「「光を失った者、光を諦めた者、そして光を追い続ける者」【追記あり】」愚か者の身分 ひなさんの映画レビュー(感想・評価)
「光を失った者、光を諦めた者、そして光を追い続ける者」【追記あり】
【パンドラの箱】
新宿・歌舞伎町は全国一の繁華街、例えるなら「パンドラの箱」のような街。
闇で生きるしかなかった、タクヤ(北村匠海)
親に捨てられた少年、マモル(林裕太)
裏社会の運び屋、梶谷(綾野剛)
「愚か者」3人は、「パンドラの箱」から世の中に飛び出したありとあらゆる災いの中で、箱に最後に残された「希望」を求めて闇から抜け出そうともがきます。
─皆 美しい 皆 美しい
生きたいように生きたくて
人生 美しい 人生 美しい
そう思えればいいのに─
16歳のtuki.が歌う主題歌「人生讃歌 - Song of Life」のリフレインが、心の奥深く突き刺さる映画です。
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【北村匠海】
俳優としての北村匠海さんを初めて観た記憶は、『信長協奏曲』(TVドラマ版2014年/劇場版2016年)の森長可役、『君の膵臓を食べたい』(2017年)。
そして『東京リベンジャーズ』(2021年/2023年)の主人公「タケミチ」。
私の中の“俳優・北村匠海”と言えば、共演の今田美桜さんからいつも叱られて励まされているイメージ。
「タケミチくん、だったら頑張って!それで10年後も私と一緒にいて」(『東京リベンジャーズ』)
「タカシ、たっすいがーは、いかん!(弱々しい、元気がないのはダメ)」(「あんぱん」)
2025年は、映画初監督/企画/脚本『世界征服やめた』、朝ドラ初出演/W主演「あんぱん」、映画主演『悪い夏』、『金子差入店』、主演『愚か者の身分』。
バンドDISH//の音楽活動以外に、映像の仕事でも表現者として伸びしろを見せてくれました。
『愚か者の身分』のタクヤ(北村匠海)とマモル(林裕太)の関係は、本当の兄弟以上に暖かく、「タケミチ」が成長した「タクヤ」がそこにいました。
偶然ですが実際、北村匠海さんには林裕太さんと同い年の弟、林裕太さんには北村匠海さんと同い年の兄がいるそうです。
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【第30回釜山国際映画祭 (BIFF 2025)】
2025年9月17日〜9月26日開催。“アジアのカンヌ”、アジア最大級の映画祭。今年の公式上映作品は241本、日本からは24本が出品。
今年新設されたコンペティション部門には、『旅と日々』(三宅唱監督)と『愚か者の身分』(永田琴監督)が選出されていました。
映画祭最終日、『愚か者の身分』の北村匠海さん&林裕太さん&綾野剛さんが、3人揃って最優秀俳優賞(The Best Actor Award)を受賞したニュースに驚きました。
北村匠海さんと綾野剛さんは、初日のレッドカーペットセレモニーで帰国。9月18日のワールドプレミアと9月26日の授賞式は、現地に残っていた林裕太さんが代表して登壇。
「選択肢のない人が愚かなのか、それとも選択肢を確保しないその環境が、世の中が愚かなのか。」
「ただ、この映画において大切なことは、生きようとすることは決して愚かな選択肢ではないということです。」
「たとえ大きな夢や、何か大きな意義を見出さなくても、自分を支えてくれる誰ががいるなら、ここに生きる意味が大いにあるということだと僕は思っています。」
「それを教えてくれたのがこの映画であり、今日来られなかった北村匠海さん、綾野剛さんです。」
「今日のこの特別な瞬間を、この特別な感情を、日本に帰って3人で分かち合いたいなと思います。」
マモルのスピーチ、良かったね。
タクヤと梶谷も、東京から見守ってたよ。
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【10月28日追記】
原作・西尾潤さんのインタビューより。
「小説の中では3人は誰も死んでいないので、いつかスピンオフを書きたいとは思っていたんですが。
映画が完成して初号試写を観たら、映像の力を改めて感じて、彼らの続編を書きたいという気持ちが強くなっていきました。」
タクヤ・マモル・梶谷、3人の3年後の“未来”を書いた続編「愚か者の疾走」が、11月11日に出版されます。
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【11月22日追記】
11月21日、レイトショーで再鑑賞。公開5週目の金曜夜、都内のレイトショーはほぼ満席。
1回目の映画鑑賞後に、原作「愚か者の身分」と続編「愚か者の疾走」(3人の3年後)を読んでの2回目は、オープニングのタイトルから涙が止まりませんでした。
劇場に多かったタクヤ&マモル世代の男の人たちに、感想を聞いてみたい思いで帰宅してXをのぞいたら、この映画の感想が劇中の川のようにキラキラと流れていました。
公開5週目でほぼ上映終了の予定ですが、これから上映が決定している劇場もあります。
昨年の『夜明けのすべて』や『ぼくが生きてる、ふたつの世界』のように、この国のどこかの劇場でずっと上映していてほしい、という祈りにも似た願いです。
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P.S.
11/10「第50回報知映画賞」
作品賞・監督賞(永田琴監督)・主演男優賞(北村匠海)・助演男優賞(綾野剛)4部門ノミネート
11/12「第38回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」
主演男優賞(北村匠海)・新人賞(林裕太)2部門ノミネート
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10月25日映画館で舞台挨拶上映鑑賞
11月21日映画館でレイトショー鑑賞
10月25日★★★★★評価
10月25日レビュー投稿
10月28日・11月22日レビュー追記
11月16日レビューP.S.映画賞追記
ひなさん、はじめまして。
まずレビューにコメントくださって、ありがとうございます。
ひなさん、きめの細かいレビューですね。
「愚か者の疾走」の存在、お知らせ頂き、感謝です。
ひとまず未来はそんな悪くないのかな?と思わせてくれました。
ありがとうございます。
こんばんは!
ひなさんのレビューは、どの作品でも、役者さん、原作、受賞歴など関連情報の更新(追記)があり、しかもいつも暖かい眼差しに溢れています。
だから、口コミでロングランとなる良作と同じように、息の長い(リピーターも含め、訪問者が途切れない)レビュー、コメントとなっているのですね。素敵なことです。
ひなさん
通知来ないはあるあるなんですね。新参者ゆえ知りませんでした。でも、ここは邦画情報が豊富なので、洋画偏向の私には役に立つサイトです。これからも宜しくお願いします。
ひなさん
私のレビューにいくつかコメントくださっていたとのこと、全く気付かず申し訳ありません。言い訳になりますが、info で全く上がってなかったもので、どうかお許しください。
今後は丁寧に見ていきますので、よろしければ引き続き交流させて貰えると嬉しいです。
mac-inさんのコメントより
ひなさま、共感、コメントありがとうございます。
>日本の映画賞に「脚色賞」が無いのは、「小説家は文壇の先生」だけど「脚本家はライター」みたいな扱いだからなのかな、と思います。
なるほど、そうなんですね。米国アカデミー賞みたいに分けるべきだと前から思っていました。
確かにラストが良かったです。マモルの表情がなんともいえず、見終わった後も引きずりました。
コメントどうも!
小説の続編があるという事はやっぱ映画もあるかも!と楽しみにしてます。
最後の刑事は気付きましたが、後輩の刑事がマモルを外で見張って、最後付けてきた半グレ風の奴じゃないか?と今は怪しんでます。彼ら(戸籍売買の実行部隊)を追ってるのは半グレじゃなくて、刑事なんでしょうね。
改心した主人公たちと捕まった上役達の、決定的な違いは何だろう?とあれから考えてます。
共感だけでなくコメントまでありがとうございました☺️
原作について何も気にしておらず、西尾潤さんが女性とは知りませんでした。ちょっと驚きました。続編のことは、ひなさんのレビューを読ませていただき知って、喜んでいたところです。もうすぐなのですね!読みたいですが、原作読まずに映画を観たい派なので悩ましいです💦
コメントありがとうございます。
しっかり裏付けがあったんですね、知らなくても気になったので分かってもらえると思います。より多くの人に届くといいですね。
貴重な情報感謝です。
ひなさん
コメントありがとうございます。
続編の情報もありがとうです。楽しみです!
映画のラストにはマモルとタクヤは出会うだろうと思い込んでいたので、私には意外な結末でした。
どんな再会になるのか楽しみです。
共感&コメントありがとうございます。
途中の反社の青春!みたいな時流れる曲、悲劇的に終わるとばかり思ってたので違和感でした。でも逃げ切った太陽がいっぱいみたいな終わり方だったので・・囮の刑事の手が及んで来るんですかね、美月ちゃんにも?
ひな様コメント共感ありがとうございます
返信が遅れてすみません🙇
包容力、確かに感じました
ひな様のレビューで色々勉強になりました
小説で続編が出る事は知りませんでした‼︎
読んでみようと思います‼︎
林裕太さんのスピーチもすごく良いですね‼︎
共感ありがとうございます!
自分は舞台挨拶観に行けなかったのですが、相当な反響があったみたいですね。今年封切りされた映画を振り返ってみると、北村匠海と山下美月の躍進が素晴らしく、この二人から当分目が離せない気がします。
共感&コメントありがとうございます。
林裕太さんはオーディションを勝ち抜いただけあって、しっかり存在感を放っていましたね。
あと、ラストの囮捜査の伏線回収は、自分も完全にやられました!お見事!
共感どうもありがとうございます。
物理的に闇の中で生きることになったタクヤが、精神的に目覚めて何かの能力が覚醒して大活躍する予感がします。日米関係が明るくなりましたから、続編は北村匠海さん主演でアメリカと合作で壮大な映画に!?
…なんて、期待が膨らみます。
SHさま
コメントありがとうございます🙂
もう一つのコメントも、こちらに残しておきます。
「あの状態で生きる選択を与えて、しかもあの状態で逃走を─ともう全部が全部辛さを覚えましたがそこから湧き出る感情移入は半端なかったです。
その後を知りたくもあり、怖い気もしてしまいます。」
ひな様コメントありがとうございます。
tukiさんいい歌だなあと皆美しいと唄っていたのですね。身を尽くしだと思っていたので目から鱗でした。
好きなヨルシカに少し似ていて素敵な歌声でした。
再コメント、フォローありがとうございます。
私も最近レビュー書くのが遅くて、続けて映画観て疲れて寝てしまうパターンが続いています。
まだ鑑賞済みの作品が下書きのまま何件か残ってる状況ですが・・・
鑑賞してすぐレビューを書いて投稿される方を尊敬してしまいます。(笑)
引き続きよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
素晴らしいレビューで、深いですねー。
北村匠海は若い頃から子役もやってたから演技は抜群だし、バンド組んでたから歌も上手いし、すごく魅力的な俳優ですね。
東京リベンジャーズの彼ももちろん良かったです。
引き続きよろしくおねがいします。
文字数制限?コメントしきれませんでした。連投すみません。
エンディングソング。なんかすげー歌だなぁ。やべー人いるなぁ、と思いましたらtukiさんでした。この歌は初耳だったのですがハマるというか歌自体が天才というか。感動です
今後とも知らないこと色々と教えてください。よろしくお願いします!「賢者の贈り物」存じません!調べます!
もろもろとありがとうございます!
本作は監督とプロデューサーの再構築!?そしてそれ見た作者が続きを書きたくなって、書く?その続きが出る?ん?お話しは繋がる?ん?、、、繋がらなくてもなんか楽しみです!気になり過ぎます。それほど本作に心もっていかれました。
ひなさん、今晩は。
コメントありがとうございます。
最近の日本映画は本当に良作ばかりですね。
今作、マモルのラストの選択が気になりますね。
そして、全く明るい未来が見えない終わり方。まさしく題名通りだと。
共感&コメントありがとうございました。
ひなさんもグロ耐性ゼロだったのですね。
本当にラストまで目が離せない展開でしたね。
ひなさんのレビューでかなり勉強させられる事が多いので、勝手ながらフォローさせていただきました。よろしくお願い致します。
コメント有難うございます😀
焼肉おじさんの伏線回収良かったですね。
パンフレットも読み応えありますね。
希望を伝えたいっていう想いもあって良かったです😎
人生讃歌もとても良くまた聴いて映画を思い出してみたいと思います。
共感とコメントありがとうございます✨あの焼肉おじさまが捜査官として出てきた時は私も😳←こんな顔になりました。
ラストのマモルからの『人生讃歌』もすごく良かったですね。初めて知ったアーティストなのですが高校生と知って驚きでした!
ひささま、お見事です!
『愚か者』に対しての賢者の贈り物。
タクヤの、人を思い遣るだけてなく、その人のために何かを残してあげようとする優しさは、O・ヘンリーの作品に通じるものがありますね。
タクヤにとってマモルは生きることの意味を見出す〝最後の一葉〟だったということですね、きっと。
> 最後の刑事がパパ活焼肉の囮捜査官だったのは、最高の伏線回収でした。
そうか!どっかで見たと思ったら、そういう事ですね。
悔しいのでもう1回観てきます!(笑)
こんばんは。
ひなさんのレビューで知ることも多く勉強になりました。
個人的に嶺豪一さんが本職にしか見えず凄かったです。
昨日観た「ミーツ・ザ・ワールド」も歌舞伎町が舞台の素晴らしい作品でした。同じ舞台の全く違う空気感の作品を2日続けて観る面白い体験でした。
マモルのスピーチ🎤
泣けます。
彼がキーマン的な存在でしたね。
金曜に観たばかりなのにその後色々観て上書きされて最後の記憶が、、、(笑)
マモルにタクヤは生きてたって見せれたのかな。
綾野剛に救われたまでしか覚えていない、、、私。残念
いつもコメントありがとうございます😊
林君オーディションなんですね!
女性監督らしさは全く感じませんでした笑
この監督さんの映画初めてみたかもです、、、いや渋谷区円山町は観たかな、、、覚えてない笑
ノーマークの監督さんでした!
ひなさんこれくらいの血、大丈夫なら、結構大丈夫かもですよ👌笑




























