「敷居が高そう...と恐る恐る観ましたが、コメディとして面白い!」ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 みちくささんの映画レビュー(感想・評価)
敷居が高そう...と恐る恐る観ましたが、コメディとして面白い!
ウェス・アンダーソン監督作品を初鑑賞。
アート作品と思いきや、がっつりコメディでした笑
至る所に小ボケが敷き詰められており、(元ネタは分かりませんでしたが)最後まで楽しく見れました!
個人的には、火矢にボーガンで応戦するシーンと、いきなりバスケを始めるシーン、散々殴り合った後に話し合おうとするシーンがお気に入りです笑
画作りは凄まじく、どの瞬間を切り取っても写真集の表紙になるのでは?というくらい整っていました。
かと言って見ていて胸焼けすることが無いのは、無駄をできるだけ排除したシンプルなデザインになっていることや、カメラワークと映像の切り替えが小気味良いからでしょうか?
先に撮りたい画を決めて、現実をそれに近づけて撮影しているように感じました。
「写実主義の真逆をやってみた」と言うのは簡単ですが、映画1本分の画を先に決めるのは尋常じゃない労力と発想の引き出しが必要だと思います。それをやってしまうのが才能なのだろうな~としみじみ感じました。
ストーリーは2/3くらいまで見てやっと何となく理解できるくらいなので、ストーリー重視の人には合わないかも?
登場人物は何を考えているのかいまいち分からないのですが、なぜだか、みんな活き活きして見えました。
作り手のこだわりが光る作品ゆえに、「自分のプロジェクトを破産してでも成し遂げる意地」「どちらが強いかをハッキリさせたい意地」に執着する姿、つまり、ある人から見たらくだらないと思われるようなことに価値を見出して命をかける姿に、アートやものづくりの行動原理を見た気がします。
ひとつ不満なのは邦題。
本編通りの発音の「ジャージャーコルダ」の方がリズミカルで気持ち良いのに、なぜひっかかりのある「ザ・ザ・コルダ」にしたのでしょうか。あえて違和感を残したんですかね?
(え、そんなこと気にならない?これは失礼しました)
観る前は難解な作品かと身構えていましたが、最初にいきなりグロシーンが来て度肝を抜かれた以外は、肩肘張らずに楽しく見れる作品でした。
(いつビョルン先生が吹き飛ぶのか、中盤は冷や冷やしながら見ていました笑)
