MELT メルトのレビュー・感想・評価
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氷をめぐる上質かつミステリアスな語り口が重く冷たくのしかかる
物語の中で二つの時間軸が併走する。一つは大人になった主人公エヴァが人に心を開かぬまま、凍りついたように生きる現代。もう一つは彼女が自然に囲まれた故郷で多感な少女として駆け回っていた過去。同一人物でありながら性格はまるで真逆だ。なぜこれほど豹変してしまったのか。そして大人のエヴァは序盤から段ボール級の氷を運び出して、一体何を起こそうとしているのか。それらの謎を一向に明かさぬまま、二つの道筋はそれぞれ暗雲立ち込めるラストへと突き進んでいく。過去のトラウマが人生にどのような影響を及ぼすのかという、多少目を背けてしまいそうな展開を秘めながら、しかしそこに至るまでのミステリアスな語り口が上質で洗練されているため、我々もグイグイと引き込まれる。中でも特筆すべきは13歳のエヴァ役のマーチャントの存在感だろう。演技初挑戦ながら、俳優出身監督の導きのもと練り上げた人物像や心理表現が際立ち、異彩を放っている。
映画史に残る胸糞悪さが、まさかの○○害とは・・・・・・・!!
ベルギー・オランダの合作ではあるが、本作の題材が日本で扱われたら間違いなく大ブーイングとなる事必衰!!
日本に関わらず幼児、少女に対する加害行為は社会問題になるほど忌み嫌われるものであるが、その加害描写も含め大胆に描ききっている事には一定の評価はするものの、やはり多くの観客にとっては胸糞悪さを感じる事であろう!
13歳のエヴァを演じるローザ・マーチャントがまた無邪気な少女だけに、その後味の悪さはひとしお!!
ただ儚くも美しい、わたしの復讐劇と言うキャッチフレーズであれば、ラストはもう少し観衆が望むような終わり方でもよかったのでは・・・・・・・!?
救い…
重いけれども考えるきっかけにしなければならない
重い映画です。これ以上ないほど救いもないし
解決方法を見つけることも不可能です。
でも、私は、この映画を観るべきだったことを
鑑賞後に思い知りました。ちょうど、昨日、
ご近所の方の友人が長年にわたって、旦那から
精神的暴力を受け続けているということを
聞いたのです。この映画の少女が近くにいて
彼女の被害を知ったからといって、どうやって
助けたらいいのか、どんなに考えても思いつく
ことは何もないし、モラハラ夫に苦しんでいる
女性を白馬の騎士のように救い出せるなんて
思えません。でも、知ってしまったのなら、
何もしないのではなく考えられる限り手を
尽くしてみるべきだと強く思ったのです。
単純な話、学校でイジメに遭っている級友が
いるのに、何もできないから何もしないのと
同じ事をしてはダメだと強く気づかせて
もらえたという意味で、この映画を観て
良かったと思えたのです
でも、その方を支援するために、ご近所の方に
協力していただくことを強要しては、ひとり
よがりでしかありません。
主演の少女役のほうは、撮影時、16歳だった
そうです。
演技指導についてはオーディションの段階から
心理セラピストに参加してもらったとのこと
です。子役たちには一緒の家で生活してもらい
互いを知る時間を十分に設けて、ハードな
撮影の後は一緒にゲームをしたり、おしゃべり
したりするクールダウンの時間を作ったとの
ことです。演技の記憶よりも、皆と楽しく
遊んだ記憶が残るように配慮したということ
ですね。
映画自体は、緻密に練り上げられていて、
そのことが、ややもするとリアリティを損なう
傾向もあったかもしれませんが描かれた事、
そのものに重要なメッセージがあり、それを
受け取ることが観客としての義務だと思い
ました。
この映画には、いくつも大切なことが描かれて
いて、そのひとつひとつを咀嚼するためにも
原作を読みたいと思いましたが邦訳版はなくて
オランダ語の原書しか見当たりませんでした。
これは、どうにもなりませんねぇ。そのうち、
翻訳本が出ればいいのですけど、もっと、
この映画が話題になってなければねぇ。
子役の女の子の卓越した演技力と監督の
細やかな神経が行き届いた画面づくりと
何よりも、原作の持つメッセージ性の強さが
細かな減点を大きく上回ったので、初めて
5.0と採点しました。
この映画を観て欲しい層がありますが、たぶん
加害者は自分の冒した罪に無頓着で何も響く
ことがないだろうとあきらめてしまわねば
ならないことが、いちばん悔しいのかも
しれません。
今年1番の観て後悔作品
子どものこういうのは観たくなかった。
タイトルもすぐに想像がつく。
まあ、自殺するとは思わんかったけど、なんでそれがリベンジになるのか意味不明。
子供時代ののゲームにしても、なんであれが成立するのか全くわからん。
途中から気持ち悪くなった。観るんじゃなかった。
幼少期は大事
大自然で育った無邪気だったエヴァ大人になって陰気さがある差が有りすぎるのは○○があったから。
好きな男の子と一緒にいたくて危険なゲームを提案隣に引っ越してきたギャルに提案。
ギャルは馬を飼っていてエヴァ誤って殺めてしまう。
この事が原因でエヴァはとんでもない目にあってしまう好きな男の子はお兄さんが亡くなってしまい情緒不安定気味。
ギャルに答え教えてあげたけど馬を殺された怒りからかエヴァにとんでもない仕打ちをしてきて不良とは付き合ってはいけないエヴァも悪かったと思う。友達は選ぶべきだ。
私もクズとは付き合ってこなかった自分を守るのは自分だけだ。
肉屋のおばさんにも突き放され母親は酒に溺れいつも寝てるし父親も変 心の拠り所がなかったエヴァ…可哀想
最後は故人を偲ぶ会で暴露するが何とも虚しさが残った。
こういうことは2度と起こってはいけないよね?もし自分に○○起こってたらもう生きてなかったと思う。
辛いことはあったけど平凡で良かったです。
溶けぬ心傷
過去に辛い経験をさせられた女性が、故人の追悼会の知らせを受け地元に戻り…この記憶と決別すべく復讐を企てるが…といった物語。
終始、とにかく目を覆いたくなるような展開。
過去に「三銃士」と呼ばれるほど仲良かった男2女1の3人組。思春期に入り、男子2人は過激なゲームをやり始め…。
これからも仲良くやっていきたい思いや淡い恋心、酒飲みで荒んだ母にどこか心此処にあらずな父…。そんなものが複雑に絡み合い、雁字搦めに抜け出せなくなっていくエヴァ。
エヴァ自身にも問題がなかったとは言えないが、あそこでの出来事は胸糞すぎる。そんなやつらは今ものうのうと…。加害者だけが何事もなかったかのように生き、逆に被害者の居場所がなくなるのは世の常か。
で、復讐といっても、これはどうなんだろう。。
これで奴らを叩き潰せたのか?いや結局は寧ろエヴァが異端者扱いされかねないような…。とは言え、こうなってしまう気持ち、すごくわかる気がする。
しかし、何故今になってアイスを置いたのか?まぁ、大人になった今も明るい生活ではなさそうだったし、幼少期唯一の心の拠り所とも言えた妹ともね。。
もうこれでやることは無くなった、といった心境にでもなったのかな?そして少女時代のエヴァの笑顔…これが君の望んだ結末なの?
こんな悲しいことは世界中のどこでももう二度と起こって欲しくない、そんなことを思わされた作品だった。
モザイクTシャツ気になってしまう
本作がスリラーに値するのかは不明だが、何はともあれ演技力に魅了された。主人公エヴァの少女役、ローザ・マーチャントはどこから引っ張ってきた逸材なのだろうか。幼少期の経験が一番大切な本作において、間違いなくそれを助長する演技力である。役者陣を自然な形で切り取った映像はどこか情緒的であり、絵のようにも感じる。それに相反してやって来る胸の痛くなるエンディング。かなり痺れた。無邪気だった幼少期と、恋人も居ない、家族とは疎遠、恐らく友達も居ない、真逆の人間になってしまったエヴァ。これを成人の"今"と少女時代の"過去"で時間軸を交差させて描いていく。時間軸が交差するタイプの作品は正直あまり好みでは無いのだが、本作にはそれによる複雑化などは見られないため、安心して物語に集中出来るだろう。
大人になった彼女に色濃く残る闇―なぜ彼女ばかり辛すぎる目に遭ってしまうのか。そういう時にはこれでもかと些細な事すら裏目に出てしまう。人生誰もが花畑を永遠と歩ける訳は無い。なぜ自分だけ、なぜこんな目に…という理不尽な経験は誰にもある。そんな人々が負った傷を更に広げるように悪循環が強まっていく。体調悪い時には少し観れないかも知れない作品だ。
自分もそうだったが、幼少期から共に過ごした友達に対しても、自分が格好良く思われたくなったりするものだが、相手が異性だと尚更である。憧れの先輩やアイドルみたいになろうと少ない知識で自分をメイクアップしていく心理は誰もが経験ある筈だ。その描写が非常にリアルであり、空回りして心がモヤモヤする心情と、浅い知識で異性に興味を持ってしまう所など、誰しもが経験するものを丁寧に描いているので、かなり感情移入してしまう。今回エヴァは、心のよりどころを求めていたのだと思うが、妹ばかり可愛がられ、"三銃士"は些細な事で亀裂が生じ、隣人のイケイケ女子は少し仲良くなったと思ったら…(ネタバレになるが馬のシーンだけは主人公が許せない)と先述の通りこれでもかと苦痛を与えられてしまう。こういうので人は非行に走ってしまうのだろうが、主人公が成人後に考えたのは、取り返しのつかない復讐である。過去に亡くなった友人の追悼式典のパーティーに参加するのに氷塊を持っていくというのが鑑賞前の謎だったのだが、映画中盤以降で主人公が何をしようとしているのかが少女時代のパートで分かる。分かってからがまた怖くて、より胸が苦しくなる思いになったが、誰が悪くて、どうするべきだったのかが明確に分からないのが本作の意地悪な所である。主人公にも悪いところがあり、皆それぞれすこぶる悪い奴という訳ではなく、誰を責めようにも責めれないまま大人になっていったのだ。ここまで主人公が可哀想な作品はそうそう無いだろう。どんな形であっても、"居場所"がいかに大切かが分かる作品である。
肉屋のおばさんが
"救い"
一体、何が悪かったのか、誰が悪かったのか、そんな原因を突き詰めることすら諦めてしまう物語である
そして、そんな幕切れを自身の"自死"で解決してしまう精神状態も又、充分理解出来る これ以上生きていても只苦しいだけならば・・・
決して自分は、主人公を否定しない
独りはイヤ…
【ちょっとネタバレです、何ひとつ予備知識を入れたくない方は、読まない方が良いかも】
エヴァ13歳
同級生の男の子2人と一緒につるんで、周りには“三銃士”と呼ばれてる
そのうちの1人の男の子のお兄さんが不慮の事故で亡くなっていて、この夏休みはちょっとギクシャクしてる
彼の両親は長男を亡くした哀しみのせいか、最近不仲で、母親が家を出ていき、彼はとてもさびしそう…
最近、男の子たちは、わたしにはわからない遊びを始めている
男の子同士で意味ありげな目配せや、“お前にはわからないよ”という態度で、わたしはハブられて、ちょっと哀しい…
わたしの両親は、事あるごとにちょっとした言い合いを始めて、次第に大喧嘩に発展する
ママは隠れてワインのボトルを空けて、昼間もリビングの長椅子で寝ている
パパは優しいけれど、心ここにあらずというふうで、さびしい…
わたしと妹は一生懸命、家で明るくふるまっている…すくそこにある家族の危機に気づかないような顔で
誰もが わたしを 受け止めてくれない 独りはイヤ…
ガリガリと心を削られるような、長い長い退屈な夏休みの日々
子どもの夏休みの顛末を描いた「イノセンツ」というノルウェー映画もあった(これも良かった)
こちらも”夏の終わらない退屈さ”が悲劇を招く
どちらも全編に緊張感が満ち、最後まで漂う
隙のない映像が続き、悲劇になりそうな不安(+わずかな期待)とで、目が離せなかった
少女時代のエヴァを演じたローザ・マーチャントがとても良かった
嬉しい、哀しい、媚びる、期待、怒り、残念、どれも台詞がなくても十分に伝わる
大人のエヴァは小池栄子に似てた
(ピエール瀧という他の方のレビューもあったけど)
台詞もほとんど無くて、サイコな感じがこれまた良い
少女時代は夏の設定
大人時代は冬、そんな対比も良かった
構成はうまいが、救いがなさすぎる
幼少期のトラウマに関わる事件を描いた物語はどうしても重たくなる。それが性的なものであればなおさら。ローティーンであっても、少年少女の興味は性ということなんだろう。でも!と思う。誰かがどこかで抑制できなかったのかと。
あの事件の後、3人(のうち少女)が疎遠になっていったり、両親との確執が確定したり、エヴァが孤独感を強めていく流れは描かれない。もうあれで十分だ。それでも最後のあの計画、というか決断には納得がいかない。もっと違うことを考えてほしい。お国柄も影響している気がするが、あの結末に救いは全くなかった。本当につらい思いしか感じることができない。リベンジスリラーってジャンル分けしてるけど、リベンジになってるのかな、これ。
タイプの違う母親が2人出てくるのが興味深い。自分の子どものために他人の子どもがどうなろうと構わない態度と、自分の子どもがどうなろうとも自分のことを第一に考える態度。なるほどこれでエヴァが孤独感を強めていったのかと、そこだけは納得した。
最悪のPTSDではないかと。
3人の遊び仲間(♂2♀1)が調子に乗って道を踏み外し、それがトラウマになってしまった女子の復讐譚。
過去と現在を並行して描き見てる側にトラウマを生々しく、そして彼女の今の不思議行動を同時に解き明かして行く構造です。子供って些細な事で傷付くし、悪意なく傷つけちゃうんだよね、自分も昔あったなぁ、、、まあ大人も同じか。そんな事が重なり合って突然最悪へのドアがパクッと隣で開いちゃう、、、。
前半動きが無く少し退屈だが真ん中あたりからグイグイ来ます。子供時代の役者(ほぼ素人)が素晴らしい、余計な演技のテクとか知らないのが良い方向に向かったんだろう、監督も女優業で初監督らしい。上手く信頼関係が作れたのだな。
ネタばれ注意⚠️
誰も幸せにならないバッドエンドだが子供時代の彼女が楽しそうにしてるラストカットに鳥肌たった。
救いがない映画
中2の夏休み
思春期だけでなく、エヴァの満たされない心は幼少期からのものなんだろう。
中学生ぐらいのギラギラした少年達。
なんでそんなに見たい?触りたい?は、どこの国の少年でも共通なんや。
あの3人は同い年???
他人を傷つけても性欲に走るのは思春期だけでもなく、大人になっても続いていて被害者の女性は一生心に傷を負う。
観ていて辛かった。
中学生の頃の背伸びした夏休みを思い出した。早く大人になりたかったのもわかる。
母親の毒親っぷりは何がきっかけでそうなったのか?妹を可愛がるように幼いエヴァも当時は可愛がられてたのか?
妹を可愛がるエヴァが不憫だった。
邦題のセンスが最悪
陰鬱。
嫌いではない。
目が離せない。
救いがない。救いがない。
あぁーわかる!となる部分と
え、なんで!となる部分の融合。
お母さん、優しいときもあったのに。
妹、強くなったね。
エリザ、その気持ちは当然だと思う。
マリーさんが一番衝撃だった。
キズツケラレタ側はその傷みを一生忘れないけど、キズツケタ側は忘れる、って本当ね。
結局好きだったのはお兄ちゃん?弟??
こーゆー作品を観ると「家族を持つ」ことや「子供を育てる」ことは自分ごときに出来るはずないという鬱々とした気持ちになる……
これは〜おっパンでも観て「家族欲」リフレッシュしなきゃだな
(余談)
エヴァの少女時代役を演じた女の子は凄く良かった。
大人になったエヴァはなんでかピエール瀧にしか見えなかった。
トラウマ級の少女時代
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