであるかはわからないが)。
本作から学べることは、若い人には「安易な道に行かないこと」、年寄りには「お前たちの考える貧困や我儘とは違う地獄が世の中にはあるよ」ということかな。
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