「鬱々とした空気を纏う最高級のエンタメ作品!」愚か者の身分 codaさんの映画レビュー(感想・評価)
鬱々とした空気を纏う最高級のエンタメ作品!
闇社会で生きる愚か者たち
闇世界に身を置かざるを得なかった若者たちの話しですが、説教臭くなくて、ハラハラドキドキの面白さと暴力や疾走感が混在するエンタメ作品だと感じました
大満足です!
観たあとに様々なインタビューを読み、もう一度確かめたい、と思えるシーンがあるほどです
社会問題×エンタメ
闇から抜ける困難、諦めながら生きていくしかないことの残酷、現実世界の鬱々とした空気は纏っていますが、脚本にはエンタメに大きく振れる養分が散りばめられているので、「楽しめる」要素がたくさんあります!
セリフにも映像にもこだわりが感じられる骨太な作りなのに押し付けがましさ皆無の稀有な作品、社会性ある内容なので多くの人に伝わればと思います
楽しめるポイント
闇社会の鬱々とした世界を描きつつも、ブラックジョークにも思えるセリフ、展開、いちかばちかの逃亡劇、暴力、見応えあるアクション、逃亡先でのふたり、そうだったのかぁーの刑事登場!
他にも隠された要素があるかもですが、細かく散りばめられたセリフや映像がラストに向かって繋がっていく流れは爽快でした
悪3人の描き方や激しいアクション含め、エンタメ要素が盛りだくさんな脚本には楽しめるポイントがたくさんあります
だからといって、
大雑把な作りなのかと言えばそうではなくて、セリフ、映像、心を鷲掴みにされるシーンがたくさんありました
たとえば食事のシーン、
過去映像で多く語らずとも、マモル、タクヤの育ってきた家庭環境、梶谷がどんな人間なのかが伝わるのです
心に残るセリフや思い出しても泣けてくるシーンがあります
細部にこだわるディテール、リアリティと緊張感を追求する演出、美術、特殊メイク、全てが合わさって素晴らしかったです
最後に
永田琴監督の視点、役者への繊細な演出、優しい視線や呼吸、大胆で残酷なカット、多様な要素を混ぜて合わせて組み立てての怒涛の130分!生きるパワーを受け取る感覚もあり"逃げろマモル"って気持ちで迎えるラスト
ラストのマモルの表情が何を物語っているのかは、観る人に委ねられているんだと思う
許される生き方ができてやり直せる未来があると信じたい!けれど、マモルの表情には孤独と不安が見て取れて、簡単には変われない未来を暗示しているように感じた
選択を誤り闇の世界を生きた代償はあまりにも大きい
北村匠海さん林裕太さん綾野剛さん
3人が素晴らしいのは言うまでもありません!
配役がこの3人で良かったと心から思える映像作品でした
この3人だから最高でした!
ぜひ3人のこと映画館で見届けてください
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詳細は遷移先をご確認ください。
