音楽サロン

劇場公開日:2025年7月25日

解説・あらすじ

「大地のうた」などで知られるインドの名匠サタジット・レイが、作家タラションコル・ボンドバッダエの短編小説を映画化した長編第4作。1920年代インドの急激な社会変動を背景に、没落貴族の衰退と芸術への執着を描き、その芸術性と映像美で世界の多くの映画製作者に影響を与えた。

20世紀初頭のベンガル地方。地主のビッションボル・ラエは経済的に困窮しているが、かつての栄光にすがりつくように音楽と舞踊に耽溺する日々を送っていた。変わりゆく時代に取り残されてしまったラエは、隣人の新興実業家ガングリに対抗心を燃やし、最後の誇りをかけて自らの音楽サロンで盛大な演奏会を開く。

「女神」などのレイ監督作に出演したベンガル映画界の名優チョビ・ビッシャシュが主演を務め、威厳と哀愁を帯びた演技で主人公の滅びの美学を体現。シタール奏者の巨匠ビラーヤト・カーンが音楽監督を務め、劇中にはインド古典音楽の著名な演奏家が多数出演した。日本では、レイ監督のデビュー70周年を記念した特集上映「サタジット・レイ レトロスペクティブ 2025」にて、25年7月に劇場初公開。

1958年製作/100分/G/インド
原題または英題:Jalsaghar
配給:グッチーズ・フリースクール
劇場公開日:2025年7月25日

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映画レビュー

3.0 見事な終活

2025年9月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

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りあの

4.5 タイトルなし(ネタバレ)

2025年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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りゃんひさ

4.0 音楽と踊り、喜びと悲哀、そして虚栄と…

2025年8月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

う〜ん。これはイイ。
ストーリーも構成も演出も、いわゆる古典的な映画手法なので、今日的な新しさを(温故知新の意味でも)特に感じることは無いが、欧米の映画の古典的な手法を完全に自分のものにしてしまった凄みがある。
特にカメラワークがオープニングからエンディングに至るまで全編に渡り全て素晴らしい。
あの映像美だけでもアート作品に見えてくる。

そして、やはり、あのインド音楽!
あのグルーヴ感が本作に与えた影響は計り知れない。
あれが無ければ、良くも悪くも欧米の古典映画を上手く学習した作品に留まっていたかのように見えていたと思う。

そのインド音楽のディープなグルーヴの波動がスクリーン全面から際立って来る特別な空間が、この作品のタイトルとなっていて、主人公である名家の地主が(おそらく先祖代々に渡り引き継いでいる)邸宅内に築いた音楽と踊りのための特別なサロンのことを指している。
英語タイトルは「The Music Room」となっているが、原題の「Jalsaghar」はベンガル語で「音楽サロン」の他に「宴会場」という意味もあるようだ。
このサロンは、その主人公の威信と没落する前の栄華の象徴でもあり、映画全体を通して重要な空間となっているが、物語が変遷していく中、過去の栄光と現在の凋落のインターフェースとしての機能も果たしている。

自らの出自でもある名家の没落を描くとなると、やはりヴィスコンティを連想してしまうが、彼のような自己愛的な耽美性は全く感じられない。
映像は見事に格調が高いが、貴族的なる(時代から取り残される)価値観や虚栄心を自嘲的に突き放しているように見える。

役者たちのこれ見よがしな芝居(特に顔芸)に辟易する部分もあったが、あの時代の俳優たちであればサイレント時代の悪い癖を引きずっていたともいえる。
あるいは、まさに、その時代に取り残された感ある芝居は、演出上ワザと要求したのかもしれないが…
それは考えすぎか…
単純にルビッチなどの影響でカリカチュアしてみたかっただけかもしれない。

兎にも角にも、インド音楽が大好きで、往年のフランスやハリウッドの古典的な映画も好きであれば、間違いなくお勧めの作品だ。
但し、全体的にテンポの方は結構ゆったりしている。
それゆえにインド音楽が始まり出した時、そのグルーヴ感が際立つとも言える。
特にクライマックスで、踊り子のローシャン・クマリーが披露する「カタック」というインド古典舞踊と、その完璧なリズム感に完全に同期して鳴り響く「トリヴァト」という古典音楽は本当に圧巻だ。
その音響面も含めて、映画館の中でないと堪能できない可能性は十分に有り得る。
というか、自宅で観てはダメなタイプの映画の典型かもしれない。
出来れば是非スクリーンで観て欲しい。

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osmt

未評価 踊れ、踊れ!見せ物になって踊れ!

2025年8月3日
PCから投稿
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YYY

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