劇場公開日 2025年10月24日

「「光を失った者、光を諦めた者、そして光を追い続ける者」」愚か者の身分 ひなさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 「光を失った者、光を諦めた者、そして光を追い続ける者」

2025年10月25日
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鑑賞方法:試写会、映画館

泣ける

悲しい

幸せ

【パンドラの箱】

新宿・歌舞伎町は全国一の繁華街、例えるなら「パンドラの箱」のような街。

闇で生きるしかなかった、タクヤ(北村匠海)
親に捨てられた少年、マモル(林裕太)
裏社会の運び屋、梶谷(綾野剛)

「愚か者」3人は、「パンドラの箱」から世の中に飛び出したありとあらゆる災いの中で、箱に最後に残された「希望」を求めて闇から抜け出そうともがきます。

─皆 美しい 皆 美しい
 生きたいように生きたくて
 人生 美しい 人生 美しい
 そう思えればいいのに─

16歳のtuki.が歌う主題歌「人生讃歌」のリフレインが、心の奥深く突き刺さる映画です。

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【北村匠海】

俳優としての北村匠海さんを初めて観た記憶は、『信長協奏曲』(TVドラマ版2014年/劇場版2016年)の森長可役、『君の膵臓を食べたい』(2017年)。
そして『東京リベンジャーズ』(2021年/2023年)の主人公「タケミチ」。

私の中の俳優・北村匠海さんと言えば、共演の今田美桜さんからいつも叱られて励まされているイメージ。

「タケミチくん、だったら頑張って!それで10年後も私と一緒にいて」(『東京リベンジャーズ』)
「タカシ、たっすいがーは、いかん!(弱々しい、元気がないのはダメ)」(「あんぱん」)

2025年は、初監督/企画/脚本『世界征服やめた』、朝ドラ初出演/W主演「あんぱん」、映画/主演『悪い夏』、『金子差入店』、主演『愚か者の身分』。
バンドDISH//の音楽活動以外に、映像の仕事でも表現者として伸びしろを見せてくれました。

『愚か者の身分』のタクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)の関係は、本当の兄弟以上に暖かく、「タケミチ」が成長した「タクヤ」がそこにいました。

偶然ですが実際、北村匠海さんには林裕太さんと同い年の弟、林裕太さんには北村匠海さんと同い年の兄がいるそうです。

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【第30回釜山国際映画祭 (BIFF 2025)】

2025年9月17日〜9月26日開催。“アジアのカンヌ”、アジア最大級の映画祭。今年の公式上映作品は241本、日本からは24本が出品。

今年新設されたコンペティション部門には、『旅と日々』(三宅唱監督)と『愚か者の身分』(永田琴監督)が選出されていました。

映画祭最終日、『愚か者の身分』の北村匠海さん&林裕太さん&綾野剛さんが、3人揃って最優秀俳優賞(The Best Actor Award)を受賞したニュースに驚きました。

北村匠海さんと綾野剛さんは、初日のレッドカーペットセレモニーで帰国。9月18日のワールドプレミアと9月26日の授賞式は、現地に残っていた林裕太さんが代表して登壇。

「選択肢のない人が愚かなのか、それとも選択肢を確保しないその環境が、世の中が愚かなのか。」
「ただ、この映画において大切なことは、生きようとすることは決して愚かな選択肢ではないということです。」

「たとえ大きな夢や、何か大きな意義を見出さなくても、自分を支えてくれる誰ががいるなら、ここに生きる意味が大いにあるということだと僕は思っています。」

「それを教えてくれたのがこの映画であり、今日来られなかった北村匠海さん、綾野剛さんです。」
「今日のこの特別な瞬間を、この特別な感情を、日本に帰って3人で分かち合いたいなと思います。」

マモルのスピーチ、良かったね。
タクヤと梶谷も、東京から見守ってたよ。

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10月25日映画館で舞台挨拶上映鑑賞
10月25日★★★★★評価
10月25日レビュー投稿

ひな
コタローさんのコメント
2025年10月28日

コメント有難うございます😀
焼肉おじさんの伏線回収良かったですね。
パンフレットも読み応えありますね。
希望を伝えたいっていう想いもあって良かったです😎
人生讃歌もとても良くまた聴いて映画を思い出してみたいと思います。

コタロー
Yumさんのコメント
2025年10月27日

共感とコメントありがとうございます✨あの焼肉おじさまが捜査官として出てきた時は私も😳←こんな顔になりました。

ラストのマモルからの『人生讃歌』もすごく良かったですね。初めて知ったアーティストなのですが高校生と知って驚きでした!

Yum
グレシャムの法則さんのコメント
2025年10月27日

ひささま、お見事です!
『愚か者』に対しての賢者の贈り物。
タクヤの、人を思い遣るだけてなく、その人のために何かを残してあげようとする優しさは、O・ヘンリーの作品に通じるものがありますね。
タクヤにとってマモルは生きることの意味を見出す〝最後の一葉〟だったということですね、きっと。

グレシャムの法則
Bacchusさんのコメント
2025年10月27日

あれは「おやっ」となりましたが、私はガッツリ捕まえちゃって欲しかったです。

Bacchus
こひくきさんのコメント
2025年10月27日

> 最後の刑事がパパ活焼肉の囮捜査官だったのは、最高の伏線回収でした。

そうか!どっかで見たと思ったら、そういう事ですね。
悔しいのでもう1回観てきます!(笑)

こひくき
トラヴィスさんのコメント
2025年10月27日

こんばんは。

ひなさんのレビューで知ることも多く勉強になりました。

個人的に嶺豪一さんが本職にしか見えず凄かったです。

昨日観た「ミーツ・ザ・ワールド」も歌舞伎町が舞台の素晴らしい作品でした。同じ舞台の全く違う空気感の作品を2日続けて観る面白い体験でした。

トラヴィス
さんのコメント
2025年10月27日

コメントありがとうございました。
釜山で3人が最優秀俳優賞を受賞したのも頷ける快演でしたね。
興行的にどうなるか注目してます。

鶏
ひでちゃぴんさんのコメント
2025年10月27日

ひなさん、いつもありがとうございます。マモルあっての本作だったと思います。いちばん光っていたと感じます。

ひでちゃぴん
ノブ様さんのコメント
2025年10月26日

マモルのスピーチ🎤
泣けます。
彼がキーマン的な存在でしたね。

金曜に観たばかりなのにその後色々観て上書きされて最後の記憶が、、、(笑)
マモルにタクヤは生きてたって見せれたのかな。
綾野剛に救われたまでしか覚えていない、、、私。残念

ノブ様
コビトカバさんのコメント
2025年10月26日

コメントありがとうございます

終盤まさかの伏線回収には、おっ⁈となりましたね

コビトカバ
アプソさんのコメント
2025年10月26日

いつもコメントありがとうございます😊
林君オーディションなんですね!
女性監督らしさは全く感じませんでした笑
この監督さんの映画初めてみたかもです、、、いや渋谷区円山町は観たかな、、、覚えてない笑
ノーマークの監督さんでした!
ひなさんこれくらいの血、大丈夫なら、結構大丈夫かもですよ👌笑

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