「すばらしい構成によって生み出される余白の豊潤な世界」愚か者の身分 HKさんの映画レビュー(感想・評価)
すばらしい構成によって生み出される余白の豊潤な世界
物語を時系列に従って辿るのではなく、
視点を変えて重複させながら語りつつ、
ときに時間の前後も巧みに入れ替える構成によって、
ミステリー的なハラハラする展開の要素を増幅させている。
彼らが闇サイドに陥る経緯も、
説明しすぎず、映像メインで語られているし、
間接的な表現で観る側の想像に委ねる部分も多く、
ラストも含めて豊潤な余白があってすばらしい。
社会問題を扱った物語で、
北村さん、林さん、綾野さんのお互いに対する
複雑な心情、眼差しはすごく印象的で心揺さぶられるが、
なにより、それらが感情過多で深刻で湿っぽくなりすぎないように、
絶妙にエンタメ要素を残すような、
洗練された巧みな構成の生み出す物語世界に圧倒された2時間でした。
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