「同一人物役の俳優選びが秀逸」MELT メルト amaneさんの映画レビュー(感想・評価)
同一人物役の俳優選びが秀逸
叙情的な作りで、芸術作品としてもポイント高い。
過去と現在への行き来が自然。
同一人物役の俳優選びが秀逸で、登場人物が現在(過去)の誰なのかすぐに分かり入り込める。
遺伝・成育歴的に繊細な気質、問題を抱えた親、自分も友人も多感な時期、そういった因子が寄り集まって、主人公の心の傷は決定的なものとなる。
傷を抱えた現在の主人公は一つまた一つと孤独を深める。
他人の些細な好意なんかじゃ親の深い愛なしに大人になった彼女は救えない。
おかみさんは他人なりに最大限やったと思う。
結局、自分の抱えてきた苦しみや事実を誰かに伝えることもできずに、自分の受けてきた苦しみ以上の事をして誰かを苦しめることもできずに...
親に愛されないという役割を担った者は、一般的な人がごく普通にしている、他人よりもまず自分を大切にすることができない。
コメントする
